Tiger Woods cancels tournament appearance (CNN.com)
The key Tiger question: Do you believe him?(FOX Sports)
【コラム】T・ウッズ事故、スーパースターに問われる責任(ブルームバーグ)
Tiger Woods and Elin Nordegren have never faced public scrutiny like this (ESPN)
Woods is only human (CNN.com)
執拗なほどのメディア攻撃と、次々と流される海千山千の情報、類まれなゴルフの才能と、人々を引き付ける魅力。
それだけのものに囲まれ、あるいは自分自身がそれほどまでの立場にのし上がりながらも、タイガー・ウッズほど、
ファンやメディアとの微妙な距離感を保ち続けているハイパースーパースターはいないと思います。タイガーは決して
メディアを毛嫌いするわけでもなく、だからといって、メディアもタイガーを思い切り攻撃するわけでもありません
(本職が不調のときを除く)。そして、タイガーはその注目の大多数をゴルフのプレイに集中させることに成功しました。
もちろん、メディアは結婚や奥さんの出産、親類の死というタイガーのプライベートな出来事にも飛びつきました。
それでも他のスーパースターと違い、メディアはタイガーの私生活へ近づくことは、ある種の不可侵領域への侵入だと
捉えていたと思います(アレックス・ロドリゲスがいつもパパラッチに追い回されるのとは違います)。
それが一晩で変わりました。タイガーが深夜に自分の車を動かし、木にぶつかり消火栓にぶつかり、顔に傷を作りました。
まぁどれだけのスターであっても自動車で事故を起こすことくらいはあるかと思いますが、その主役がタイガーとあって、
世界中はまずは心配をしました。しかし、奥さんがタイガーの車の窓をクラブで叩き割り、タイガーを救い上げた瞬間、
タイガーが守り続けてきたであろうスターの殻にもひびが入り、一気に疑問が生まれてきました。なぜタイガーは真夜中に
ひとり自宅を出てドライブに出ようとしたのか?実はタイガーはニューヨークのホステスと浮気をしているのだという
作り話まで出てきています。メディアをコントロールすることに成功したタイガーは、この一瞬ささいな自損事故により、
メディアにコントロールされる立場になりました。
それでも、タイガーは警察へ事故について話すことはなく(タイガーはそのような法的義務はないとする法律専門家の
解説まで出るようになりました)、もちろん今回の事故に関してメディアの前に出ることもありません。タイガーが事故以降に
出した主な声明は、自分が主催するトーナメントに出場しないことと、奥さんが窓を叩き割って自分を助けたことへの賞賛、
その程度です。タイガーは何とかしてメディアをコントロールしていますが、一方でメディアはタイガーは真実を話せと
プレッシャーを掛け捲ります。それはタイガーが莫大な金額を動かすことができるほどの商品価値があるからではなく、
これまでのタイガーとの微妙な距離感を縮めるチャンスだと考えているのではないでしょうか。
ところで、今回の騒動を見ていたら、今年の初旬にあった別のスーパースターのある騒動を思い出しました。上でも名前を
出している、ロドリゲスのステロイド疑惑です。あの当時、メディアはロドリゲスに真実を話せと迫り続けました。そこで、
ロドリゲスとそのチームは、テレビのインタビューに答え、キャンプ地でチームメイトを引き連れて記者会見を行いました。
それでも中にはロドリゲスはまだ何か隠していると疑う向きもありましたが、今となったら、ワールドシリーズで大活躍した
ロドリゲスというイメージが強くなりました。ロドリゲスもタイガーに負けないくらいのスター性を備えていますが、幸か不幸か、
ロドリゲスはニューヨークのチームに所属し、常にメディアの餌食となっていました。ロドリゲスにはメディアとの距離がいつも
近いものだったのです。それがかえって、ステロイド疑惑での対応に生かされたように感じられます。
しかし、タイガーの場合は、今や完全に立場が逆転した印象すらあります。昨年の全米オープンで、タイガーは体の痛みに
耐えながらも大逆転勝利を収めました。今のタイガーは、顔に負った傷以上に、メディアからの攻撃による心理的な痛みから
逃れる必要があります。
ただし、ロドリゲスの場合はステロイドをやったのかやっていないのかという二者択一だったのに対し、タイガーの場合には、
あることないこと含めてとにかく真実を話せとメディアは迫っています。そもそもタイガーが虚実を話しているかどうかすら
定かではないのに、です。個人的には何をそこまでタイガーに迫っているのかがわかりません。
タイガー・ウッズが自らの車で自損事故を起こしました。しかしタイガーは無事でした。以上!
自分にとってはこれだけです。タイガーは超スーパースターなのだから、ファンやスポンサーに対して説明責任があるのだと
もっともらしく書いているコラムニスト等もいるようです。しかしながら、極論を言ってしまえば、タイガーが事故を起こしたって
いいじゃないかと思います(もちろん褒められる行為ではないですが)。メディアはそれ以上に今回の深夜の事故を思いっきり
脚色しすぎています。
タイガーは公道に出ることなく事故を起こし、メディアにタイガーのプライベートへ付け入る隙の道を与えたことは確かです。
それでも、その道を立ち入りはすれど、道をズンズン歩いていく必要はないはずです。名前はタイガーでもひとりの人間です。
今回のような過ちだって犯します。むしろ、今回のメディアの行動を見ていたら、人間の心を持たなくなったタイガーとして
来年はじめのゴルフトーナメントに復帰するんじゃないでしょうか。そのとき、タイガーが好んで保っていたであろうメディアや
ファンとの心地よい距離感に大きな亀裂が生じそうです。
The key Tiger question: Do you believe him?(FOX Sports)
【コラム】T・ウッズ事故、スーパースターに問われる責任(ブルームバーグ)
Tiger Woods and Elin Nordegren have never faced public scrutiny like this (ESPN)
Woods is only human (CNN.com)
執拗なほどのメディア攻撃と、次々と流される海千山千の情報、類まれなゴルフの才能と、人々を引き付ける魅力。
それだけのものに囲まれ、あるいは自分自身がそれほどまでの立場にのし上がりながらも、タイガー・ウッズほど、
ファンやメディアとの微妙な距離感を保ち続けているハイパースーパースターはいないと思います。タイガーは決して
メディアを毛嫌いするわけでもなく、だからといって、メディアもタイガーを思い切り攻撃するわけでもありません
(本職が不調のときを除く)。そして、タイガーはその注目の大多数をゴルフのプレイに集中させることに成功しました。
もちろん、メディアは結婚や奥さんの出産、親類の死というタイガーのプライベートな出来事にも飛びつきました。
それでも他のスーパースターと違い、メディアはタイガーの私生活へ近づくことは、ある種の不可侵領域への侵入だと
捉えていたと思います(アレックス・ロドリゲスがいつもパパラッチに追い回されるのとは違います)。
それが一晩で変わりました。タイガーが深夜に自分の車を動かし、木にぶつかり消火栓にぶつかり、顔に傷を作りました。
まぁどれだけのスターであっても自動車で事故を起こすことくらいはあるかと思いますが、その主役がタイガーとあって、
世界中はまずは心配をしました。しかし、奥さんがタイガーの車の窓をクラブで叩き割り、タイガーを救い上げた瞬間、
タイガーが守り続けてきたであろうスターの殻にもひびが入り、一気に疑問が生まれてきました。なぜタイガーは真夜中に
ひとり自宅を出てドライブに出ようとしたのか?実はタイガーはニューヨークのホステスと浮気をしているのだという
作り話まで出てきています。メディアをコントロールすることに成功したタイガーは、この一瞬ささいな自損事故により、
メディアにコントロールされる立場になりました。
それでも、タイガーは警察へ事故について話すことはなく(タイガーはそのような法的義務はないとする法律専門家の
解説まで出るようになりました)、もちろん今回の事故に関してメディアの前に出ることもありません。タイガーが事故以降に
出した主な声明は、自分が主催するトーナメントに出場しないことと、奥さんが窓を叩き割って自分を助けたことへの賞賛、
その程度です。タイガーは何とかしてメディアをコントロールしていますが、一方でメディアはタイガーは真実を話せと
プレッシャーを掛け捲ります。それはタイガーが莫大な金額を動かすことができるほどの商品価値があるからではなく、
これまでのタイガーとの微妙な距離感を縮めるチャンスだと考えているのではないでしょうか。
ところで、今回の騒動を見ていたら、今年の初旬にあった別のスーパースターのある騒動を思い出しました。上でも名前を
出している、ロドリゲスのステロイド疑惑です。あの当時、メディアはロドリゲスに真実を話せと迫り続けました。そこで、
ロドリゲスとそのチームは、テレビのインタビューに答え、キャンプ地でチームメイトを引き連れて記者会見を行いました。
それでも中にはロドリゲスはまだ何か隠していると疑う向きもありましたが、今となったら、ワールドシリーズで大活躍した
ロドリゲスというイメージが強くなりました。ロドリゲスもタイガーに負けないくらいのスター性を備えていますが、幸か不幸か、
ロドリゲスはニューヨークのチームに所属し、常にメディアの餌食となっていました。ロドリゲスにはメディアとの距離がいつも
近いものだったのです。それがかえって、ステロイド疑惑での対応に生かされたように感じられます。
しかし、タイガーの場合は、今や完全に立場が逆転した印象すらあります。昨年の全米オープンで、タイガーは体の痛みに
耐えながらも大逆転勝利を収めました。今のタイガーは、顔に負った傷以上に、メディアからの攻撃による心理的な痛みから
逃れる必要があります。
ただし、ロドリゲスの場合はステロイドをやったのかやっていないのかという二者択一だったのに対し、タイガーの場合には、
あることないこと含めてとにかく真実を話せとメディアは迫っています。そもそもタイガーが虚実を話しているかどうかすら
定かではないのに、です。個人的には何をそこまでタイガーに迫っているのかがわかりません。
タイガー・ウッズが自らの車で自損事故を起こしました。しかしタイガーは無事でした。以上!
自分にとってはこれだけです。タイガーは超スーパースターなのだから、ファンやスポンサーに対して説明責任があるのだと
もっともらしく書いているコラムニスト等もいるようです。しかしながら、極論を言ってしまえば、タイガーが事故を起こしたって
いいじゃないかと思います(もちろん褒められる行為ではないですが)。メディアはそれ以上に今回の深夜の事故を思いっきり
脚色しすぎています。
タイガーは公道に出ることなく事故を起こし、メディアにタイガーのプライベートへ付け入る隙の道を与えたことは確かです。
それでも、その道を立ち入りはすれど、道をズンズン歩いていく必要はないはずです。名前はタイガーでもひとりの人間です。
今回のような過ちだって犯します。むしろ、今回のメディアの行動を見ていたら、人間の心を持たなくなったタイガーとして
来年はじめのゴルフトーナメントに復帰するんじゃないでしょうか。そのとき、タイガーが好んで保っていたであろうメディアや
ファンとの心地よい距離感に大きな亀裂が生じそうです。
タイガー・ウッズ プレッシャーを力に変える生き方 (マグロウヒル・ビジネス・プロフェッショナル・シリーズ) ブラッド カーンズ マグロウヒルエデュケーション このアイテムの詳細を見る |
タイガー・ウッズ 私のゴルフ論 (上) タイガー ウッズ,Tiger Woods,川野 美佳 テレビ朝日 このアイテムの詳細を見る |