Japan PM replaces finance minister (BBC News)
注目集まる藤井財務相の健康問題(ロイター)
2007年10月、当時の安倍首相は突然の辞意を発表しました。その理由は、簡単に言ってしまえば「心労」でした。
多くの自民党支持者は、メディアが首相をいじめたからだと首相をかばいました。
しかし、これらの人たちはその1年前に何があったのか忘れていました。安倍氏が首相就任してまもなく、あたかも、
それを祝うかのごとく、北朝鮮が核実験を強行しました。その1年後、安倍氏は首相を辞するころになりましたが、
北朝鮮問題は核実験の頃に比べれば平穏そのものでした。その時思いました。もし北朝鮮が日本の首相辞任発表と
同じ時間に、ミサイル発射なり核実験を行ったとしたら、日本はどういう対応をしたのでしょうか?
どうも日本では政治家の健康問題は見過ごされているどころか、一部では病人を叩いていけないと言う同情の念すら
感じられてしまいます。しかし、そもそも自分の健康を守ることができない人間が日本国民の安全を守ることが
できるのでしょうか。もちろん、いつどの時点で病気になるかなんて、誰もわかりませんが、それゆえ人は健康を
維持しようと努力します。日本の政治家には、そうした努力すら感じられません。それどころか、薬を飲みながらも
酒も飲み続け、ローマで恥ずかしい形での記者会見を行った国務大臣もいたほどです。もし自分の健康にわずかでも
気を使っているのであれば、薬と酒を同時に飲むことはありえません。
健康かどうかは、精密検査でなければわからないものを除けば、どんな人でもすぐにわかる問題でもあります。
だからこそ、アメリカの大統領は「意識的に」スポーツをしている姿をメディアに撮らせています。現大統領の
バラック・オバマ氏はバスケットが好きですし、ブッシュ前大統領はMTBを乗り回し、クリントン元大統領の日課は
ジョギングでした。その前のブッシュ元大統領は・・・東京での晩餐館でたちくらみを起こしたところをしっかりと
テレビカメラに撮られていました。不健康は自らのキャリアに汚点となりえるのです。
2009年末から入院をしていた藤井裕久財務相が、年明けと共に「健康不安」を理由として財務大臣を辞任しました。
裏には「政治と金」の問題があるのでは、といううわさもあるようですが、今となってはそれはどうでもいいこと。
問題は、首相はもともと高齢であった藤井氏を財務大臣に任命責任があるかどうか、もっといえば、首相は組閣時に
藤井氏の健康問題をどれだけ気にかけていたのか、にあります。
財務大臣は国務大臣の中でも最重要ポストです。デフレ宣言を行い、財政健全化を目指しているこの国においては
なおさらです。藤井氏はそうした状況をわかってか、それとも空気を読まなかった円高容認発言のころと同じように、
財務大臣の職を辞しました。いや自分の目から見たら、どのような理由であれ、藤井氏は財務大臣の椅子を放り投げた、
としか考えられません。ただでさえ日本経済は不健康であるにもかかわらず、自分も不健康なので大臣辞めます、
というのは身勝手すぎます。それならば最初から大臣職を引き受けなければよかったのです。
日本の政治家はあまりにも自分の健康に無頓着すぎます。心労だろうがなんだろうが、健康問題によって簡単に大臣職を
投げ出す程度の政治家は、任期終了を待つことなく、国会議事堂から去るべきです。自分の健康管理ができない人間に、
一国および一つの省庁を守ることはできません。それがいやならば「死ぬ気」でその職を全うすべきです。
注目集まる藤井財務相の健康問題(ロイター)
2007年10月、当時の安倍首相は突然の辞意を発表しました。その理由は、簡単に言ってしまえば「心労」でした。
多くの自民党支持者は、メディアが首相をいじめたからだと首相をかばいました。
しかし、これらの人たちはその1年前に何があったのか忘れていました。安倍氏が首相就任してまもなく、あたかも、
それを祝うかのごとく、北朝鮮が核実験を強行しました。その1年後、安倍氏は首相を辞するころになりましたが、
北朝鮮問題は核実験の頃に比べれば平穏そのものでした。その時思いました。もし北朝鮮が日本の首相辞任発表と
同じ時間に、ミサイル発射なり核実験を行ったとしたら、日本はどういう対応をしたのでしょうか?
どうも日本では政治家の健康問題は見過ごされているどころか、一部では病人を叩いていけないと言う同情の念すら
感じられてしまいます。しかし、そもそも自分の健康を守ることができない人間が日本国民の安全を守ることが
できるのでしょうか。もちろん、いつどの時点で病気になるかなんて、誰もわかりませんが、それゆえ人は健康を
維持しようと努力します。日本の政治家には、そうした努力すら感じられません。それどころか、薬を飲みながらも
酒も飲み続け、ローマで恥ずかしい形での記者会見を行った国務大臣もいたほどです。もし自分の健康にわずかでも
気を使っているのであれば、薬と酒を同時に飲むことはありえません。
健康かどうかは、精密検査でなければわからないものを除けば、どんな人でもすぐにわかる問題でもあります。
だからこそ、アメリカの大統領は「意識的に」スポーツをしている姿をメディアに撮らせています。現大統領の
バラック・オバマ氏はバスケットが好きですし、ブッシュ前大統領はMTBを乗り回し、クリントン元大統領の日課は
ジョギングでした。その前のブッシュ元大統領は・・・東京での晩餐館でたちくらみを起こしたところをしっかりと
テレビカメラに撮られていました。不健康は自らのキャリアに汚点となりえるのです。
2009年末から入院をしていた藤井裕久財務相が、年明けと共に「健康不安」を理由として財務大臣を辞任しました。
裏には「政治と金」の問題があるのでは、といううわさもあるようですが、今となってはそれはどうでもいいこと。
問題は、首相はもともと高齢であった藤井氏を財務大臣に任命責任があるかどうか、もっといえば、首相は組閣時に
藤井氏の健康問題をどれだけ気にかけていたのか、にあります。
財務大臣は国務大臣の中でも最重要ポストです。デフレ宣言を行い、財政健全化を目指しているこの国においては
なおさらです。藤井氏はそうした状況をわかってか、それとも空気を読まなかった円高容認発言のころと同じように、
財務大臣の職を辞しました。いや自分の目から見たら、どのような理由であれ、藤井氏は財務大臣の椅子を放り投げた、
としか考えられません。ただでさえ日本経済は不健康であるにもかかわらず、自分も不健康なので大臣辞めます、
というのは身勝手すぎます。それならば最初から大臣職を引き受けなければよかったのです。
日本の政治家はあまりにも自分の健康に無頓着すぎます。心労だろうがなんだろうが、健康問題によって簡単に大臣職を
投げ出す程度の政治家は、任期終了を待つことなく、国会議事堂から去るべきです。自分の健康管理ができない人間に、
一国および一つの省庁を守ることはできません。それがいやならば「死ぬ気」でその職を全うすべきです。
日本の近現代史述講 歴史をつくるもの〈上〉 坂野 潤治,三谷 太一郎,藤井 裕久,仙谷 由人 中央公論新社 このアイテムの詳細を見る |
日本の近現代史述講 歴史をつくるもの〈下〉 五百旗頭 真,瀧井 一博,伊藤 正直,小倉 和夫,藤井 裕久,仙谷 由人 中央公論新社 このアイテムの詳細を見る |