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[WBC短評]エラーひとつが問うWBCの将来

2009-03-22 21:16:56 | MLB
韓国、初の決勝進出=ベネズエラに大勝【WBC】(時事通信) - goo ニュース
K-pop: Korea powers its way to final(MLB.com)
Selig: Classic to get 'bigger and bigger'(MLB.com)
Venezuela's gaffes, bad schedules drain WBC potential(Sportsline.com)


43,378人を集めたワールド・ベースボール・クラシック準決勝第1戦は、ベースボール世界一を
決める大会の準決勝としては、あまりにもお粗末な試合でした。すべては1回表、ライトを守る
ボビー・アブレイユのフライ落球で決まったといってもおかしくないでしょう。今シーズンから
アナハイム・エンジェルズへの移籍が決まったアブレイユにとって、ロサンゼルス市民への
これ以上になく情けない挨拶となったことでしょう。エンジェルズの今シーズンに早くも暗雲か?

また、あれだけのメジャーリーガーを集め、強力な打線を組んだはずのベネズエラのバットは、
乾燥した気候のロサンゼルスで完全に湿ったままでした。一方、決勝戦に進む韓国チームには、
メジャーリーガーはひとりだけ、それも必ずしもレギュラークラスの選手ではありませんでした。
10対2というスコア以上に、メジャーリーグが3年前に肝煎りで作ったWBCの準決勝としては、
緊張感も感じられませんでした。

それでも、MLBコミッショナーのバド・セリグはとても楽観的です。4年後の第3回大会では、
さらなる注目度と興奮をもたらすことができると自信を持っているようです。確かに、
注目度が低いといいつつ、前向きな数字もあるようで、例えば、ESPNでのWBCの視聴率も
前回大会より30%上昇しているそうです。日本や韓国での盛り上がりや、プエルトリコでの
予選ラウンドはかなりの盛り上がりを見せたし、今大会ではまさかのアップセットもあり、
注目を浴びることはできました。

しかし、今日の試合を見たセリグは、果たして前向きになることができたでしょうか。もちろん、
世界大会すべてが1試合で決まるようなことはあってはならないのでしょう。とはいいつつも、
けが人続出のアメリカチーム、NCAAトーナメントとは比べ物にならない複雑なブラケット、そして
世界で最高レベルのリーグでかなりの大金をもらっている選手たちによるエラーの連発などなど。
セリグもまだ2回目の世界大会に関して、直すべきところがあると認めながらも、

(H)e said, "this is doing exactly what we set out to do"
and that it is "working out better, frankly, than we imagined."


とあくまでも楽観的です。"we imagined"していたレベルとはかなり低かったのでしょうか?

個人的には、決して野球の世界的普及を反対しませんし、メジャーリーグはそれに向けて
さまざまなことを用意していると思います。改革疲れどころか、今の与党と同じように、
改革の意識を完全に忘れた日本のプロ野球界ではそこまで考えている余裕がないのです。
しかし、今日の試合を見る限り、いや、2回表の時点ですでに飽きてしまったため、録画していた
テレビ番組を見ていたのですが、これが世界大会というのであるならば、メジャーリーグの
レギュラーシーズンの試合の方がよっぽど世界レベルじゃないかと思えてきました。

まだ全日程が終わっていないのに、次の大会について語っても仕方ないかもしれませんが、
第3回WBCでは、最高の舞台と最高の選手、そして最高のレベルでの大会を期待したいものです。
興行的な面と、メジャーリーグ各チームのスカウト陣が日本や韓国などの選手を見出すことが
できている点では、成功しているかもしれませんが。


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