ほぼ本決まりとなっている横浜ベイスターズのTBSからDeNAへの売却が、球団の名称変更の問題でなかなか進まない状況になっています。
横浜ベイスターズの名称変更へ 巨人・渡辺会長は株主総会まで現行名を支持(産経新聞) - goo ニュース
DeNAは「横浜ベイスターズ」という名前を変えたがっており、どうしても自分のブランド名を入れたいと必死です。そのためには社名を変えてもいいとまで言う始末です。そこまでして狙うのは「企業のブランド価値が最大限高まる形にしたい」からです。一方でDeNAによる買収に関しては、同じインターネット業界でプロ野球チームを所有する楽天が反対の意向を示したことも記憶に新しいと思います。
これらの動きを見ていて思うのは、結局のところ日本のプロ野球はオーナー企業の広告塔にすぎないのかということです。2004年の1リーグ騒動とライブドア、楽天の新規参入が話題になった頃、プロ野球は広告塔としての役割ではなく、もっと地域に根ざした形の運営を図っていくべきだという声が高まりました。同時にプロ野球がない北陸や四国に独自のプロ野球リーグが生まれたのもその頃でした。そのようなところからプロ野球の改革の動きは動いていきました。たまたま小泉政権の「改革なくして成長なし」という声に酔いしれていた時期だったのも、プロ野球の改革の動きを後押ししていたように思います。
そのおかげで、一昔前に比べればプロ野球の世界も経営手法も変わりました。しかし2004年当時の改革の機運は薄れ、結局は親会社の意向に基づく社会に戻りつつあるように感じます。震災直後、世論の多数意見に抗って3/25開幕を強行しようとした巨人、広告塔としてチームを買おうとするDeNA(別にそうしたければ勝手にしたらいいのですが、投資家は配当や株主還元策に費やす金を赤字のプロ野球球団に流しこむなんて無駄なことだと株価で主張しています)、そしてかつては球界を改革するといいながら、DeNAを目の上のたんこぶのように思う楽天。何だかキャストが変わって2003年までの緊張感がない狭い視野のギルド的球界へ逆戻りしているようです。
2005年に小泉政権が衆議院選挙で圧勝した後、諸外国から日本には「改革疲れ」が蔓延したと観られています。今のプロ野球界にあるのは球界再編騒動から生まれた改革の機運から疲れきった姿です。TPPの反対派がTPPはアメリカ主導の交渉だ主張するのと似ていてい、メジャーリーグがWBCから草の根の運動までメジャーリーグ及び野球そのものの普及を世界中で展開しています(例えば、ヤクルトはブラジルの農村に野球場を作り、ヤクルトの広告が場内にあるにもかかわらず、そこで野球を教えているのはかつてのメジャーリーグの大スターです)。日本の球界はその動きに対して時には文句をいい、ときには指を加えて見ながら、自分たちは今の世界のぬくもりに安心してしまっている、そんな感じではないでしょうか。日本の球界が刺激を与えられるには、リーグ再編などという自分たちの立場が危うくなる事態がない限り無理なのでしょうか。
横浜ベイスターズの名称変更へ 巨人・渡辺会長は株主総会まで現行名を支持(産経新聞) - goo ニュース
DeNAは「横浜ベイスターズ」という名前を変えたがっており、どうしても自分のブランド名を入れたいと必死です。そのためには社名を変えてもいいとまで言う始末です。そこまでして狙うのは「企業のブランド価値が最大限高まる形にしたい」からです。一方でDeNAによる買収に関しては、同じインターネット業界でプロ野球チームを所有する楽天が反対の意向を示したことも記憶に新しいと思います。
これらの動きを見ていて思うのは、結局のところ日本のプロ野球はオーナー企業の広告塔にすぎないのかということです。2004年の1リーグ騒動とライブドア、楽天の新規参入が話題になった頃、プロ野球は広告塔としての役割ではなく、もっと地域に根ざした形の運営を図っていくべきだという声が高まりました。同時にプロ野球がない北陸や四国に独自のプロ野球リーグが生まれたのもその頃でした。そのようなところからプロ野球の改革の動きは動いていきました。たまたま小泉政権の「改革なくして成長なし」という声に酔いしれていた時期だったのも、プロ野球の改革の動きを後押ししていたように思います。
そのおかげで、一昔前に比べればプロ野球の世界も経営手法も変わりました。しかし2004年当時の改革の機運は薄れ、結局は親会社の意向に基づく社会に戻りつつあるように感じます。震災直後、世論の多数意見に抗って3/25開幕を強行しようとした巨人、広告塔としてチームを買おうとするDeNA(別にそうしたければ勝手にしたらいいのですが、投資家は配当や株主還元策に費やす金を赤字のプロ野球球団に流しこむなんて無駄なことだと株価で主張しています)、そしてかつては球界を改革するといいながら、DeNAを目の上のたんこぶのように思う楽天。何だかキャストが変わって2003年までの緊張感がない狭い視野のギルド的球界へ逆戻りしているようです。
2005年に小泉政権が衆議院選挙で圧勝した後、諸外国から日本には「改革疲れ」が蔓延したと観られています。今のプロ野球界にあるのは球界再編騒動から生まれた改革の機運から疲れきった姿です。TPPの反対派がTPPはアメリカ主導の交渉だ主張するのと似ていてい、メジャーリーグがWBCから草の根の運動までメジャーリーグ及び野球そのものの普及を世界中で展開しています(例えば、ヤクルトはブラジルの農村に野球場を作り、ヤクルトの広告が場内にあるにもかかわらず、そこで野球を教えているのはかつてのメジャーリーグの大スターです)。日本の球界はその動きに対して時には文句をいい、ときには指を加えて見ながら、自分たちは今の世界のぬくもりに安心してしまっている、そんな感じではないでしょうか。日本の球界が刺激を与えられるには、リーグ再編などという自分たちの立場が危うくなる事態がない限り無理なのでしょうか。