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Bonds in not Bond.

2007-05-11 12:21:25 | MLB
“ボンズの偉業”全米40%望む(スポーツニッポン) - goo ニュース
Poll: Whites, blacks view Bonds chase differently(ESPN)
America is conflicted about Bonds(ESPN)


もともとバリー・ボンズはファンに対して優しくない選手の筆頭として非常に有名だったこともあり、
所属チームの地元を除いて高い人気を得ていませんでした。しかし2001年に年間ホームラン記録を抜き、
昨今のステロイド疑惑、そして今年達成がほぼ確実になりつつある、ハンク・アーロンのメジャー通算
ホームラン記録越えを前にして、アメリカ国内ではボンズに対するさまざまな感情が渦巻いています。

ついこの間にも、レッドソックス内の2選手、デイビッド・オルティズとカート・シリングがボンズに
対して相反するコメントをしました。オルティズは、ボンズは不当に扱われているとした一方、
シリングは、ボンズは野球や家族をだましたという趣旨の発言をしました。シリングは翌日この発言を
撤回しましたが、メジャーリーガーの間でもボンズへの意見はいろいろとあるんだなと思わされました。

そうした最中、ESPNとABCが共同でボンズに関するアンケートを行いました。その結果を日本のメディア、
恐らく共同通信の人が書いたものと思いますが、そこが伝えるとこうなります。

ジャイアンツの主砲ボンズの大リーグ通算本塁打記録更新を望んでいる人は、
全米で約40%であるとの調査結果が(5月)7日、明らかにされた。3月下旬から4月下旬にかけて、
ABCとスポーツ専門局ESPNが電話で799人に聞き取り調査した。同選手の薬物使用疑惑に
ついては約75%の人が「知っていて使用したのではないか」とみている。
しかし、約60%の人が「野球殿堂入りすべきだ」と答えた。


この記事を見る限り、4割近い人がボンズを応援しているのかと驚いてしまいました。ボンズは今や
アメリカのプロスポーツ界において限りなくブラックに近い「グレーヒーロー」であるにも関わらず、
正確には37パーセントの人がボンズを応援しているのです。某国大統領の支持率といい勝負です。

日本ではアメリカほどにボンズの人気が低くないからだと思うのですが、「半数が望まず」ではなく
「40%が望む」という見出しも、自分の中での意外感を高めているんじゃないでしょうか。

しかし、この調査の興味深いところは、肌の色によってボンズを応援するか否かがぜんぜん違う点です。
アフリカ系では、野球ファンであると答えた74%が応援すると答え、白人では同じく60%が応援しないと
答えています。同時に、「ボンズは公平に扱われているか?」との問いに、アフリカ系の46%は、
そうではないと答え、白人の61%はそうだと答えています。何を持って「公平に扱われている」と
判断するのかは、いまいちわからないのですが、アフリカ系にとっては、ボンズの選手としての
面を見てくれと考える一方、白人は悪いことをしたのだから、今ぐらいの扱われ方が公平じゃないのと
いうことなのでしょう。

一方で「ボンズがアーロン越えを達成したら新しいHRキングとして認識されるべきか」という問いには、
両人種ともに半数以上はそうすべきと答え、「ボンズは殿堂入りすべきか?」との問いにも、半数以上が
そうされるべきと答えています。特に後半の質問に関しては、半分以下がそうされるべきではないと
考えていると思っていたので、意外な感じがします。これは「ボンズは故意に薬物を使用したと思うか?」に
3/4の人が「思う」と答えているのとは対象的です。このあたりは「薬物時代」の選手たちの業績を
後の殿堂入り投票で、野球記者やベテラン委員会がどう判断するかで今後変わると思います。

しかし、自分が「あぁやっぱり」と思ってしまった問いがあります。一番最初の「あなたはプロ野球の
ファンですか?」に対して、アフリカ系の74%が「いいえ」と答えている点です。本音なのか、あぁまたうざい
アンケート電話が来たから「いいえ」と答えておけばいいやという軽い気持ちかはわかりませんが、
アメリカ国内のアフリカ系の間での野球不人気というのは本当なのかもしれません。

ちなみに、レッドソックスはボンズの記録達成を目の前にするのではないかといわれている相手チームの
ひとつです。仮にフェンウェイパークでボンズが記録を抜いたとき、オルティズやシリング、ボストンのファンは
どう迎えるのでしょうか?


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