Lee, Lincecum fittingly kick off 2010 World Series (MLB.com)
Lack of Northeast flavor spices up World Series (CBS Sportsline)
San Francisco Giants, Texas Rangers World Series worth watching (ESPN)
We want a Hollywood-scripted Series (FOX Sports)
アメリカのスポーツメディア、特にメジャーリーグの世界では、未だに「北東部信仰」が根強く残っているようです。
ヤンキーズやレッドソックスが強くなければならない、最近ではフィリーズがワールドシリーズに出なければならない、
MVPはミネソタ・ツインズの選手ではなく東海岸の選手がもらわなければならない、そういった考えが強いように
感じられます。恐らく、FOXテレビも今年のワールドシリーズも東海岸を代表する強豪2チームが進出してくれると
願っていたでしょう。
しかし、結果的にはニューヨークもボストンもフィラデルフィアも「世界」から蚊帳の外にされました。そのかわり、
テキサスとサンフランシスコにある低予算のチームが世界一を争います。どちらも全米的な人気という意味では
ヤンキーズの何分の1といったところでしょうし、FOXテレビもこの対戦が決まったときに正直頭を抱えたはずです。
だからといって、MLBと契約を取り交わした手前、日本シリーズみたいに全国中継を止めるとは言えませんし、
まぁこうなったら、2002年以来の第7戦まで雪崩れ込むくらいの接戦を望むしかないのでしょうか。
それでも、現地時間で水曜日に始まる第1戦は、「投手の年」2010年を代表する先発2投手の対決になりました。
ジャイアンツはティム・リンスカム、レンジャーズはクリフ・リーです。どちらもシーズン中は彼らにしてみたら「並み」の
成績でしたが、ポストシーズンになった途端に人が変わりました。特にリーはなぜ破産からオーナー交代に揺れた
レンジャーズが、マリナーズで無駄に活躍していたリーの獲得だけを譲れなかったのか、その答えを見事に
示してくれました。
一方、打線を比較すると、ポストシーズンに絞ってみるとかなり違った2チームに思えます。レンジャーズには、
理想的な1番打者であるエルビス・アンドラスが控えており、ジョシュ・ハミルトンは言うまでもなく、その後を打つ
ウラディミル・ゲレーロがALCS最終戦で目覚めだしたレンジャーズの打線には、平均的に力があると思います。
プレイオフでもスタメンを入れ替えて乗り越えてきたジャイアンツにとっては、投手陣と堅い守備が鍵となります
(レンジャーズも守備力は高いのですが)。ジャイアンツにはレンジャーズの強力打線には存在しないもの、
「ラッキーボーイ」があります。コディ・ロスという「干された」選手がここまで活躍し、NLCSのMVPを獲得するとは
考えられないことでした。同時に次期「Mr. OctoberもしくはNovember」候補のバスター・ポージーが4番で
このポストシーズン大活躍しています。それは反面、ポージーやロスの前後の選手がどれだけ活躍をするかに
掛かっているといえます。2002年のワールドシリーズで、エンジェルズはいかにしてバリー・ボンズの前後の
打者を抑えるかに焦点を当てていましたが、それと同じ状況が今のジャイアンツにあります。
ただし、ポージーには捕手としても冷静かつ思いっきりのよいリードを展開できる能力を持っています。
ポージーはジャイアンツにベンジー・モリーナを放出させたことを後悔させていませんが、モリーナは皮肉にも
レンジャーズにいます。バットは振れているし、強力な先発投手陣をうまく導いています。モリーナは優勝を
しようがしまいが、今シーズンで引退すると報道されていますが、モリーナがジャイアンツを後悔させることが
できるのかも焦点でしょう。
ワールドシリーズにしろ、スーパーボウルにしろ、最終決戦ではさまざまなストーリーラインが生まれるからこそ
そのおもしろさが増幅されるのだと思います。それは決して北東部のチームだけが有しているものではありません。
その意味では、レンジャーズもジャイアンツもワールドシリーズ進出に値するチームだと言い切ってもいいでしょう。
でも、ワールドシリーズで優勝に値するチームはひとつしかありません。
いずれにしても、この2チームにはワールドシリーズがアメリカの西部からでも十分に人々を楽しませることをが
できる試合であることを証明してもらいたいです。
Lack of Northeast flavor spices up World Series (CBS Sportsline)
San Francisco Giants, Texas Rangers World Series worth watching (ESPN)
We want a Hollywood-scripted Series (FOX Sports)
アメリカのスポーツメディア、特にメジャーリーグの世界では、未だに「北東部信仰」が根強く残っているようです。
ヤンキーズやレッドソックスが強くなければならない、最近ではフィリーズがワールドシリーズに出なければならない、
MVPはミネソタ・ツインズの選手ではなく東海岸の選手がもらわなければならない、そういった考えが強いように
感じられます。恐らく、FOXテレビも今年のワールドシリーズも東海岸を代表する強豪2チームが進出してくれると
願っていたでしょう。
しかし、結果的にはニューヨークもボストンもフィラデルフィアも「世界」から蚊帳の外にされました。そのかわり、
テキサスとサンフランシスコにある低予算のチームが世界一を争います。どちらも全米的な人気という意味では
ヤンキーズの何分の1といったところでしょうし、FOXテレビもこの対戦が決まったときに正直頭を抱えたはずです。
だからといって、MLBと契約を取り交わした手前、日本シリーズみたいに全国中継を止めるとは言えませんし、
まぁこうなったら、2002年以来の第7戦まで雪崩れ込むくらいの接戦を望むしかないのでしょうか。
それでも、現地時間で水曜日に始まる第1戦は、「投手の年」2010年を代表する先発2投手の対決になりました。
ジャイアンツはティム・リンスカム、レンジャーズはクリフ・リーです。どちらもシーズン中は彼らにしてみたら「並み」の
成績でしたが、ポストシーズンになった途端に人が変わりました。特にリーはなぜ破産からオーナー交代に揺れた
レンジャーズが、マリナーズで無駄に活躍していたリーの獲得だけを譲れなかったのか、その答えを見事に
示してくれました。
一方、打線を比較すると、ポストシーズンに絞ってみるとかなり違った2チームに思えます。レンジャーズには、
理想的な1番打者であるエルビス・アンドラスが控えており、ジョシュ・ハミルトンは言うまでもなく、その後を打つ
ウラディミル・ゲレーロがALCS最終戦で目覚めだしたレンジャーズの打線には、平均的に力があると思います。
プレイオフでもスタメンを入れ替えて乗り越えてきたジャイアンツにとっては、投手陣と堅い守備が鍵となります
(レンジャーズも守備力は高いのですが)。ジャイアンツにはレンジャーズの強力打線には存在しないもの、
「ラッキーボーイ」があります。コディ・ロスという「干された」選手がここまで活躍し、NLCSのMVPを獲得するとは
考えられないことでした。同時に次期「Mr. OctoberもしくはNovember」候補のバスター・ポージーが4番で
このポストシーズン大活躍しています。それは反面、ポージーやロスの前後の選手がどれだけ活躍をするかに
掛かっているといえます。2002年のワールドシリーズで、エンジェルズはいかにしてバリー・ボンズの前後の
打者を抑えるかに焦点を当てていましたが、それと同じ状況が今のジャイアンツにあります。
ただし、ポージーには捕手としても冷静かつ思いっきりのよいリードを展開できる能力を持っています。
ポージーはジャイアンツにベンジー・モリーナを放出させたことを後悔させていませんが、モリーナは皮肉にも
レンジャーズにいます。バットは振れているし、強力な先発投手陣をうまく導いています。モリーナは優勝を
しようがしまいが、今シーズンで引退すると報道されていますが、モリーナがジャイアンツを後悔させることが
できるのかも焦点でしょう。
ワールドシリーズにしろ、スーパーボウルにしろ、最終決戦ではさまざまなストーリーラインが生まれるからこそ
そのおもしろさが増幅されるのだと思います。それは決して北東部のチームだけが有しているものではありません。
その意味では、レンジャーズもジャイアンツもワールドシリーズ進出に値するチームだと言い切ってもいいでしょう。
でも、ワールドシリーズで優勝に値するチームはひとつしかありません。
いずれにしても、この2チームにはワールドシリーズがアメリカの西部からでも十分に人々を楽しませることをが
できる試合であることを証明してもらいたいです。