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[野球短評]技術は一流、運営は三流?

2011-04-12 07:56:50 | 日常生活
プロ野球が開幕=大震災から1カ月(時事通信) - goo ニュース

メジャーリーグが当然のことながら予定通り開幕して、この週末も半日近くテレビの前で野球漬けだった
生活をしていたこともあり、今日が日本のプロ野球の開幕だというのは実感がありません。そうせざるを
得なかった理由があるのも確かですが、むしろこの1ヶ月で日本のプロ野球は日本人の生活からより一層
乖離した存在だということを改めて明らかにしました。

メジャーリーグでは、開幕戦というより地元での最初の試合が平日に被ったとしても、その多くの場合は
昼間に行われます。それでもスタジアムは満員です。選手たちがどれだけ世間と乖離した給料を得ようとも、
あるいは選手たちがいわゆる筋肉増強剤を飲んでいることに対して人々が愛想を尽かすことがあっても、
多くのアメリカ人にとってメジャーリーグの開幕は春のめざましです。それだけ待ち浴びている日です。
仕事や学校を休んででも見に来るのです。野球が、そしてスポーツが生活の一部であることを示しています。

一方、この1ヶ月で日本のプロ野球は日本の生活の一部を成していないことを明らかにしました。あくまでも
個人的な意見では、3月25日に開幕したとしても、それ自体に問題はなかったと思います。ただし関東や
東北以外のスタジアムを使っていくことが前提であり、その中で日程をこなしていくことも可能だからです
(代替の球場やそこでの準備に時間がかかる可能性もあるが)。

問題は、初期の「セリーグ3月25日開幕」という決定過程があまりにも生活や世論、日本が現状から乖離した
ものだったことでした。そのことに多くの人々は疑問と憤りを感じました。それもそうした驚くほどの意見を
出したのが新聞社でした。読売新聞は一方で被災地の声を聞いたり、原発事故の取材をしながらも、
自らの利益を突き通す行動に出たのです。それが読売に限らず日本のメディアの本来の姿だと言ってしまえば
それまでですが、自己のビジネス(親会社の宣伝部として赤字覚悟で行ってるはずの日本のプロ野球では、
旗色が悪くなると決まって「ビジネス」という言葉を使います)を優先させ、それがプロ野球の総意だとも
いわん態度を見て、多くの日本人は巨人だけでなく、その暴走を一瞬でも許したプロ野球に対して冷たい視線を
浴びせるようになりました。

2年前、たったの2年前のことですが、日本のプロ野球選手で固めた日本代表はWBCで連覇を果たしました。
確かにその事実を通じて、日本の野球のレベルは(あまり広くない)世界的にも高いものだと威張っても
不思議ではありません。しかし国内リーグの運営は世界的どころか国内的にも非常にレベルが低いものだと
この1ヶ月で明らかにしました。それは「日本の技術力は世界的にも高い」と言いながらも、一方で原発の
暴発に対して何も出来ないでいる現在の姿にそっくりです。その点では、読売新聞と日本のプロ野球界の
一部の人たちは、このスポーツに日本を投影させたかったのかもしれません。しかしその姿は日本の生活に
入り込んだものではなかったのです。


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