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[短評]内戦と聖火とお金

2008-04-19 22:52:20 | マネー&ポリティックス
聖火出発地変更 揺れるランナー 有森さん「私は走る」(産経新聞) - goo ニュース
【記者が読む】チベット問題 今こそ大阪で“五輪開催”を!(産経新聞) - goo ニュース


まぁこの世にはわからないことがまだ多いですが、今世間を騒がしている聖火リレーの問題もまた、
自分にはよくわからない問題です。どういう理由で騒いでいるのかがわからないのです。

そもそも、今の聖火リレーは、中国からも聖火防衛隊なる人たちが出ているようですが、基本的には、
政治的には中立のIOCが主催しているイベントです。これが中国政府が思いついてやっているのであれば
(ベルリンオリンピックの聖火リレーみたく)、今の情勢下では、妨害しようが何しようが理解できますが、
オリンピックの開会式出席を辞退することを匂わせている、フランスのニコラ・サルコジ大統領も言うように、
聖火自体には何も悪気はないのです。だからなぜ聖火ランナー(これだって中国人ではない)を襲うような
行為があるのかがわからないのです。

でも、オリンピックが政治利用されているように(ベルリンもそうだし、ミュンヘンでもそうでした)、
現代の聖火リレーの起源もまた、政治利用でした。ベルリンオリンピックのときに、当時のドイツが
わざわざ自分たちのテリトリを誇示するために、聖火をリレーさせたという話は有名であり半ば通説と
されています。

今の形の聖火リレーは2004年のアテネオリンピックから始まりました。ギリシャだって、キプロス問題を
抱えていますが、その当時は1年くらい前のチベット問題くらいに、世間一般では目立たない問題であり、
たまたまそうしたところからの妨害もなく無事に聖火はアテネへ運ばれました。次の夏のオリンピックは
ロンドンで開催されます。それまでに今のイラク問題が解決されていなかったら、もしかしたらイスラムの
過激派が聖火リレーを妨害することもあるでしょう。というよりも、警備が非常に厳しいオリンピック本番より、
緩やかな聖火リレーを政治利用する動きは今後高まると思います。そうなれば、政治とスポーツの分離という
理想バカみたくまい進しているIOCは、目を覚ますべきでしょう。

もうひとつわからないことは、いつの間にか、チベット問題が聖火リレーの問題に変わったのではないか、
ということです。そもそも、ギリシャのキプロス問題みたく、チベット問題は昔からありました。六本木に
通っていた頃、中国大使館前でチベット問題を訴える、本当に小さな抗議運動が行われている姿を
何度も見たことがあります。それが僧侶に対する、あのようなことがあり、チベットがどのあたりに
あるのか知らない人たちがデモるほど、一気に大きくなりました。

それを受けて、聖火リレーが始まりましたが、どこぞの過激な人権活動家が暴れてしまったために、
チベットで起こっている問題が、聖火の行方と聖火リレーの警備に注目が移ってしまいました。
そう考えられています。しかし穿った見方をすれば、実は中国政府がチベット問題から目をそらすため、
わざとああいう騒ぎを起こしているのではないかとすら思えてきます。現に、聖火リレーの報道が
盛り上がる一方で、報道管制が敷かれているとはいえ、チベット現地での問題が目立たなくなったような
印象を受けるのですが、どうなのでしょう?

そう考えると、聖火リレーはやはり純粋なオリンピックの一部と見るべきだと思うのですが、現実問題は、
そういってられません。

それに、オリンピックにはもはや純粋に勝負を競うイベントではなく、政治目的と同時に、完全にお金になる
イベントです。そこで産経新聞の社会部次長の「負け惜しみ」記事です。前半はまぁそこそこなことが
書かれていますが、後段は負け犬の遠吠えです。そんなにも北京でのオリンピックが嫌ならば、砲丸投げの
砲丸を作る川口のおじさんを見習って、産経新聞として、というよりもフジサンケイグループとして、
オリンピックをボイコットすればいいじゃないかと思います。そうすれば、オリンピックの放映権であれや
これやあった、関西テレビの民放連復帰の問題はなかったはずです。

中国は嫌い、でもオリンピックで産まれるお金は欲しいから、北京に取材班を出して、北京市内でお金を
落としてくる、このあたりの態度も自分にはわからないです。サンケイとしては、政治とオリンピックと同じく、
お金とオリンピックは分離して考えられないようです。

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