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[NFL短評]C/C (Cowboys Complex)

2009-12-12 12:15:52 | NFL
12月になるとダラス・カウボーイズは弱くなる、これはここ数年言われ出してきた年末の風物詩です。
そのことは今月最初の試合である6日のジャイアンツ戦を前にして、余計にカウボーイズにとって重要、
あるいは重圧になってきました。それはただ単に幸先の良い12月のスタートをきるだけではなく、
第2週にダラスで戦った際に、カウボーイズはジャイアンツに負けており、ディビジョン内成績を考えた場合、
この試合は絶対に落とすことができたいものでした。

しかし、自分を含めたカウボーイズファンにとって、実際の試合を見なくとも、試合のダイジェスト
見ただけで、テンションは一気にガタ落ちしたことでしょう。カウボーイズが10-0でリードしながらも、
前半終了間際でのマリオン・バーバーのファンブルによって、この試合の流れが完全に入れ替わりました。
それ以降、ジャイアンツが出すプレイは、ドメニク・ヒクソンのリターンTDであったり、ブランドン・
ジェイコブスの74ヤードのTDプレイであったり、どれもテンションが上がるものでした。

一方のカウボーイズは、個々の選手の成績は悪いものではありませんでした。トニー・ロモは400ヤード
近く投げましたし、TEのジェイソン・ウィッテンは150ヤード以上、連勝時に大活躍を続けてきたWRの
マイルズ・オースティンも100ヤード以上のパスキャッチをしました。しかし4thQの大変重要なところで、
ロモはフリーになっていたロイ・ウィリアムズへのパスを通すことができず、スペシャルチームはキックを
決めることができませんでした。ESPNのスポーツセンターでもこの試合はしっかりと話題になっていましたが、
その中で「カウボーイズは格好良くプレイしすぎている」という論評がありました。個々の選手成績は
輝かしいものであっても、それが試合全体の流れを決めるまでに至っていないし、その格好良さが重要な場面、
重要な試合で発揮されていない雰囲気が漂っていました。

そして、文字通り全米中が注目したこの試合が終わると、あらゆるアメリカのスポーツメディアは同じことを
書きだしました。

Cowboys' December woes are back again (FOX Sports)
Cowboys follow history with dreadful start to December (CBS Sportsline)
It’s December, So Dallas Invites the Usual Doubts (New York Times)


この時期になると、試合の戦術よりもとにかく得点をすること、ディフェンスにとってはとにかくボールを相手から
奪うことの方が重要になってくるはずです。この試合では、ジャイアンツにそうした泥臭さがあったと思います。
それを引き起こしたのはビックプレイであったことは当然ですが、例えばパスを通されても、積極的にボールを
掻き出そうとしていたりと、そうした些細であってもしぶとさが光るプレイにも現れていました。ライブ中継でも
ダイジェストでも注目されない細かいプレイですが、フィールドの選手たちには見えているはずですし、
試合の中で目指すべきプレイであることが何かが明らかなプレイでした。カウボーイズのプレイからは、
そうしたものを感じられませんでした。

カウボーイズは1997年以降12月と1月の通算成績では負け越しが続いています。2009年も重要な同地区内の
対戦をいきなり落としました。さらにテンションが下がることに、この先のカウボーイズはチャージャーズ、
今のところ全勝中のセインツ、最終週のイーグルスなどと、実力が拮抗またはそれ以上の相手が並んでいます。
また今年も12月は勝てないというカウボーイズの歴史が繰り返されるのでしょうか。

オーナーのジェリー・ジョーンズは「過去何があったかすら見たくない」と、前向きな姿勢を崩していませんが、
もしかしたら、カウボーイズに今必要なのは、修正すべきところは改善しながらも、それ以外の過去のしがらみや
負の歴史を忘れるくらいの激しいプレイかもしれません。カウボーイズらしいカッコ良さは捨てて、何が何でも
勝ちにこだわるカウボーイズを見てみたいものです。


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