そのさきへ -Deep Sky Blue version-

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2005-10-14 23:41:32 | MLB
パ・リーグのプレイオフの存在を打ち消す日本のつまらないプロ野球の騒動を尻目に、メジャーリーグでは
23日から始まるワールドシリーズに向けてのリーグチャンピオンシップ(LCS)が行われています。
日本時間14日までに両リーグとも2戦まで終わり本拠地を移しての3戦目がアメリカンリーグでは15日(JST)
ナショナルリーグでは16日(JST)に始まります。

ここまでの2戦の印象を簡単にいうと、どちらも多少の違いはあれ、鏡に移っているように似ているなという点です。
どちらも1戦目に勝ったのは、両リーグのスモールベースボールの「権化」とも呼べるエンジェルズと
カーディナルスでした。それもホームランあり、小技あり、投手の継投もうまくいったという点まで
何だか似ているようです。

一方の第2戦はエンジェルズ、カーディナルスが共に負けました:

ALCS Game2(エンジェルズ@ホワイトソックス)
どのプロスポーツでもポストシーズンや大きな試合になると「世紀の誤審」というのも出てきます。
この試合でも誤審、いやはっきり言えばあいまいなジャッジで決まったといっても過言ではないでしょう。
ダグ・エディングス球審ももっとしっかり(more emphatic)とジャッジするんだったと言っています。
おもしろいのは、このときの打者がホワイトソックスのキャッチャ、A.J・ピアジンスキ、審判へ「あれは三振だろ!」と
抗議をしてきたのが、元名捕手のマイク・ソーシアだった点でしょうか。さらにおもしろいのが、ピアジンスキは
昨年ジャイアンツ時代に自分が似たようなミスを犯していたことがあったという点です。性格ワルなピアジンスキが
最も冷静な判断をしたということでしょうか(あの試合の後、留守電や携帯メールにたくさんの
メッセージが送られてきた模様)。

いずれにしろ、エンジェルズは最後のつまらないミスでこの試合を落としてしまいました。しかしエンジェルズは
あの程度のことでクヨクヨしても仕方ないと割り切りができていることでしょう。逆にホワイトソックスも、
第2戦の勝ちは忘れてカリフォルニアでの戦いに挑まなければなりません。第1戦はホワイトソックスの走塁ミスで
エンジェルズがモノにしたという見方もできるのです。第2戦も勝ったものの初回の内野ゴロの間に1点を
取った以外はサヨナラの1点しか取れなかったわけだから、ホワイトソックスにモメンタムが流れているとは
考えにくいでしょう。

NLCS Game2(アストロズ@カーディナルズ)
カーディナルスにはいい場面ありましたよ。ジム・エドモンズのスーパーキャッチ、その後すぐの攻撃では、
アルバート・プーホールズの文句なしのホームラン。2-0でリードされている時に出たこの2つの
プレイでカーディナルスに勢いが移る・・・とも思えたのですが、それ以前に堅実野球のカーディナルスらしくない
ミスが連発したのが(おまけに監督が抗議した)最後まで尾を引いてしまいました。

得点には繋がらなかったが初回のセカンド、グルジラネックのベールカバー遅れ、2回表、今年のMr.October候補
クリス・バークの3塁打の時のサード、ニュメスのあいまいなタッチ(このとき、ラルーサ監督がポンチーノ塁審へ抗議)。
ヤディア・モリーナのパスボールや、終盤リリーフに上がったタバレスのワイルドピッチなどなど。

しかし、アストロズがホワイトソックスと異なるのが、自分たちの持ち味で勝ったという点でしょうか。アストロズでは、
それは投手力なのですが、ロイ・オズワルトの冷静なピッチングとリリーフのブラッド・リッジがきっちりと
抑え込んで勝ちました。そしてアストロズのもうひとつの持ち味はバークのような「勢い」でしょうか。
3戦目からは昨年のNLCSでもサヨナラ勝ちを含めて勢いがあったヒューストンでの開催です。ヒューストンへ
戻る前にひとつ勝ったのは追い風になる可能性があります。

一方のカーディナルスは、第2戦ではスモールベースボールを展開する前に自滅した感があり、その意味では完敗。
3戦目以降はいつもどおり打つときには打つ、小技を使うべきところでは4番打者でもバントを厭わない攻撃といった、
お得意のスモールベースボールを展開していくのみでしょう。勝ち方を知っているチームなので、いまさら特別なことを
やる必要などないのです。ただ問題はプーホールズの後を打つラリー・ウォーカーの打率があまりに低いことだと
思われます。ラルーサはこの点をどう考えているのでしょうか。

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