「虐待防止に2年間の親権停止」法制審議会が民法改正案 あなたはこの「親権停止制度」を評価しますか?
この記事についての意見:
「親権停止制度」を評価しない
「親権停止制度」に反対なのではなく「"2年間の"親権停止制度」に反対です。
確かに現行の民法834条や835条では親権あるいは管理権喪失についてその期間は書かれていません。
第834条(親権の喪失の宣言)
父又は母が、親権を濫用し、又は著しく不行跡であるときは、家庭裁判所は、
子の親族又は検察官の請求によって、その親権の喪失を宣告することができる。
第835条(管理権喪失の宣言)
親権を行う父又は母が、管理が失当であったことによってその子の財産を危うくしたときは、
家庭裁判所は、子の親族又は検察官の請求によって、その管理権の喪失を宣告することができる。
しかし、そもそも親権停止(喪失)に繋がる場合には、これから起こる虐待の阻止ではなく、
既に起こった親による虐待から子どもを守ることが多いかと思います。虐待を「行った」親に
子どもの親権を2年で戻すことが果たして妥当なことなのでしょうか。「たった2年」で親の子どもへの
愛情が復活するとは到底考えられません。それならば子どものためにも親権を永久に停止すべきです。
子どもにとって自分の親から離されることは、傍目から見たら悲しいかも知れませんが、
危ない親の影響を受けて大人になるよりも遥かによいことだと思います。
むしろ「2年」にこだわるならば、現行の児童虐待の発見や取締を今よりずっと強化すべきであり、
親権停止そのものが起こりにくい環境が必要だと思います。それが民主党が言いたいところの
「国民全体による子育て支援」ではないでしょうか。その方が意図不明な税金のバラマキよりも、
真の子どものための制度になりうるはずです。
民法〈3〉親族法・相続法 我妻 榮,有泉 亨,遠藤 浩,川井 健 勁草書房 |
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