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See you Again!~2006年ワールドシリーズ回顧2~

2006-10-29 04:19:55 | MLB
Too much to overcome(SI.com)
Series mistakes sully Tigers' breakthrough season(ESPN)


カーディナルスについて書いていたら、タイガースについて長く書けなくなってしまったので別枠で;

タイガースは、2003年の大敗シーズンからよくここまで立て直してきたと思います。もちろんその当時を
知る選手ばかりがいるわけではないですが、トニー・ラルーサが言う「最悪期に準備をして最高の結果を描く」ということを
少し長いスパンで体現したチームだったと思いますし、GMやフォードの暗いニュースばかりが続くデトロイトにとっても、
もうひとつのデトロイトの代名詞であるタイガースがここまで勝ち上がったのは福音ではないでしょうか。

タイガースもレギュラーシーズン終盤に6連敗をして、ヤンキーズ相手に圧倒的不利を予想されていましたが、
特にケニー・ロジャーズの快投と、とにかく1点を積極的に取りに行く攻撃陣のおかげで、その予想を跳ね除け、
ALCSに至っては4連勝でアスレティックスを破り、おまけにケン・モッカ監督の首を飛ばしました。

今思えば、今年タイガースがここまで来ると予想した評論家ははっきり言って皆無に等しかったですし、地元ファンですら
ここまで勝つとは思っていなかったでしょう。これも「評論家はバカ!」であり、"Shock the World"なことでした。
カーディナルスがこの短期間にやったことを、タイガースは1年なり3年なりの長い期間でやってきた成果が今年の
ワールドシリーズ出場だったのかも知れません。

しかし、ワールドシリーズ出場までがちょっとできすぎていたというか、バイオリズムのピークが早すぎたようです。
ワールドシリーズでは、自らの乱れでモメンタムを消すところが多くありました。その多くが、またこのシーンか!的な
エラーや攻撃陣の拙攻、三振などがいくつかありました。それを何とか乗り越えようと選手たちが逆に力を入れすぎていました。
最終戦でも、ジャスティン・ヴァーランダーは投球のとき、明らかに力が入りすぎて、その力を打者を抑えるという方向に
転化できないまま終わってしまいました。こうなってしまうと、ジム・リーランドとしても、自分の思い描いた戦術の10のうち
4ぐらいしかできなかったはずです。

そして、これは正直なところはわからないですが、第2戦でロジャーズが疑惑の泥で勝ったことが、変な形で相手に
流れを与えてしまったようにも思います。ロジャーズのピッチング内容よりも掌だけが注目を浴びてしまい、せっかく
神懸り的な活躍をしていたロジャーズで勝ったのに、タイガースにとっては勝った心地をしなかったのではないでしょうか。

それでも、タイガースの多くの選手はまだ若いです。来シーズンはダメになったわけではなく、かつては下に見られていた
アメリカンリーグのセントラルが一層混沌となる要因を与えたんじゃないでしょうか。投手陣がいいタイガースやツインズ、
大小織り交ぜた戦術になりつつあるホワイトソックス、そして来年こそ若手(というよりも中堅になりつつある)選手の
爆発に期待を賭けるインディアンズという、どこかのディビジョンとは違って、資金ではなく非常に楽しみなチームばかり
集まったディビジョンとして、すごくおもしろくなるはずです(もちろん、ロイヤルズもがんばれ!)。

20年後とは言わずに、タイガースにはまた近いうちにワールドシリーズに帰ってきてもらいたいですし、そのチャンスは
大きいと思います。そうでないと、あの場内アナウンサーの異様に高いテンションが下がりそうです。


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