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テレビディナーの発明者

2005-07-21 16:20:23 | 日常生活
Inventor of TV Dinner dies at 83
First TV dinners drew hate mail from husbands(CNN.com)


いわゆる「アメリカ料理」というものはそれほど多くはない中、「テレビディナー」はれっきとした「アメリカ料理」でしょう。
手っ取り早く用意ができてカロリーもそこそこあって、1954年当時、一般家庭に普及し始めていたテレビの前で
食事ができる、使い捨てアルミに盛られた食事。正に合理性を好むアメリカらしい料理だと思います。

シュラキュース大学のロバート・トンプソン氏によれば、テレビディナーは「アメリカの食生活史上、火と道具の発明以上に
インパクトのある発明」とかなりすごいことを言っていますが、その説明を見るとナットクできます。テレビの普及が、
テレビディナーの普及と正比例だったのは言うまでもないですが、当時女性が「ハウスワイフ」から働き手として
外に出ることが多くなり、食事の用意に手間を取らないテレビディナーが重宝がられたようです(テレビディナーが世に出た頃、
妻に料理を作ってもらえない夫から苦情が寄せられたらしい)。

同時に、家族揃って夕食を食べるということがなくなり、「モジュラー化」("modular" eating)、つまり個々で食事を済ます
スタイルが確立してしまい、アメリカの家族スタイル崩壊の第一歩になってしまったと主張する人もいるようです。

いずれにしろ、テレビディナーはアメリカ人のテレビ好き、合理性を好む性質に合った料理だと思います。それと同時に、
テレビディナーの精神というべきかアイディアは今にも引き継がれています。深夜のテレビショッピングでおなじみの
ダイエット器具やシェープアップ器具です。明らかにあれらの器具は、ジョギングやウォーキングではなく、家の中で
テレビを見ながらでもやせることができると言う、テレビを中心とし、そこから放射線状に広がった先にあるものと
言えるでしょう。あんなものを買って痩せないくらいならば、カロリーを抑えた食事と適度な運動を心掛けるほうが
お財布にも体にもやさしいと思うのですが。

テレビディナーは機内食のトレイを元にして開発されたらしいです。その当時の合理性はインターネット時代の今でも、
そしてこれからも「インターネットディナー」ではなく「テレビディナー」という名前にしっかりと染み込んでいくと思います。

Patently Female: From Azt to TV Dinners, Stories of Women Inventors and Their Breakthrough Ideas

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Prime Time, Prime Movers: From I Love Lucy to L.A. Law-America\'s Greatest TV Shows and the People Who Created Them (The Television)

Syracuse Univ Pr (Sd)

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