Cowboys erase recent playoff futility with rout of Eagles (NFL.com)
Romo has coming-out party with first playoff victory (CBS Sports)
One word sums up Dallas Cowboys' solution for success (DallasNews.com)
Dallas Cowboys defense stays hot, swats Philadelphia Eagles WR DeSean Jackson (ESPN)
Dallas Cowboys get little satisfaction out of beating the Eagles (DallasNews.com)
Eagles need defensive help (Philly.com)
2000年最初の10年間、というよりここ13年間、カウボーイズファンは非常に苦しい時期を過ごしました。
プレイオフに進出できない、進出したとしても、すぐに負けてしまう、スターQBが定着しない上に、
トラブルを引き起こすレシーバーやCBと契約しても勝てない。"America's Team"と呼ばれ続けてきた
カウボーイズは、いつの間にか"America's Shame"になっていました。
しかし、新しい年になった途端、カウボーイズはかつての強さを取り戻したように感じさせてくれました。
もともと能力があるディフェンス陣に加えて、能力とスター性は高くても得点効率が高くなかった攻撃陣が
息を吹替えしてきました。確かに試合開始直後のドライブでは、ゴール前19ヤードまで進みながらも、
反則による罰退とイーグルス守備陣のブリッツにより、あえなくパントでシリーズを終えたりと、10万人以上も
詰めかけたファンにとっては、悪夢が頭を過ぎりかけた状態でした。
それでも、2ndQに最初のTDを上げてからは、カウボーイズのオフェンスは自信をもってドライブを展開しました。
この「ドライブ」という部分が重要です。イーグルスが、7点リードされた後に、マイケル・ヴィックのロングパスで
1つTDを返しましたが、イーグルスは前半、1stダウンの更新が5回のみでした(うち3回は残り2分を切った時点で
カウボーイズのディフェンスがルーズに守っていた時間帯です)。前半から圧倒的にボールを支配し続けてきた
カウボーイズのオフェンスが上回っており、それが試合全体で自信を醸成していったように感じます。
オフェンスがリラックスして得点できたのは、ディフェンスのおかげでもあります。カウボーイズは1つTDを
出会い頭的に取られましたが、それ以外はほぼ完璧に抑えていました。カウボーイズのファンはそれを見て安心し、
ドノヴァン・マクナブをはじめとしたイーグルスの攻撃陣は焦りを隠すことができず、また前週の完封負けに似た
状況を思い出していたことでしょう。
この試合を特徴付けているプレイを一つ上げるとしたら、2ndQのこのプレイにあると思います。カウボーイズが
2つ目のTDを決めた後のイーグルスのドライブです。
3-4-PHI 36 (8:26) (Shotgun) 5-D.McNabb pass short right to 18-J.Maclin to
PHI 38 for 2 yards (43-G.Sensabaugh).
カウボーイズはこの前のドライブでTDを決めましたが、そこにはチャレンジ成功による命拾いというものがありました。
プレッシャーを感じたトニー・ロモがインターセプト気味のパスを投げてしまいながらも、ウェイド・フィリップスHCの
文字どおりの「チャレンジ」により、イーグルスへ向かいかけた試合の流れをカウボーイズに戻しました。そこから、
カウボーイズはオフェンスを進めてTDを上げました。しかし、やはり今後のプレイオフでの展開を考えた場合でも、
カウボーイズは正真正銘なドライブでの得点を必要としました。それには、イーグルスのオフェンスを止めることが
必須だったと思います。
そこで、1回1stダウンを更新された後にこのプレイが出ますが、この微妙な距離での3rdダウンコンバージョンで、
カウボーイズがイーグルスにやすやすと1stダウンを更新させていたら、試合の行方はわからなかったはずです。
逆の見方をすると、イーグルスの敗因はこの場面でボールを確保できなかったことにあったのです。ただでさえ、
カウボーイズのオフェンスは得点をしなくてもボールを確保し続けていたので、イーグルスとしてはこの場面で
オフェンスを続ける必要があったはずです。しかしそれは叶わず、直後のカウボーイズのシリーズで3点失いました。
カウボーイズの攻撃はTDにはできませんでしたが、約4分のドライブによって、7点と同じ重みのある3点の獲得に
成功したと思います。
ちなみに、この試合後すぐに、熱心なカウボーイズのファンは酷寒のミネアポリスのホテルの予約に走ったそうです。
ヴァイキングスとのプレイオフ第2戦を観戦するためなのですが、もしかしたら、勘の良いファンは前半終了時には
旅行の準備をしていたかもしれません。
トニー・ロモは12月初旬までは、またどうせこの冬も勝てないだろうと言う見方をされていましたが、セインツ戦での
ミスの少ない勝ち以降、その見方は一変しました。ロモは周囲の雑音に対して全く気に留めることはなかったと
試合後のインタビューで答えていましたが、それはロモが自分のプレイに自信を付けてきたからなのかもしれません。
その意味では、ロモは成人を迎えたのでしょう。
しかし、ロモが安心してプレイできるのは、ロモがすごいからではなく、上に載せた3つ目のコラムにあるように、
一度落ちぶれたカウボーイズ自体が13年の月日を経て、成人したからかもしれません。いくらプロボウル選出選手を
多く輩出したとしても、それがプレイに反映されなければ意味をなしません。フィリップスHCも選手たちに対して
"The team"という意識を植え付てきました。そして、
We're not offense or defense or special teams.
We're a team. Everyone does his part and everyone is accountable to everyone else.
It just works.
という記事内のコメントや、ロモの試合後のインタビューでの発言(自分ひとりでは勝つことができない、という
趣旨のもの)を見る限り、カウボーイズは各選手のプロフィールに「スーパーボウル優勝」というものを載せるため、
ではなくて、チームとして勝ちにこだわりだしたように感じられます。
それでも、これはたかが13年間で最初のプレイオフでの1勝です。本当に価値ある1勝のためには、あと2勝が必要です。
試合後、NTのジェイ・ラトリフ曰く、
"The accomplishment is that we won. But are we satisfied? No."
Romo has coming-out party with first playoff victory (CBS Sports)
One word sums up Dallas Cowboys' solution for success (DallasNews.com)
Dallas Cowboys defense stays hot, swats Philadelphia Eagles WR DeSean Jackson (ESPN)
Dallas Cowboys get little satisfaction out of beating the Eagles (DallasNews.com)
Eagles need defensive help (Philly.com)
2000年最初の10年間、というよりここ13年間、カウボーイズファンは非常に苦しい時期を過ごしました。
プレイオフに進出できない、進出したとしても、すぐに負けてしまう、スターQBが定着しない上に、
トラブルを引き起こすレシーバーやCBと契約しても勝てない。"America's Team"と呼ばれ続けてきた
カウボーイズは、いつの間にか"America's Shame"になっていました。
しかし、新しい年になった途端、カウボーイズはかつての強さを取り戻したように感じさせてくれました。
もともと能力があるディフェンス陣に加えて、能力とスター性は高くても得点効率が高くなかった攻撃陣が
息を吹替えしてきました。確かに試合開始直後のドライブでは、ゴール前19ヤードまで進みながらも、
反則による罰退とイーグルス守備陣のブリッツにより、あえなくパントでシリーズを終えたりと、10万人以上も
詰めかけたファンにとっては、悪夢が頭を過ぎりかけた状態でした。
それでも、2ndQに最初のTDを上げてからは、カウボーイズのオフェンスは自信をもってドライブを展開しました。
この「ドライブ」という部分が重要です。イーグルスが、7点リードされた後に、マイケル・ヴィックのロングパスで
1つTDを返しましたが、イーグルスは前半、1stダウンの更新が5回のみでした(うち3回は残り2分を切った時点で
カウボーイズのディフェンスがルーズに守っていた時間帯です)。前半から圧倒的にボールを支配し続けてきた
カウボーイズのオフェンスが上回っており、それが試合全体で自信を醸成していったように感じます。
オフェンスがリラックスして得点できたのは、ディフェンスのおかげでもあります。カウボーイズは1つTDを
出会い頭的に取られましたが、それ以外はほぼ完璧に抑えていました。カウボーイズのファンはそれを見て安心し、
ドノヴァン・マクナブをはじめとしたイーグルスの攻撃陣は焦りを隠すことができず、また前週の完封負けに似た
状況を思い出していたことでしょう。
この試合を特徴付けているプレイを一つ上げるとしたら、2ndQのこのプレイにあると思います。カウボーイズが
2つ目のTDを決めた後のイーグルスのドライブです。
3-4-PHI 36 (8:26) (Shotgun) 5-D.McNabb pass short right to 18-J.Maclin to
PHI 38 for 2 yards (43-G.Sensabaugh).
カウボーイズはこの前のドライブでTDを決めましたが、そこにはチャレンジ成功による命拾いというものがありました。
プレッシャーを感じたトニー・ロモがインターセプト気味のパスを投げてしまいながらも、ウェイド・フィリップスHCの
文字どおりの「チャレンジ」により、イーグルスへ向かいかけた試合の流れをカウボーイズに戻しました。そこから、
カウボーイズはオフェンスを進めてTDを上げました。しかし、やはり今後のプレイオフでの展開を考えた場合でも、
カウボーイズは正真正銘なドライブでの得点を必要としました。それには、イーグルスのオフェンスを止めることが
必須だったと思います。
そこで、1回1stダウンを更新された後にこのプレイが出ますが、この微妙な距離での3rdダウンコンバージョンで、
カウボーイズがイーグルスにやすやすと1stダウンを更新させていたら、試合の行方はわからなかったはずです。
逆の見方をすると、イーグルスの敗因はこの場面でボールを確保できなかったことにあったのです。ただでさえ、
カウボーイズのオフェンスは得点をしなくてもボールを確保し続けていたので、イーグルスとしてはこの場面で
オフェンスを続ける必要があったはずです。しかしそれは叶わず、直後のカウボーイズのシリーズで3点失いました。
カウボーイズの攻撃はTDにはできませんでしたが、約4分のドライブによって、7点と同じ重みのある3点の獲得に
成功したと思います。
ちなみに、この試合後すぐに、熱心なカウボーイズのファンは酷寒のミネアポリスのホテルの予約に走ったそうです。
ヴァイキングスとのプレイオフ第2戦を観戦するためなのですが、もしかしたら、勘の良いファンは前半終了時には
旅行の準備をしていたかもしれません。
トニー・ロモは12月初旬までは、またどうせこの冬も勝てないだろうと言う見方をされていましたが、セインツ戦での
ミスの少ない勝ち以降、その見方は一変しました。ロモは周囲の雑音に対して全く気に留めることはなかったと
試合後のインタビューで答えていましたが、それはロモが自分のプレイに自信を付けてきたからなのかもしれません。
その意味では、ロモは成人を迎えたのでしょう。
しかし、ロモが安心してプレイできるのは、ロモがすごいからではなく、上に載せた3つ目のコラムにあるように、
一度落ちぶれたカウボーイズ自体が13年の月日を経て、成人したからかもしれません。いくらプロボウル選出選手を
多く輩出したとしても、それがプレイに反映されなければ意味をなしません。フィリップスHCも選手たちに対して
"The team"という意識を植え付てきました。そして、
We're not offense or defense or special teams.
We're a team. Everyone does his part and everyone is accountable to everyone else.
It just works.
という記事内のコメントや、ロモの試合後のインタビューでの発言(自分ひとりでは勝つことができない、という
趣旨のもの)を見る限り、カウボーイズは各選手のプロフィールに「スーパーボウル優勝」というものを載せるため、
ではなくて、チームとして勝ちにこだわりだしたように感じられます。
それでも、これはたかが13年間で最初のプレイオフでの1勝です。本当に価値ある1勝のためには、あと2勝が必要です。
試合後、NTのジェイ・ラトリフ曰く、
"The accomplishment is that we won. But are we satisfied? No."