米金融規制案 銀行の規模拡大を制限 大統領「戦う用意ある」(産経新聞) - goo ニュース
US stocks plunge for second day over Obama bank plan (BBC news)
新金融規制、銀行の「賢明でない判断」から納税者守るため=米大統領 (トムソン・ロイター)
シナリオ:米政権が強硬姿勢堅持の場合、金融規制で想定される変化は (トムソン・ロイター)
The ghost of Glass-Steagall returns (CNN Money)
バラック・オバマ大統領が就任してちょうど1年が経過しました。しかしこの記念すべき1週間ほど、
大統領にとり最も辛い時期になったことはありません。
19日の火曜日に行われた「民主党の牙城」マサチューセッツ州での上院議員補選で、共和党候補が
勝利を収め、上院民主党が、共和党の審議妨害(フィリバスター)を阻止するだけの議席数、つまり、
法案を問題なく通すだけの議席数60に届かなくなりました。これにより大統領が強く推進してきた
医療保険法案の通過も難しくなりました。一方で今週相次いで出された経済指標はいずれも予想に
届かないものが多く、少し前まで広がっていた経済の楽観論は一気に吹き飛びました。失業率は未だに
二桁から下がる気配を見せません。おまけに、米を代表するまでにのし上がったグーグルが中国政府と
喧嘩を始め、このままで行くと、外交問題にまで発展しかねない状況です。1年前に広がっていた大統領の
期待はしぼみ、支持率も5割にまでしぼんでいってます。
そういうわけでやけになったわけではないのでしょうが、大統領は今週になり新金融規制案を打ち出しました。
二度とリーマンショックを引き起こさせないよう、大手金融機関の行動に縛りを設ける法案です。主な目的は、
「ヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンドへの投資や保有・出資制限」というもので、金融機関は
安易なお金儲けをするのではなく、コツコツをお金を稼ぐべきであるべきと説いているのと同じです。世界恐慌後、
アメリカで制定されたグラス・スティーガル法では、銀行業務と証券業務の明確な分離が行われており、
1999年までこの制度が続きました。今回、大統領が目指している法案も、これに似たものになるのではないかと
考えられています。
そうなれば、メリルリンチを吸収したバンク・オブ・アメリカは、メリルリンチを手放さなければならなくなり、
JPモルガン・チェイスも「JPモルガン」「チェイス」に分離させられます。そして何より、アメリカの金融機関は
儲けを出す術を奪い取られることになり、同時にそれは金融市場へ資金が流れてこないことになります。
そのため、今週後半の株式市場は、これまでの上昇分を消す程の下落が発生しました。ウォール街と投資家は、
アメリカの大統領にとって最悪の1週間に付き合わされる格好になりました。
しかし、いわゆる「ファイヤーウォール」が取り外されていない、以前の銀行法時代だった80年代後半から
90年代初め、LTCMの問題で銀行は負債を多く抱えました。必ずしもかつての不銀行法に似た今回の金融法案を
敷いたところで、新しいショックが起こならないという保証はありません。
むしろ、産業や雇用を作り出すことが出きなかった大統領は、何か敵を作りたかっただけなのでしょう。敵があり、
それを倒すことにより英雄は誕生しますが、景気回復の道筋を描くことが出きない大統領にとり、金融機関を
敵視することで、世直し大統領としてのイメージを植えつけたくなったのかもしれません。1年前の大統領は、
「グリーン・ニューディール」と銘打って、環境対策への投資を増やすのだと宣言していましたが、現状では、
フランクリン・ローズベルト大統領が行ったほどの「ニューディール」を巻き起こすまでには至っていません。
人々の経済や生活に対する不満は高まっているのは事実ですが、大統領はその勢いを借りて、目に見える敵、
金融機関を叩きに走り出しているようです。
The administration is taking a populist tone here since there appears to be so much public anger.
The easy thing to do is to pick on banks, particularly the ones that have made huge sums of money.
と、ある法律事務所の共同経営者のコメントが掲載されていますが、大統領がやりたいことはこれに尽きるのでは
ないでしょうか。もちろん、人間にとっての血液である市場社会での金の動きには安定性がなければならないことを、
人々はリーマンショックやドバイショックを契機に知ることになりました。しかし同時に市場には自浄作用という
ものも存在しています。仮に何らかの規制を行うとしても、もっと市場の自由に委ねてしまう方が金融界にとっても、
市場にとっても、浮上のきっかけを掴むことができるのではないでしょうか。それがひいては新産業の勃興を産み、
アメリカの経済上昇のきっかけになり、大統領言うところの「グリーン・ニューディール」達成に繋がる気がします。
それ以前に、オバマ大統領が「グリーン・ニューディール」を今でも覚えているかどうかが問題ですが。
US stocks plunge for second day over Obama bank plan (BBC news)
新金融規制、銀行の「賢明でない判断」から納税者守るため=米大統領 (トムソン・ロイター)
シナリオ:米政権が強硬姿勢堅持の場合、金融規制で想定される変化は (トムソン・ロイター)
The ghost of Glass-Steagall returns (CNN Money)
バラック・オバマ大統領が就任してちょうど1年が経過しました。しかしこの記念すべき1週間ほど、
大統領にとり最も辛い時期になったことはありません。
19日の火曜日に行われた「民主党の牙城」マサチューセッツ州での上院議員補選で、共和党候補が
勝利を収め、上院民主党が、共和党の審議妨害(フィリバスター)を阻止するだけの議席数、つまり、
法案を問題なく通すだけの議席数60に届かなくなりました。これにより大統領が強く推進してきた
医療保険法案の通過も難しくなりました。一方で今週相次いで出された経済指標はいずれも予想に
届かないものが多く、少し前まで広がっていた経済の楽観論は一気に吹き飛びました。失業率は未だに
二桁から下がる気配を見せません。おまけに、米を代表するまでにのし上がったグーグルが中国政府と
喧嘩を始め、このままで行くと、外交問題にまで発展しかねない状況です。1年前に広がっていた大統領の
期待はしぼみ、支持率も5割にまでしぼんでいってます。
そういうわけでやけになったわけではないのでしょうが、大統領は今週になり新金融規制案を打ち出しました。
二度とリーマンショックを引き起こさせないよう、大手金融機関の行動に縛りを設ける法案です。主な目的は、
「ヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンドへの投資や保有・出資制限」というもので、金融機関は
安易なお金儲けをするのではなく、コツコツをお金を稼ぐべきであるべきと説いているのと同じです。世界恐慌後、
アメリカで制定されたグラス・スティーガル法では、銀行業務と証券業務の明確な分離が行われており、
1999年までこの制度が続きました。今回、大統領が目指している法案も、これに似たものになるのではないかと
考えられています。
そうなれば、メリルリンチを吸収したバンク・オブ・アメリカは、メリルリンチを手放さなければならなくなり、
JPモルガン・チェイスも「JPモルガン」「チェイス」に分離させられます。そして何より、アメリカの金融機関は
儲けを出す術を奪い取られることになり、同時にそれは金融市場へ資金が流れてこないことになります。
そのため、今週後半の株式市場は、これまでの上昇分を消す程の下落が発生しました。ウォール街と投資家は、
アメリカの大統領にとって最悪の1週間に付き合わされる格好になりました。
しかし、いわゆる「ファイヤーウォール」が取り外されていない、以前の銀行法時代だった80年代後半から
90年代初め、LTCMの問題で銀行は負債を多く抱えました。必ずしもかつての不銀行法に似た今回の金融法案を
敷いたところで、新しいショックが起こならないという保証はありません。
むしろ、産業や雇用を作り出すことが出きなかった大統領は、何か敵を作りたかっただけなのでしょう。敵があり、
それを倒すことにより英雄は誕生しますが、景気回復の道筋を描くことが出きない大統領にとり、金融機関を
敵視することで、世直し大統領としてのイメージを植えつけたくなったのかもしれません。1年前の大統領は、
「グリーン・ニューディール」と銘打って、環境対策への投資を増やすのだと宣言していましたが、現状では、
フランクリン・ローズベルト大統領が行ったほどの「ニューディール」を巻き起こすまでには至っていません。
人々の経済や生活に対する不満は高まっているのは事実ですが、大統領はその勢いを借りて、目に見える敵、
金融機関を叩きに走り出しているようです。
The administration is taking a populist tone here since there appears to be so much public anger.
The easy thing to do is to pick on banks, particularly the ones that have made huge sums of money.
と、ある法律事務所の共同経営者のコメントが掲載されていますが、大統領がやりたいことはこれに尽きるのでは
ないでしょうか。もちろん、人間にとっての血液である市場社会での金の動きには安定性がなければならないことを、
人々はリーマンショックやドバイショックを契機に知ることになりました。しかし同時に市場には自浄作用という
ものも存在しています。仮に何らかの規制を行うとしても、もっと市場の自由に委ねてしまう方が金融界にとっても、
市場にとっても、浮上のきっかけを掴むことができるのではないでしょうか。それがひいては新産業の勃興を産み、
アメリカの経済上昇のきっかけになり、大統領言うところの「グリーン・ニューディール」達成に繋がる気がします。
それ以前に、オバマ大統領が「グリーン・ニューディール」を今でも覚えているかどうかが問題ですが。
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