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Ugly but reasonable ending

2010-01-31 17:53:43 | マネー&ポリティックス
人気番組「アグリー・ベティ」の打ち切りが決定!視聴率の低下止められず - goo 映画
10 reasons 'Ugly Betty' will be missed(CNN.com)


NHKのBSでは3rdシリーズが放送されている「アグリー・ベティ」ですが、アメリカでは4thシリーズで
打ち切りが決定しました。アメリカ・フェレイラ演じる「醜い」メキシコ移民の女の子がニューヨークの
ファッション雑誌の世界で活躍していくドラマですが、もともとはコロンビアで放送されていたドラマ
「ベティ~愛と裏切りの秘書室』をアメリカっぽいものにアレンジしたものになります。ベティを演じて、
エミー賞も受賞したアメリカ・フェレイラの成功物語も話題になりました。

ちなみに、ファッション業界を舞台にしたこのドラマでは、セリフの中でふつうに有名モデル会社や
誰もが知っているファッションブランドの名前が出てきます。NHKではそうした固有名詞を出すことは
通常絶対に有り得ないのですが、このドラマに関しては例外だったようです。ブランド名を隠していたら、
吹き替えが成立しないので、仕方なかったのでしょう。

しかし、アメリカでは視聴率が低迷し、それと反比例するかようにベティがかわいくなってしまい、
おまけにABCが多くの人がテレビの前にいない金曜日の夜に変えたことにより、余計に視聴率が
下がってしまい、この4月で終了となることが決定しました。

シリーズを追うにしたがって、ベティとウィルミナとその仲間たちの対立の構図に変化が出てしまったり、
大物ゲストを出しすぎてそろそろ次の弾がなくなったり、現実世界では雑誌そのものが元気を失ったり、
ドラマが終わる要素はいくつかあったようです。しかし、もうひとつ注目すべき点は、2008年シーズンの
途中から視聴率が下がってきた点です。これはちょうどアメリカでリーマンショックとそれにより刺激された
サブプライム問題で大騒ぎしていた頃と一致します。

このドラマは、ベティのファッション業界での奮闘とは別に、ベティの父親がメキシコからの不法移民だった、
という多くのヒスパニック系が抱えているかもしれない問題も描かれています。一方、サブプライムローンで
恩恵を受けることができたのは、主にヒスパニック系でした。富裕層のラテン系が力を付けてきたアメリカで、
サブプライムローンは特に貧しいヒスパニック系に経済的に裕福となり、それなりの重要な位置をしめるように
なりました。その中で「アグリー・ベティ」は放送開始されました。

しかし、2008年の経済危機により、ヒスパニック系住民の多くはサブプライムローンというハシゴを奪われ、
経済的に力を失われました。それと同じくして、メキシコ移民の娘が主役だったこのドラマもその勢いを失われ、
アメリカ経済の回復を見ることなく、打ち切りが決定しました。

その意味では、アグリー・ベティの終了は、視聴率の低下とヒスパニック系の影響力の低下という2つの流れに
逆らえなかったのかもしれません。

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