黒田、ヤンキースと1年契約で合意…米メディア(読売新聞) - goo ニュース
Mariners, Yanks nearing Pineda, Montero swap (MLB.com)
In a New York minute, Yankees become clear AL East favorites (SI.com)
Just like that, Yanks upgrade rotation (ESPN)
今朝起きたとき、テキサス・レンジャーズが現在残っている最大のFA選手であるプリンス・フィルダーとダラスで接触をしたというニュースを見ました。アナハイム・エンジェルズがアルバート・プーホールズを獲得したことに完全なまでに触発されているレンジャーズは、フィルダーとダルビッシュの両方と契約することを目指しているどころか、一部報道では契約できる可能性が高いとまで言われています。
これらの流れを見たとき、やはりアメリカでは「地殻変動」が活発に起こっているのだと感じさせました。この変動はメジャーリーグだけでなくほかのスポーツにも当てはまります。同じテキサス州では、人気では全米でも屈指のダラス・カウボーイズがプレイオフ進出を逃す一方、これまで目立たない存在だったヒューストン・テキサンズが2002年のNFL加入後初のプレイオフ進出を果たし、勝ち上がりました。ロサンゼルスでは、財政問題にゆ揺れる名門ドジャーズを横目に、エンジェルズがプーホールズと先発左腕のC.J・ウィルソンを立て続けに獲得しました。一方、NBAではクリス・ポールのレイカーズ移籍がニューオーリンズ・ホーネッツの実質的オーナーであるNBAにより破談となった後、同じアリーナを本拠地とするクリッパーズがポールを獲得しました。ポール効果もあって、クリッパーズは今シーズンここまで好成績を収め、注目を集めています。
地殻変動は同じ都市、同じ州だけで起こっているわけではありません。その最も特徴的なもののひとつが、アメリカンリーグで起こっている、東から西への変動です。いくらヤンキーズとレッドソックスが全米で最大のライバルだといわれながらも、2年連続してアメリカンリーグを代表してワールドシリーズへ進出したのはレンジャーズでした。それどころか、昨シーズンレンジャーズとワールドシリーズ進出を戦ったのはデトロイト・タイガーズでした。レッドソックスに至ってはプレイオフ進出すらできなかったことを考えると、いわゆるEast Coast Biasは終わりに近づいていました。
レンジャーズがセントルイス・カーディナルスにワールドシリーズで負け、メジャーリーグのシーズンが終わった直後から注目を浴びたのは、エンジェルズであり、レンジャーズであり、今年から名前を変えて名物監督と大物選手を獲得したマイアミ・マーリンズでした。いつもオフシーズンになれば、というよりクリスマスでもオフィスの電気が付いているといわれるほどオフシーズンでも活発なヤンキーズは、不気味なくらい大きな動きを見せなかったのです。
しかし、レンジャーズがフィルダーと接触し、かつてのヤンキーズのような動きをしている間に、ヤンキーズは本来の動きを見せました。まずはトレードでマリナーズからマイケル・ピネダを、続いてドジャーズからFAになっていた黒田博樹を相次いで獲得しました。昨シーズン開幕当初、C.C・サバシア以降の先発が不安だとされてきたヤンキーズが、一気に若さ(黒田を除く)と技術的な高さ、そして強力さを兼ね備えたローテーションが完成しました。
黒田については、もともとヤンキーズへ移籍するという噂がこれまで何度も出ました。例えば2010年のオフや昨年のトレード期限のときにも、ヤンキーズは貧打のドジャーズで素晴らしいコントロールで投げ続ける(そして負け続ける)黒田を獲得しようとしていました。今回、黒田側がヤンキーズ入りを決めたのは、ヤンキーズが熱心に獲得を目指してきたその姿勢があったと言われています。
しかし、黒田の加入以上に注目されているのが、ピネダの獲得です。ヤンキーズは1月18日に23歳になるピネダを獲得する代わりに、強打の捕手で22歳のヘスース・モンテーロを出しました(同時にヤンキーズは2選手、マリナーズは1選手を獲得)。昨年も一昨年も見ていてわかるように、マリナーズにとって攻撃力の強化は必須であり、マリナーズもまたフィルダー獲得を狙っています。同時にマリナーズはジャスティン・スモークやダスティン・アックリーといった若い選手を核にしたチーム作りを目指しているので、モンテーロはその一角を担うことができるはずです。
マリナーズがモンテーロを獲得したのと同じくらい、ヤンキーズが若くて5年間は先発を任せられる、そして速球とコントロールを兼ねそなえたピネダを獲得したことは大変重要なことです。昨シーズン開幕後に登場し、前半戦の活躍(8勝6敗)は目を見張るものがあり、新人王候補になり、イチローを差し置いてオールスターに行きました。一方で後半はそのクセを読まれたこともあって10先発で1勝しかできず苦しみました。同時にヤンキーズをはじめとしたアメリカンリーグのイースト・ディビジョンとの対戦では防御率が4点台でした(1回しか対戦していないレッドソックス戦での二桁の防御率が大いに貢献しているのだけど)。それでもまた若く、ほかの25歳前後の投手と共にヤンキーズの先発の一角を数年任せられることは、ヤンキーズにとって代えがたい魅力に感じたのでしょう。
少し前のヤンキーズだったら、どうせプーホールズを大金で獲るんでしょ、フィルダーに大金を出すんでしょと言われて、そのとおりのことをしていたでしょう。少なくともこのオフではそうした路線とは完全に一線を隠し、その役割をマーリンズやレンジャーズ、エンジェルズに与えました。それでもヤンキーズはメジャーリーグでは非常に稀な若手選手同士のトレードとにより非凡な(phenom)投手、どうしても欲しかったベテラン投手による補強を行い、ディビジョンでもリーグでも屈指の先発陣ができあがりました。ヤンキーズは成績面でも注目度でも地殻変動が続くメジャーリーグ、アメリカのプロスポーツ界において、失地回復を目指しているとすら言えるのではないでしょうか。
Mariners, Yanks nearing Pineda, Montero swap (MLB.com)
In a New York minute, Yankees become clear AL East favorites (SI.com)
Just like that, Yanks upgrade rotation (ESPN)
今朝起きたとき、テキサス・レンジャーズが現在残っている最大のFA選手であるプリンス・フィルダーとダラスで接触をしたというニュースを見ました。アナハイム・エンジェルズがアルバート・プーホールズを獲得したことに完全なまでに触発されているレンジャーズは、フィルダーとダルビッシュの両方と契約することを目指しているどころか、一部報道では契約できる可能性が高いとまで言われています。
これらの流れを見たとき、やはりアメリカでは「地殻変動」が活発に起こっているのだと感じさせました。この変動はメジャーリーグだけでなくほかのスポーツにも当てはまります。同じテキサス州では、人気では全米でも屈指のダラス・カウボーイズがプレイオフ進出を逃す一方、これまで目立たない存在だったヒューストン・テキサンズが2002年のNFL加入後初のプレイオフ進出を果たし、勝ち上がりました。ロサンゼルスでは、財政問題にゆ揺れる名門ドジャーズを横目に、エンジェルズがプーホールズと先発左腕のC.J・ウィルソンを立て続けに獲得しました。一方、NBAではクリス・ポールのレイカーズ移籍がニューオーリンズ・ホーネッツの実質的オーナーであるNBAにより破談となった後、同じアリーナを本拠地とするクリッパーズがポールを獲得しました。ポール効果もあって、クリッパーズは今シーズンここまで好成績を収め、注目を集めています。
地殻変動は同じ都市、同じ州だけで起こっているわけではありません。その最も特徴的なもののひとつが、アメリカンリーグで起こっている、東から西への変動です。いくらヤンキーズとレッドソックスが全米で最大のライバルだといわれながらも、2年連続してアメリカンリーグを代表してワールドシリーズへ進出したのはレンジャーズでした。それどころか、昨シーズンレンジャーズとワールドシリーズ進出を戦ったのはデトロイト・タイガーズでした。レッドソックスに至ってはプレイオフ進出すらできなかったことを考えると、いわゆるEast Coast Biasは終わりに近づいていました。
レンジャーズがセントルイス・カーディナルスにワールドシリーズで負け、メジャーリーグのシーズンが終わった直後から注目を浴びたのは、エンジェルズであり、レンジャーズであり、今年から名前を変えて名物監督と大物選手を獲得したマイアミ・マーリンズでした。いつもオフシーズンになれば、というよりクリスマスでもオフィスの電気が付いているといわれるほどオフシーズンでも活発なヤンキーズは、不気味なくらい大きな動きを見せなかったのです。
しかし、レンジャーズがフィルダーと接触し、かつてのヤンキーズのような動きをしている間に、ヤンキーズは本来の動きを見せました。まずはトレードでマリナーズからマイケル・ピネダを、続いてドジャーズからFAになっていた黒田博樹を相次いで獲得しました。昨シーズン開幕当初、C.C・サバシア以降の先発が不安だとされてきたヤンキーズが、一気に若さ(黒田を除く)と技術的な高さ、そして強力さを兼ね備えたローテーションが完成しました。
黒田については、もともとヤンキーズへ移籍するという噂がこれまで何度も出ました。例えば2010年のオフや昨年のトレード期限のときにも、ヤンキーズは貧打のドジャーズで素晴らしいコントロールで投げ続ける(そして負け続ける)黒田を獲得しようとしていました。今回、黒田側がヤンキーズ入りを決めたのは、ヤンキーズが熱心に獲得を目指してきたその姿勢があったと言われています。
しかし、黒田の加入以上に注目されているのが、ピネダの獲得です。ヤンキーズは1月18日に23歳になるピネダを獲得する代わりに、強打の捕手で22歳のヘスース・モンテーロを出しました(同時にヤンキーズは2選手、マリナーズは1選手を獲得)。昨年も一昨年も見ていてわかるように、マリナーズにとって攻撃力の強化は必須であり、マリナーズもまたフィルダー獲得を狙っています。同時にマリナーズはジャスティン・スモークやダスティン・アックリーといった若い選手を核にしたチーム作りを目指しているので、モンテーロはその一角を担うことができるはずです。
マリナーズがモンテーロを獲得したのと同じくらい、ヤンキーズが若くて5年間は先発を任せられる、そして速球とコントロールを兼ねそなえたピネダを獲得したことは大変重要なことです。昨シーズン開幕後に登場し、前半戦の活躍(8勝6敗)は目を見張るものがあり、新人王候補になり、イチローを差し置いてオールスターに行きました。一方で後半はそのクセを読まれたこともあって10先発で1勝しかできず苦しみました。同時にヤンキーズをはじめとしたアメリカンリーグのイースト・ディビジョンとの対戦では防御率が4点台でした(1回しか対戦していないレッドソックス戦での二桁の防御率が大いに貢献しているのだけど)。それでもまた若く、ほかの25歳前後の投手と共にヤンキーズの先発の一角を数年任せられることは、ヤンキーズにとって代えがたい魅力に感じたのでしょう。
少し前のヤンキーズだったら、どうせプーホールズを大金で獲るんでしょ、フィルダーに大金を出すんでしょと言われて、そのとおりのことをしていたでしょう。少なくともこのオフではそうした路線とは完全に一線を隠し、その役割をマーリンズやレンジャーズ、エンジェルズに与えました。それでもヤンキーズはメジャーリーグでは非常に稀な若手選手同士のトレードとにより非凡な(phenom)投手、どうしても欲しかったベテラン投手による補強を行い、ディビジョンでもリーグでも屈指の先発陣ができあがりました。ヤンキーズは成績面でも注目度でも地殻変動が続くメジャーリーグ、アメリカのプロスポーツ界において、失地回復を目指しているとすら言えるのではないでしょうか。