Alex Rodriguez's late-inning heroics put Yankees one win from title (SI.com)
Yanks ride tried-and-true formula (MLB.com)
フィラデルフィアのファンはスタジアムで白いタオルを思いっきり振ってフィリーズを応援していますが、
どうやらそれは昨日の試合終了後、「白旗」に変わったかもしれません。
ワールドシリーズ第4戦、何が試合を分けたかと考えた場合、どこを要所を考えたかではないでしょうか。
このシリーズにしては珍しく、この日の試合は9回の攻防を除いて接戦でした。そしてこのシリーズにしては
珍しいことに、ヤンキーズは試合中一度もリードを奪われませんでした。というよりもフィリーズは逆転できる
機会を逸したというべきでしょう。
この試合で最も重要だったのは5回の攻防だと思います。4回裏、フィリーズは久しぶりに出た悩める4番、
ライアン・ハワードのヒットと珍しい盗塁を手がかりに、試合を同点としました。打つべき人のヒットが出て、
フィリーズの打線もやっと全面開通しそうだと思われた矢先、フィリーズのジョー・ブラントンは5回表、
Swisher walked on four pitches.
とその勢いをそいでしまう四球を与えてしまいました。ここはフィリーズとしては絶対に0点で抑えるべきで、
前回の登板よりも調子がよくないヤンキーズのC.C・サバシアを打ち崩す心準備をすべきイニングでした。
四球後、ボテボテなあたりがヒットになり、いくばくか不運な形でフィリーズは2点を失いました。
一方、5回裏のフィリーズの攻撃では、ジミー・ロリンズのヒット、シェーン・ヴィクトリーの四球で絶好の得点
チャンスを迎えました。そしてサバシアに強いチェース・アトリーから始まる中軸が打席に立ちます。ここで、
サバシアはアトリー、ハワード、ジェイソン・ワースを凡退に抑えました。ワースに関して言えば、初回に打席へ
迎えたときには、ジョー・ジラルディ監督自らマウンドに向かい、不用意な投球をしないように間を置いたほど、
この日の最重要マーク選手でした。
追いかけるチームはできるだけこれ以上の失点をしないように努める、追いかけられるチームは追撃をかわし、
一度突き放したらそれ以上の追撃を許さない、このことをできたかできなかったかが5回の攻防ではっきり出たと
思います。それが結果的にはフィリーズがヤンキーズを1度もリードできないまま問題の9回表を迎えたのです。
9回表の攻撃は何と言っても、このシリーズで初めて登板したブラッド・リッジが2アウトを簡単に奪った後の、
ジョニー・デーモンの盗塁vs「タシェアラ・シフト」に尽きると思います。試合後のESPNスポーツセンターで、
ボビー・バレンタインは「このような場面で誰が3塁をカバーするべきかをわかってないなら、春のキャンプから
やり直しだ!」とコメントし(基本を重んじる日本野球でこの点を学んだのでしょう)、デーモンを3塁まで
進ませた直後、フィリーズのベンチが間を取らなかったことに対してもバレンタインは苦言を呈していました
(ヤンキーズ側がこまめに間を置いていたのとは対照的です。NHKの解説をしていらっしゃる伊東勤さんは、
ホルヘ・ポサダが何度もマウンドへ行く光景をあまり良いものと見ていていなかった様子ですが)。ここの場面は
失点を防がなければならないところであり、次の打者は「Mr. November」になりかけているアレックス・ロドリゲス、
そしてマウンドには今シーズン、セーブ機会を幾度も逃してきたリッジ。結果は「人生で一番価値のあるヒット」を
放ったロドリゲスの勝利でした。
ヤンキーズは2勝1敗でこの日の試合を向かえ、かつ先発が大崩をしないサバシアだったこともあり、それなりに
心理的余裕をもってこの試合に臨むことができたのが、要所の見極めができた要因だと思います。一方で王手を
掛けられたフィリーズは既に焦りを見せているようです。それが試合中でも要所を抑えられない原因でしょう。
フィリーズは第5戦にクリフ・リーを立てて勝てるかもしれませんが、それでもまだヤンキーズは余裕をもって
試合全体を見渡せるくらいの展開が続くでしょう。ただし、フィラデルフィアのメイシーズではこの展開でも、
フィリーズが連覇をするのだと予言しています。まだ白旗を揚げる時期ではないのでしょうが、白いタオルは
白旗にしか見えてこない今日このごろです。
Yanks ride tried-and-true formula (MLB.com)
フィラデルフィアのファンはスタジアムで白いタオルを思いっきり振ってフィリーズを応援していますが、
どうやらそれは昨日の試合終了後、「白旗」に変わったかもしれません。
ワールドシリーズ第4戦、何が試合を分けたかと考えた場合、どこを要所を考えたかではないでしょうか。
このシリーズにしては珍しく、この日の試合は9回の攻防を除いて接戦でした。そしてこのシリーズにしては
珍しいことに、ヤンキーズは試合中一度もリードを奪われませんでした。というよりもフィリーズは逆転できる
機会を逸したというべきでしょう。
この試合で最も重要だったのは5回の攻防だと思います。4回裏、フィリーズは久しぶりに出た悩める4番、
ライアン・ハワードのヒットと珍しい盗塁を手がかりに、試合を同点としました。打つべき人のヒットが出て、
フィリーズの打線もやっと全面開通しそうだと思われた矢先、フィリーズのジョー・ブラントンは5回表、
Swisher walked on four pitches.
とその勢いをそいでしまう四球を与えてしまいました。ここはフィリーズとしては絶対に0点で抑えるべきで、
前回の登板よりも調子がよくないヤンキーズのC.C・サバシアを打ち崩す心準備をすべきイニングでした。
四球後、ボテボテなあたりがヒットになり、いくばくか不運な形でフィリーズは2点を失いました。
一方、5回裏のフィリーズの攻撃では、ジミー・ロリンズのヒット、シェーン・ヴィクトリーの四球で絶好の得点
チャンスを迎えました。そしてサバシアに強いチェース・アトリーから始まる中軸が打席に立ちます。ここで、
サバシアはアトリー、ハワード、ジェイソン・ワースを凡退に抑えました。ワースに関して言えば、初回に打席へ
迎えたときには、ジョー・ジラルディ監督自らマウンドに向かい、不用意な投球をしないように間を置いたほど、
この日の最重要マーク選手でした。
追いかけるチームはできるだけこれ以上の失点をしないように努める、追いかけられるチームは追撃をかわし、
一度突き放したらそれ以上の追撃を許さない、このことをできたかできなかったかが5回の攻防ではっきり出たと
思います。それが結果的にはフィリーズがヤンキーズを1度もリードできないまま問題の9回表を迎えたのです。
9回表の攻撃は何と言っても、このシリーズで初めて登板したブラッド・リッジが2アウトを簡単に奪った後の、
ジョニー・デーモンの盗塁vs「タシェアラ・シフト」に尽きると思います。試合後のESPNスポーツセンターで、
ボビー・バレンタインは「このような場面で誰が3塁をカバーするべきかをわかってないなら、春のキャンプから
やり直しだ!」とコメントし(基本を重んじる日本野球でこの点を学んだのでしょう)、デーモンを3塁まで
進ませた直後、フィリーズのベンチが間を取らなかったことに対してもバレンタインは苦言を呈していました
(ヤンキーズ側がこまめに間を置いていたのとは対照的です。NHKの解説をしていらっしゃる伊東勤さんは、
ホルヘ・ポサダが何度もマウンドへ行く光景をあまり良いものと見ていていなかった様子ですが)。ここの場面は
失点を防がなければならないところであり、次の打者は「Mr. November」になりかけているアレックス・ロドリゲス、
そしてマウンドには今シーズン、セーブ機会を幾度も逃してきたリッジ。結果は「人生で一番価値のあるヒット」を
放ったロドリゲスの勝利でした。
ヤンキーズは2勝1敗でこの日の試合を向かえ、かつ先発が大崩をしないサバシアだったこともあり、それなりに
心理的余裕をもってこの試合に臨むことができたのが、要所の見極めができた要因だと思います。一方で王手を
掛けられたフィリーズは既に焦りを見せているようです。それが試合中でも要所を抑えられない原因でしょう。
フィリーズは第5戦にクリフ・リーを立てて勝てるかもしれませんが、それでもまだヤンキーズは余裕をもって
試合全体を見渡せるくらいの展開が続くでしょう。ただし、フィラデルフィアのメイシーズではこの展開でも、
フィリーズが連覇をするのだと予言しています。まだ白旗を揚げる時期ではないのでしょうが、白いタオルは
白旗にしか見えてこない今日このごろです。