CC Sabathia outduels Justin Verlander as Yankees top Tigers (ESPN)
Martin's First Real Day in Pinstripes (Wall Street Times)
Martin off to fast start with Yanks (ESPN New York)
冷たい雨が降るニューヨークから、29℃という暑さになったロサンゼルスまで、2011年のメジャーリーグのシーズンが
開幕しました。気温の差はあっても、各チームとも希望とモチベーションを同じくらい高く持って、この日を迎えました。
しかしヤンキーズのオフシーズンはあまりにも冷たいものになりました。獲得を目指していた大物選手をことごとく捕り逃し、
ESPNクラシックで見つけたのではないかというベテラン選手で穴埋めせざるを得ない状況でした。一方でレッドソックスが
派手な大物盗りに成功したこともあり、ヤンキーズはレッドソックスに戦力面で劣る、というのが定説になりました。
その中で迎えた曇空でのタイガースとの開幕戦で、ヤンキーズは"proper fashion"で勝利を収めました。そこには開幕投手を
つとめたCC・サバシアや、攻守で貢献したカーティス・グランダーソン、逆転3ランを打ったマーク・タシェアラの活躍があったのは
当然なことです。一方で新加入の捕手で9番を打つ、ラッセル・マーティンの働きがヤンキーズをおもしろくするのではないかと
感じました。
ヤンキーズは1点を先制された状態で3回裏、マーティンから攻撃が始まりました。マーティンはレフト前のヒットで一塁へ出ます。
トップに戻り、ブレット・ガードナーは堅実に送りバントを決め、マーティンは二塁に進みます。2番のデレック・ジーターが四球を
選んだ後、タシェアラが打席に立ちます。ここでマーティンは三塁へ盗塁をします。マーティンはタイガースの開幕投手である
ジャスティン・バーランダーの癖を掴んでいました。ここまで好投していたバーランダーはこのひとつの盗塁で動揺したのか、
直後の投球が甘いところへ向かい、タシェアラが打った当たりはライトスタンド上段へ向かいました。
マーティンはもともと走れる捕手でもあります。打撃の弱いチームの中では機動力が必須だったというところもありますが、
ドジャーズ時代の2007年には21個、翌年には18個の盗塁を決めています。残念ながらその後2年は打率の低下と怪我による
出場機会の低下により、盗塁数もそれに伴い減りました。それでも、マーティンの機動力自体、というよりその機動力をどうやって
使うのかという洞察力は衰えていませんでした。カール・クロフォードのように年間50盗塁まではいかなくとも、マーティンが
9番打者として塁に出て、1番打者としての仕事ぶりも板についてきたガードナーやジーターが怖い中軸打者であるタシェアラや
アレックス・ロドリゲスへ繋いでいくことができれば、ヤンキーズの攻撃陣に好影響を与えられます。今回の3ランHRに繋がった
一連の攻撃が、その流れの典型になれるかもしれません。
そしてその攻撃こそ、ヤンキーズが嫌らしい強さを示していた1990年代終盤のヤンキーズの強さでもありました。残念ながら、
今のヤンキーズはジーター、タシェアラ、ロドリゲス、そしてマーティンに捕手の座を譲ったホルヘ・ポサーダなどスター選手は
数多くいますが、ラインアップ面でも年齢面でも、かつてほどのパワー依存の打線ではありません。そうなると力で相手を
恐れされるだけではなく、嫌らしい攻撃で相手をねじ伏せる必要も出ます。今回のマーティンの加入は捕手としての働きは
もちろんのこと、攻撃面でも新しい影響をもたらすことができる可能性を秘めています。
今年のヤンキーズは、今世紀に入ってから続いていた大型FA選手の獲得もなく、新しいスタジアムに反して派手さがかなり
抑えられているチームです。逆にレッドソックスが昨年オフに次々と大物選手を引き入れた姿が、いつぞやのヤンキーズの姿に
見えてしまうのが不思議なものです。レッドソックスはあれだけの戦力なんだから勝って当然という視線が降り注がれる中で、
ヤンキーズにはいかにして勝ち方を創り上げていくかが必要です。その中でマーティンが毎試合のようにユニフォームを汚すだけの
活躍ができるかが鍵になることでしょう。
Martin's First Real Day in Pinstripes (Wall Street Times)
Martin off to fast start with Yanks (ESPN New York)
冷たい雨が降るニューヨークから、29℃という暑さになったロサンゼルスまで、2011年のメジャーリーグのシーズンが
開幕しました。気温の差はあっても、各チームとも希望とモチベーションを同じくらい高く持って、この日を迎えました。
しかしヤンキーズのオフシーズンはあまりにも冷たいものになりました。獲得を目指していた大物選手をことごとく捕り逃し、
ESPNクラシックで見つけたのではないかというベテラン選手で穴埋めせざるを得ない状況でした。一方でレッドソックスが
派手な大物盗りに成功したこともあり、ヤンキーズはレッドソックスに戦力面で劣る、というのが定説になりました。
その中で迎えた曇空でのタイガースとの開幕戦で、ヤンキーズは"proper fashion"で勝利を収めました。そこには開幕投手を
つとめたCC・サバシアや、攻守で貢献したカーティス・グランダーソン、逆転3ランを打ったマーク・タシェアラの活躍があったのは
当然なことです。一方で新加入の捕手で9番を打つ、ラッセル・マーティンの働きがヤンキーズをおもしろくするのではないかと
感じました。
ヤンキーズは1点を先制された状態で3回裏、マーティンから攻撃が始まりました。マーティンはレフト前のヒットで一塁へ出ます。
トップに戻り、ブレット・ガードナーは堅実に送りバントを決め、マーティンは二塁に進みます。2番のデレック・ジーターが四球を
選んだ後、タシェアラが打席に立ちます。ここでマーティンは三塁へ盗塁をします。マーティンはタイガースの開幕投手である
ジャスティン・バーランダーの癖を掴んでいました。ここまで好投していたバーランダーはこのひとつの盗塁で動揺したのか、
直後の投球が甘いところへ向かい、タシェアラが打った当たりはライトスタンド上段へ向かいました。
マーティンはもともと走れる捕手でもあります。打撃の弱いチームの中では機動力が必須だったというところもありますが、
ドジャーズ時代の2007年には21個、翌年には18個の盗塁を決めています。残念ながらその後2年は打率の低下と怪我による
出場機会の低下により、盗塁数もそれに伴い減りました。それでも、マーティンの機動力自体、というよりその機動力をどうやって
使うのかという洞察力は衰えていませんでした。カール・クロフォードのように年間50盗塁まではいかなくとも、マーティンが
9番打者として塁に出て、1番打者としての仕事ぶりも板についてきたガードナーやジーターが怖い中軸打者であるタシェアラや
アレックス・ロドリゲスへ繋いでいくことができれば、ヤンキーズの攻撃陣に好影響を与えられます。今回の3ランHRに繋がった
一連の攻撃が、その流れの典型になれるかもしれません。
そしてその攻撃こそ、ヤンキーズが嫌らしい強さを示していた1990年代終盤のヤンキーズの強さでもありました。残念ながら、
今のヤンキーズはジーター、タシェアラ、ロドリゲス、そしてマーティンに捕手の座を譲ったホルヘ・ポサーダなどスター選手は
数多くいますが、ラインアップ面でも年齢面でも、かつてほどのパワー依存の打線ではありません。そうなると力で相手を
恐れされるだけではなく、嫌らしい攻撃で相手をねじ伏せる必要も出ます。今回のマーティンの加入は捕手としての働きは
もちろんのこと、攻撃面でも新しい影響をもたらすことができる可能性を秘めています。
今年のヤンキーズは、今世紀に入ってから続いていた大型FA選手の獲得もなく、新しいスタジアムに反して派手さがかなり
抑えられているチームです。逆にレッドソックスが昨年オフに次々と大物選手を引き入れた姿が、いつぞやのヤンキーズの姿に
見えてしまうのが不思議なものです。レッドソックスはあれだけの戦力なんだから勝って当然という視線が降り注がれる中で、
ヤンキーズにはいかにして勝ち方を創り上げていくかが必要です。その中でマーティンが毎試合のようにユニフォームを汚すだけの
活躍ができるかが鍵になることでしょう。