そのさきへ -Deep Sky Blue version-

このブログは引っ越しています

ノレないイルカに乗せてもらう男

2007-11-17 12:18:56 | NFL
Ricky Williams reinstated, Dolphins get two-week roster exemption(NFL.com)
Williams leaves Dolphins with tough choice(FOXSports.com)
Dolphins' 0-9 record a result of personnel moves(SI.com)


リッキー・ウィリアムズという選手は、ディフェンスが捕まえるのも難しいRBであるとともに、
周囲の人たちも捕らえがたい人物であることは間違いありません。セインツ時代には、
「ニューオーリンズはつまらない街」というようなことを話し、いち早くこのチームから
出たがっていたことをアピールしていました。夢が叶い、ドルフィンズへ移籍し、それなりの
数字を出したところで、今度は「世界を見たい」と言い出し突然の引退。すぐに帰ってきたら、
薬物違反でNFL追放。そして、カナダのCFLへ移り、またドルフィンズへ帰ってきました。

ただでさえ、無勝街道をまっしぐらの、1年目キャム・キャメロンHCとドルフィンズが、
ウィリアムズの復帰ですぐに勝てるチームになるとは考えづらいでしょう。レギュラー級に
けが人を抱えているのは仕方ないにしても、それ以前にドラフトやトレード戦線で大いなる
失敗を10年近く繰り返しているところが問題ではないかと言われています。QBだけでも、
いったい何人使っているのやら?

NFLは、典型的な勢力均衡を図るプロスポーツリーグのお手本とされています。下位チームから
ドラフトで上位権を獲得できる点が、均衡を担保しているはずですが、ドルフィンズは、
その担保すら受けられない、もっといえば、放棄しているに近いのです。

ならば現有勢力で、少しでも光明が見出せる試合をすればいいと思うのですが、どうも見ていると、
キャメロンはそうしないようです。ロンドンで行われたNYジャイアンツとの記念すべき試合では、
大雨の中の試合ではあったにしろ、ワンパターンのようにRBへ真ん中を走らせるプレイを
多用していました。QBのクレオ・レモンは機動力のあるQB「らしい」のですが、その片鱗を
見せることはありませんでした。どうせ全敗して、後がないどころか早々にプレイオフ争いに
入れてもくれない、ましてやロンドンで初の公式戦なんだから、雨だろうが思い切ったことで
現状を打破すればよかったのですが。DEのジェイソン・テイラーが抱いていた「ロンドンに行けば
勝てるかも」という淡い期待は見事に崩れました。

そうした最中に、問題児ウィリアムズを迎い入れるのは、キャメロンに余計の負担が掛かるものでしょうか。
確かにそうだと思いますが、そもそも1年目HCに今年はあまりにも辛いものでした。残りわずかな今シーズン、
ウィリアムズが何試合出るかはわからないですが、ウィリアムズの一挙一動を気にせずに、気ままに
プレイさせてみるのもいいんじゃないでしょうか。その一方で、ウィリアムズには「もっとしっかりと
責任を持ってやるんだぞ!」と発破を掛け続ければいいように思えます。ウィリアムズの再加入は、
もう手の打ちようのないドルフィンズにとっては、何でもありの一手として割り切ればいいのでは
ないでしょうか。

同時にウィリアムズも、今度のチャンスを無駄にしないでもらいたいです。これでまた意味不明な
わがままを言い出したり、薬物に手を出したら、ドルフィンズの人材失敗リストのひとりとなり、
そして一生忘れ去られた存在になるはずです。

キャメロンは、固有名詞を出さなかったのだけど、ある「ロースターにいない、ファンをがっかり
させた選手」について、こう語っています。

(T)he easiest predictor of future behavior is previous behavior.

今のドルフィンズとウィリアムズには、"previous behavior"を忘れる、あるいは教訓にして、
先に進むだけしかないようです。

なかのひと


最新の画像もっと見る