そのさきへ -Deep Sky Blue version-

このブログは引っ越しています

華麗なる一族の敗戦~NFCワイルドカードプレイオフ カウボーイズ@シーホークス~

2007-01-07 17:25:45 | NFL
Fumbles help Seahawks fend off Cowboys(NFL.com)
Cowboys' reality show takes another twist(NBCsports.com)
Snap, cackle, drop: Seattle wins on Romo gaffe(ESPN)
Babineaux makes season-saving tackle(SI.com)


"Disappointed is not even a proper word for it."

とは、カウボーイズのオーナー、ジェリー・ジョーンズ試合後の言葉ですが、まさにプレイオフの1勝が10年以上も
遠ざかっているカウボーイズにとっては、この試合の敗退は相当痛いものです。

ガチンコのディフェンス勝負になった前半、シーホークスのTDから反対にカウボーイズがキックオフリターンTDを
奪った3rdQまでもが、さもよくあるような展開にしか思えてきません。試合が動いたのは、4thQのカウボーイズ、
テレンス・ニューマンのティップとロイ・ウィリアムスのインターセプトからだと言ってよいでしょう。この時点では、
17対13でモメンタムが傾き始めていたカウボーイズが有利だと見えました。しかし、カウボーイズは直後のシリーズで、
エンドゾーンまで残り10ヤード、1stダウンまで残り1ヤードというところまで進みながらもFG止まり。

本当であれば、ここはTDをしっかり取っていやでもシーホークスに2ドライブをやらせたほうがよかったはずです。
でも、直後のシーホークスのシリーズは、ニューマンのパスインターフェアで大きくゲインできたものの、
その後の4プレイは、デマーカス・ウェアの好タックルもあり、シーホークスはTDどころかFGすら奪えずに終わりました。

仮にこの試合、カウボーイズが勝利していたら、このウェアのタックルが試合を決めたと言っても過言ではないでしょう。
でも、自陣2ヤードからのオフェンスを始めたカウボーイズは、トニー・ロモからテリー・グレンへの早いタイミングの
パスが決まったまではよかったのですが、グレンが少し足を滑らした間にタックルされ、ボールが転々とエンドゾーンへ。
カウボーイズのチャレンジによりTDではなくセーフティになったおかげで、20-20ではなく、20-15という微妙な点差で
何とかカウボーイズリードとなりました。

この時点で、カウボーイズは同点にならなかった分、まだ運があったかなと思えた反面、セーフティでしたので、
2点を失い、おまけにシーホークスのオフェンスが始まると考えれば、もう一度気を引き締める体制にならざるを
得ませんでした。シーホークスも、TDを取らなければ逆転できないわけで、どう仕掛けてくるだろうかと見ていたところ、
あっさりとジェレミー・スティーブンスへのTDパスが決まりました。カウボーイズサイドは。攻守共にこうした
プレイセレクションを予期していなかったはずです。ある意味、このTDドライブはシーホークスがカウボーイズの
オフェンスに対して仕掛けたTDじゃなかったかと思います。

そして、例のカウボーイズのシリーズが試合残り4:18から始まります。パスやランが効果的に出て、普通に見ていれば
いいシリーズでした。もしかしたら一気にTDで逆転、「カムバック・ロモ!」という見出しができあがっていたニュースサイトは
山とあったはずです。しかし、シーホークス陣内11ヤードに来て(1stダウン更新のない10ヤードではなく、10ヤードを
獲得すればもう4回のプレイができるという11ヤードというのも、巧すぎるシナリオに感じてしまいます)、今度は
シーホークスが粘ってカウボーイズのジェイソン・ウィッテンへのパスをファーストダウン獲得のほんのわずか数インチ
手前で止めます(この試合ではここまであまり目立っていなかったロマー・タトゥープの好タックルあり)。

ここから先は、スポーツのわからないところであり、フットボールのわからないところでもあります。カウボーイズは、
プレイオフで勝利できなくなりだしてからずっとキッカーに泣かされてきました。今シーズンも途中にマーティン・グラマティカと
急遽契約して、一応は安泰となりました。しかし、ロモはキッカーが変われど、自分への注目度が変われどホールダーとして
(今シーズンの途中からは先発QBとしても)まじめにやってきました。そのロモが、やや低めだけど悪くはない逆転FGに
繋がるスナップをもらい、ボールをセットしようとしたときに、ボールが安定してくれず、ロモはボールを持って走ります。
しかし、1stダウン1ヤード手前、そしてTD2ヤード手前にして、ジョーダン・バビノウにタックルされます。

今思い出しても、カウボーイズファンからはため息、シーホークスファン、あるいは「アンチ」カウボーイズな人たちからは
歓喜の雄叫びしか出てこないような瞬間でした。文章や会話にはできない、あるいは足がサイドラインから何インチ出たとか、
かかとから着地したか爪先から着地したかなどという細かいレビューなどでも確認しようのない、何が試合を分けたのかと
聞かれても「わからない」という答えが正しいのではないかというくらいの好ゲームであったことはこの試合を見た方ならば
わかるはずでしょう。

それが、普通のプレイオフ進出チームならいざ知らず、全米注目度No.1のカウボーイズ、名将ビル・パーセルズ、今シーズン
勝手に死に掛かったテレル・オーウェンス、そして一時は今年もプレイオフすらダメだと思われていたチームに現れて、
スーパーボウルすら狙えると半ば錯覚させてくれた、トニー・ロモという人物たちが、最後の最後でああしたプレイを
負けてしまったことで、余計にドラマ性を高めているようにも思えてきます。登場人物、セッティングは十分に華麗でしたが、
シナリオ、特にエンディングは華麗過ぎました。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お邪魔します (とことこ話)
2007-01-12 13:16:02
アキヒロさん、こんにちは。
普通よくある戦術/テクニカル面でのミスや、「 技量が及ばなかった 」 などと違って、今回のロモのケースは本当に想定しきれない・・・ 「 アクシデント 」 以上のショックでしょう。
私も何日たってもまだそのシーンがフラッシュバックしてます・・。

さて、プレーオフもいよいよ佳境ですね。
アキヒロさんの注目ポイントはどんな点でしょう。 贔屓のチームなどありますか?
返信する