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[国際政治短評]下がり続ける頂上

2011-05-29 22:14:58 | マネー&ポリティックス

【2011年5月分】気になるニュースや話し合いたいテーマはこちらまで




この記事についての意見:




弱まる経済力、G8影薄く 中東支援及び腰、民主化挫折も(産経新聞) - goo ニュース
先週末、フランスでG8主要国会議が行われました。かつては「サミット」とも言われましたが、最近はそうした呼ばれ方もされなくなりました。この8カ国が頂上を占めるだけの影響力がある国家ではなくなったからです。
それでも日本のメディアを見ていると、この「サミット」が重要なイベントかのような印象を受けます。ひとつは、毎年の行事になりつつある、サミットが首相の内閣総辞職もしくは衆議院の解散時期を考える上で重要であること。もうひとつは外交下手な日本にとり、こうした多くの首脳が集まる場でしか目立つ機会が与えられていないからでしょう。特に今年は大震災と原発事故後に日本の首相が参加する最初の国際的大舞台として、日本のメディアは「日本は震災と原発事故に関して何らかのコメントを求められる」と勝手に注目度を上げていました。しかし結果的には「アラブの春」に対する声明と民主化に向けての資金援助がメインになり、海外のメディアでは日本のについての報道はほとんど見られない結果になりました。
G8: Libya's Gaddafi 'should go', say world leaders (BBC news)

それどころか、海外、特にアメリカのメディアではサミットの報道すら少なかったように感じます。むしろ出てくるのは「G8サミット不要論」です。要はG8諸国はもはや世界的なプレイヤーとしてのプレゼンスが、国内政治のゴタゴタや経済の衰退(ベルルスコーニ氏のスキャンダルや、言うまでもなく日本など)を考慮すると吊り合わないというものです。むしろ中国やインド、ブラジルといった国が参加するG20の方が重要であり、アメリカはそちらに力を注ぐべきだという意見です。こうした考えはG8会議が続く限り消えないのでしょう。
Why the G-8 Should Never Meet Again (TIME.com)
If Obama really wants to lead us to a free world, he should abolish the G8 (The Guadian)


G8会議の元になったサミットは第一次石油危機後の世界経済立て直しのため年1度、西側の先進国首脳が集まるという趣旨で産まれ、それ自体は意義があったと思います。後退しつつある国が含まれるG8会議に存在意義はあるのでしょうか。
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G8 サミット体制とはなにか

栗原 康
以文社


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