Jimenez throws first no-hitter in Rox history (MLB.com)
Bauman: Jimenez having season of dreams(MLB.com)
Jimenez gets right back to work after no-no (MLB.com)
コロラド・ロッキーズ史上初のノーヒットを達成したウバルド・ヒメネスの試合が行われていたときには、
外出中でしたので、夜に帰宅後、録画していたブレーブス戦(川上憲伸が先発ということでたまたま
放送されていた試合)にて見ることができました。不思議なもので、こういう結果だと知って見る試合には、
いくつもの伏線のようなものがあるのだなと気付かされます。
例えば、FSNのコロラド地元局は、試合の序盤で「ロッキーズの試合を見るときにはいつもスコアを
つけながら見てますか?」という質問を視聴者向けにしていました。恐らく、これでYesと答えた人は、
この試合のスコアシートを孫の代まで保存することでしょう。一方、ブレーブスのファンで熱心にスコアを
付けていた人は、既に破り捨てたはずです。
ただし、ヒメネスの序盤の投球内容は決してスコアシート的にはきれいなものとは言えませんでした。
常に四球でランナーを背負う展開が続きました。しかしそのような流れを断ち切ったのもヒメネスでした。
特に3回裏にひとりランナーが出て(当然ながら四球)、川上が送りバントをしたとき、ヒメネスは迷わず
2塁へ投げランナーをアウトにしました。ヒメネスはさらに四球でひとりランナーを出しますが、正捕手の
ミゲール・オリボが2塁への牽制球でランナーの川上を刺しました。そしてその直後の攻撃で、ヒメネスは
センターへヒットを打ち、打点を稼ぎます。
これがノーヒッターを達成とは関係ない試合であったとしても、恐らく3回裏と4回表の攻防が試合の
流れを大いに決めた転換点となったはずです。しかしこの試合に限っては、この部分がその後の展開と
ロッキーズの歴史を作ったと言っても過言ではないでしょう。
まだ26歳のヒメネスは、例えばロイ・ハラデイやティム・リンスカムほどの凄さのある選手では必ずしも
言えませんが、2年連続で30試合以上で先発し2桁勝利をしており、ロッキーズ先発ローテーションでは、
重要な地位を占めています。またこのノーヒッターを達成するまでも、今シーズン既に2勝を挙げています。
その意味では、未だに打高投低の印象が強いロッキーズに所属していることも影響して、ヒメネスへの
評価は見過ごされていたというべきでしょう。
一方で典型的な速球派、つまりコントロールが定まらないときは徹底的にひどい、というのが皮肉にも
今回のノーヒッターで明らかになりました。6四球を出しながらもブレーブス打線を抑えることができたのは、
ランナーが出てからセットポジション(stretch)で投げて制球力が付いたからでした。6回以降は完璧に
相手打線を抑えましたが、それもコーチの指示に従いセットからの投球に変えたからでした。それでも、
90マイルを超える速球は最後まで衰えることがありませんでした。
それだけの体力を備えられるのも、投球後のランニングを欠かさないまじめさにあるのかもしれません。
ノーヒッターのお祝いで夜遅くまで飲んだ翌朝でも、ヒメネスは2時間の睡眠後、ひとりで6マイルの
ランニングに出たほどです。このランニングは、WBCでのチームメイトだったペドロ・マルチネスからの
アドバイスや、絶対的なクローザーであるトレバー・ホフマンが試合後に走る姿に影響を受けたと
ヒメネスは話しています。
そう考えると、ヒメネスのノーヒッターは偶然の産物ではなく、努力の結果だったのかも知れません。
それと同時に、この試合が大記録に満足しないヒメネスがアトランタの朝6;30にランニングへ文字通り
駆り立てた原動力になりました。次は現地の木曜日のナショナルズ戦で先発予定です。さすがに2試合
連続でのノーヒッターはありえないでしょうが、このノーヒッターを見て、今後のヒメネスの先発試合では
スコアシートを付けるのが楽しみなロッキーズファンが多くなったことでしょう。
Bauman: Jimenez having season of dreams(MLB.com)
Jimenez gets right back to work after no-no (MLB.com)
コロラド・ロッキーズ史上初のノーヒットを達成したウバルド・ヒメネスの試合が行われていたときには、
外出中でしたので、夜に帰宅後、録画していたブレーブス戦(川上憲伸が先発ということでたまたま
放送されていた試合)にて見ることができました。不思議なもので、こういう結果だと知って見る試合には、
いくつもの伏線のようなものがあるのだなと気付かされます。
例えば、FSNのコロラド地元局は、試合の序盤で「ロッキーズの試合を見るときにはいつもスコアを
つけながら見てますか?」という質問を視聴者向けにしていました。恐らく、これでYesと答えた人は、
この試合のスコアシートを孫の代まで保存することでしょう。一方、ブレーブスのファンで熱心にスコアを
付けていた人は、既に破り捨てたはずです。
ただし、ヒメネスの序盤の投球内容は決してスコアシート的にはきれいなものとは言えませんでした。
常に四球でランナーを背負う展開が続きました。しかしそのような流れを断ち切ったのもヒメネスでした。
特に3回裏にひとりランナーが出て(当然ながら四球)、川上が送りバントをしたとき、ヒメネスは迷わず
2塁へ投げランナーをアウトにしました。ヒメネスはさらに四球でひとりランナーを出しますが、正捕手の
ミゲール・オリボが2塁への牽制球でランナーの川上を刺しました。そしてその直後の攻撃で、ヒメネスは
センターへヒットを打ち、打点を稼ぎます。
これがノーヒッターを達成とは関係ない試合であったとしても、恐らく3回裏と4回表の攻防が試合の
流れを大いに決めた転換点となったはずです。しかしこの試合に限っては、この部分がその後の展開と
ロッキーズの歴史を作ったと言っても過言ではないでしょう。
まだ26歳のヒメネスは、例えばロイ・ハラデイやティム・リンスカムほどの凄さのある選手では必ずしも
言えませんが、2年連続で30試合以上で先発し2桁勝利をしており、ロッキーズ先発ローテーションでは、
重要な地位を占めています。またこのノーヒッターを達成するまでも、今シーズン既に2勝を挙げています。
その意味では、未だに打高投低の印象が強いロッキーズに所属していることも影響して、ヒメネスへの
評価は見過ごされていたというべきでしょう。
一方で典型的な速球派、つまりコントロールが定まらないときは徹底的にひどい、というのが皮肉にも
今回のノーヒッターで明らかになりました。6四球を出しながらもブレーブス打線を抑えることができたのは、
ランナーが出てからセットポジション(stretch)で投げて制球力が付いたからでした。6回以降は完璧に
相手打線を抑えましたが、それもコーチの指示に従いセットからの投球に変えたからでした。それでも、
90マイルを超える速球は最後まで衰えることがありませんでした。
それだけの体力を備えられるのも、投球後のランニングを欠かさないまじめさにあるのかもしれません。
ノーヒッターのお祝いで夜遅くまで飲んだ翌朝でも、ヒメネスは2時間の睡眠後、ひとりで6マイルの
ランニングに出たほどです。このランニングは、WBCでのチームメイトだったペドロ・マルチネスからの
アドバイスや、絶対的なクローザーであるトレバー・ホフマンが試合後に走る姿に影響を受けたと
ヒメネスは話しています。
そう考えると、ヒメネスのノーヒッターは偶然の産物ではなく、努力の結果だったのかも知れません。
それと同時に、この試合が大記録に満足しないヒメネスがアトランタの朝6;30にランニングへ文字通り
駆り立てた原動力になりました。次は現地の木曜日のナショナルズ戦で先発予定です。さすがに2試合
連続でのノーヒッターはありえないでしょうが、このノーヒッターを見て、今後のヒメネスの先発試合では
スコアシートを付けるのが楽しみなロッキーズファンが多くなったことでしょう。