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[短評]プレイオフ2題

2006-05-17 16:19:43 | NBA
セ 来季プレーオフ導入は見送りへ (スポーツニッポン) - goo ニュース
セはプレーオフ再考を コミッショナーが異論 (共同通信) - goo ニュース


今日、日本で話題のスポーツニュースはワールドカップの日本代表についてか、手首を怪我した松井秀喜の
話題のどちらかであって、日本のプロ野球のニュースは完全に影が薄いものになってしまっています。
そんな折に、地味ながらもこんなニュースがありました。いまだに何をやっているんだという印象すら受ける、
セリーグのプレイオフ問題です。

そもそも、セリーグが提案しているプレイオフ案は何をいいたいのかさっぱりわからないのです。どうやら、
「146試合の堅持」と「レギュラーシーズンの勝率1位チームをリーグ優勝」とすることは確実らしいのです。
それならば「プレイオフ」は一体何なのかというと「ポストシーズンゲーム」なんだそうです。結局のところ、
共同通信の論説記事にあるように、レギュラーシーズンの成績はそのままにする、そして現状のセリーグでは、
レギュラーシーズンが終わってから日本シリーズまで暇になり優勝チームは実戦の勘が鈍る、またパリーグが
プレイオフで盛り上がっているのにセリーグは何もしないのもあれだから何かやりたい、「あれもこれも」という
オーナー企業の意向が出ているようです。

その上セリーグ側が「セはセ、パはパだから難しい」と発言する始末ですから、一体去年まで騒いでいた球界改革は、
結局なんだったのかと言いたくなります。セはセ、パはパ「だけど」何とかしなければならないはずなのですが。
これでは、本来同じ親族が住むべき二世帯住宅に赤の他人である二世帯が住んでいるのと同じです。

一方で、ずっと地味でお飾り的存在だったコミッショナーが積極的に意見を言い出したことは注目すべきでしょう。
コミッショナーに必要な素質は、別にかつてプロ野球をやっていたかどうかではなく、指導力が発揮できるか
否かであることです。2004年当時は手も足も出さずに終わってしまったコミッショナーには、こういうときにこそ
指導力と法律家としての公平な視点での審判を期待したいところです。

Stern unveils his new plan for postseason seeding(CNNSI)

現在アメリカではNBAの長期間のプレイオフが行われているのですが、このシーディングもある意味わかりづらい
ものになっています。これを説明するのは長くて面倒なので省略しますが、要はカンファレンス内の勝率だけでなく、
ディビジョン内の順位も考慮に入れなくてはならないのです。

そこに噛み付いたのが名物オーナーで今のシーディングの犠牲者だと訴えたマーヴェリックスのマーク・キュバーンです。
簡単に言えば、ディビジョンの順位如何に関わらず、勝率がいいチームから第1シード、第2シード・・・と決めてくれと
主張しました。そこでコミッショナーのデビット・スターンは、勝率1位から4位までのチームは勝率のみに従いシードを与えて、
かつ「勝率がいいチーム」がホームフィールド・アドバンテージを獲得できるプレイオフに変える方針を決めた模様です
(あとはリーグの委員会の承認待ち)。

何となく1人のオーナーのゴリ押しがコミッショナーに勝った印象も受けますが、少なくとも新しい案の方が、勝率と順位の
両にらみをする必要も、勝率上位チーム同士(今年で言えばスパーズとマーヴェりっくス)がプレイオフの早い段階で
当たる可能性も減ります。それでいて、勝率上位チームが有利となる仕組みも保たれます。つまり、プレイオフとは、
わかりやすい仕組み、レギュラーシーズンの成績の尊重、そして強いチームが有利となる条件下で優勝チームを決める
ものであるべきです。

その点から考えると、セリーグのオーナーたちがゴリ押ししているものがいかにおかしなものであるかがわかります。


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