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756は魔法の数字

2007-08-05 22:37:12 | MLB
Hammered: Bonds ties Aaron with 755(MLB.com)
Bonds joins Aaron on mountaintop(MLB.com)
Bonds leaves no doubt with 755(SI.com)
Hensley had minor league steroid suspension(FOXSports.com)
Bonds hits 755 and Padres fans appreciate, not punctuate(SportsLine.com)


先日出たTIMEにあった言葉を借りるのであれば、多くのメジャーリーグファンと、コミッショナーの
バド・セリグは「ボンズが記録を破る前にアレックス・ロドリゲスが記録を破るのを待ちたい」と
思っていたはずです。

実際、今日ペトコパークにやってきたパドレスファンのほとんどは、昨日ボンズがグレッグ・マダックスと
対峙して歯が立たなかったように、今日もボンズの凡退を期待していたはずです。今日のパドレスの先発、
クレイ・ヘンズリーがマイナーリーグ所属時にステロイドで処分を受けたことがあることを知っていた人が
どれだけいたかはわからないですが(事実、ステロイドで処分を受けているのは打者よりも投手の方が
多いのです)。何と言っても、昨年のシーズン開幕時期に、注射器の投げ入れによるいやがらせを
やったことのあるスタジアムです。今日は注射器を持ってきた人はいなかったようですが、
アスタリスク(*)の紙を持った人が多くいたようです。

しかし、ここのところぜんぜん当たっていなかったボンズはついに、土曜日夜の第一打席、レフトスタンドに
755号ホームランを打ち込みました。33年ぶりにホームラン記録に並んだ瞬間です(ホームランボールを捕った
ファンが、偶然にも33歳のパイプ工でした)ボンズが流し打ちした瞬間、スタジアム内は一気に総立ち、
そして、ホームランボールが飛び込んだ席のあたりは特に大騒ぎでした。その中には、アスタリスクの
紙を持った女性ファンが、紙を左手に持ちながら、携帯電話を右手に持ち、ボールを一生懸命に撮っていました。

中には果敢にも(?)ブーイングをしていた人がいたと思いますが、スタジアムのファンのほとんどは、
ボンズを祝福していました。それが755号を打ったことを真正面から認めたものであるのか、それとも、
「偶然にもボンズの755号ホームランを見ることができて自分は嬉しい!」という意味での歓迎なのかは、
見分けることはできません(果敢にも「756号めざせ!」みたいなバナーを出していたファンもいましたが)。
アウェーのスタジアム、特に前回のシリーズで戦ったドジャースタジアムで755号を打ったときには
エラいことになると一部では予想されていたので、ペトコパークでもそれに近いことになるのではと
思っていたので、これは意外に感じました。

次なる焦点はもちろん、ボンズがいつ756号を打つのかということです。今シーズン、週1本ペースで
ホームランを打つボンズは、週明けからサンフランシスコでのナショナルズ戦とかつてボンズが在籍した
パイレーツ戦を控えています。2001年、ボンズがシーズンホームラン記録を破ったのも、地元での試合、
それもお得意のライトへの引っ張りでした。

恐らく、サンフランシスコ以外のスタジアムで756号を打っても、ボンズは土曜日のような歓迎を
受けるはずですし、756という野球以外では平凡かつ中途半端な数字は、今の時点では、それだけ
人々の注目を引きつける魔法の数字です。しかしボンズが756号を打った後、人々の関心は、
やっぱりボンズはステロイドをやっているかどうか、もしくは、Aロッドがいつボンズの記録を
抜いてくれるのか、ということだったりするはずです。

悲しいかな、ステロイドだけで755本を打ったわけではないとわかっても、755本を打ってきた間に
染み付いてきたイメージがバリー・ボンズを形成しています。ジャイアンツは既にナショナルリーグの
最下位争いをしているので(実際のところ、土曜日の試合もジャイアンツは負けています)、
現時点ではボンズのホームラン記録に集中できますが、記録を破った以後こそ、ボンズの真価が
問われるのではないでしょうか。


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