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[MLB短評]動かざるも金なり

2009-08-06 22:29:57 | MLB
Jays unfairly ripped by media for Halladay negotiations; more notes(SI.com)

メジャーリーグのトレード期限が7月末に終了しました。それから1週間ほど経過し、各メディア共に
冷静に今年のトレード市場を分析しています。そして勝ち組と負け組を認定します。しかしながら、
どうもメディアの勝ち負け分析は、トレードを成功させたか否かよりもそもそもトレードをしたのか
しなかったのかで全て決めているようにも思えてきます。

今年のトレード市場で真っ先に花火を打ち上げたのは、ロイ・ハラデイをトレードに出しても良いと言った
ブルージェイズでした。フィリーズはハラデイ獲得のために真っ先に動きました。しかしフィリーズは
躊躇することになります。ブルージェイズがハラデイを出す代わりに、フィリーズは有望な若手選手を
差し出さなければならなかったからです。結局、フィリーズはハラデイ獲得を諦め、もうひとりの有力投手、
インディアンズのクリフ・リーを獲得しました。ハラデイに対しては、エンジェルズやレッドソックスも
食指を伸ばしていたとされていますが、いずれもブルージェイズの要求を呑めずに撤退しました。

この場合、リーを獲得したフィリーズが勝ち組なのは言うまでもないでしょうし、リーはフィリーズ加入後すぐ、
素晴らしいピッチングをしました。一方、ハラデイを放出しなかったブルージェイズは負け組と烙印を
押されました。典型例がFOXスポーツのこちらの分析ではないでしょうか。

しかし、メディアがブルージェイズを負け組にしたのは、ハラデイをトレードしなかった、その一点に尽きると
思います。トレード期限というのは、トレードをしなければならないという意味ではないのですが。言い換えれば、
ハラデイをトレードして、リーグを盛り上げなかったのがメディアにとってはつまらないのでしょう。しょせん、
ブルージェイズなんて優勝戦線にも残れていないんだし、プレイオフも難しい、だったらリーグでも屈指の
スタミナ投手を放出しろとでもいいたいかのようです。

でも、ブルージェイズはカナダの地からアメリカに向けて、ハラデイは中途半端な若手ではなく有望な若手を
差し出さないとトレードしてやらないくらいの素晴らしい選手であることを証明しました。そのことだけでも、
ブルージェイズは今回のトレード戦線において「勝ち組」だと思います。J.P・リカルディGMの言葉が、
まさにぴったりではないでしょうか。

We said all along the only way we would trade Roy Halladay would be
if another club made it worthwhile.


今年のトレードで次々と選手が出て行ったパイレーツなどとは違い、ブルージェイズは本来選手を積極的に
獲りに行ってもおかしくないくらいの「良い」成績を上げていますし、良い選手が集まっています。問題は、
ブルージェイズの成績や戦力では、金がものをいうアメリカンリーグイーストを勝ち抜けない点です。

Good isn't enough. You have to be great.

とGMが話しているとおりです。ブルージェイズが"Great"とは言えなくとも"Good"なチームであり続けているのは、
ハラデイに負うところが大きいでしょう。実際、ここ11年間で7回、83勝から88勝を挙げるシーズンを送りながら、
プレイオフ進出は1度もない、一方で88勝以下でプレイオフに進出できたナショナルリーグのチームが8つもあります。

リカルディGMは、余程の選手と交換できない限り、今シーズンオフも、来シーズンもハラデイをトレードに
出すつもりはないことを言っています。人を動かさないことで選手の価値の高さを証明させたブルージェイズの
フロント陣は評価に値すべきだと思います。


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