[短評]メインなサブ

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サブプライム問題、世界的な信用収縮懸念に発展(ロイター) - goo ニュース

梅雨明けして暑くなって以降、東京証券取引所は完全に「凍傷」です。その原因はアメリカで発生した信用問題、
個人的には2007年の新語・流行語大賞にいれてもいいと思う「サブ・プライム・ローン」問題です。

ごくごく簡単に言うと、あまり信用能力のない、所得の低いひとへ、例えば住宅建設資金を融資をしたら、
お金を返してもらえなくなったということです。どことなく、日本でかつてあった「住専」に似たにおいを感じます。
ベア・スターンズやパリバのような名の知れた金融機関までもが手を出していたものだから、モー大変なことと
騒だして、ついにはFRBは市場に大量の資金を注入して、混乱を避けようとしました。

ロイターの識者インタビューを読むと、FRBがやったことはいいのだけど、そのことにより、また買い支えに
要した資金の多さゆえに、投資家は逆に問題の大きさを増幅させたようです。皮肉なことですがそれだけ、
今のバーナンキ議長のFRBは市場から信頼を得ていないのでしょうか。

同時に、この問題によっても、世界経済は一気に冷え込まないとも言われています。それだけ今の世界は
アメリカだけに頼らない、多元的なのだとも、ある識者は語っていました。正直なところ、今回の乱高下で
自分も10万円以上も評価額を落としてしまったので、こうした楽観的なことを聞かないとやっていられないです。
こうした見方が、個人投資家に株を買ってもらうための甘言かどうかはともかく、今の世界を見ると、
中国やインドがあるし、ユーロは最強だし、そうなのかなと思えてきます。ただ先行不安が増したのは確かです。

それにしても、約半年前、上海市場から始まった世界同時株安のときには、「新興市場」はまだ怖いなみたいな
ことが言われました。しかしサブ・プライム問題はこの頃すでに言われ出していました。それが今になり、
ぜんぜん「新興市場」ではないアメリカ発で上海を含めた世界に広がったのは、やはり皮肉なことです。
世界は多元化しつつも相互依存は強まっているのだと感じます。そもそもサブ・プライム・ローンとは
成熟した市場の中にあって「新興」、もっといえば「未熟」な分野ではなかったかのではないでしょうか。

いろいろな皮肉が混じったこの問題ですが、最大の皮肉は、「サブ」プライムではなく「メイン」プライムな
問題であることです。