クレメンス ヤンキースへ電撃復帰(スポーツニッポン) - goo ニュース
Clemens announces return to Yanks(MLB.com)
東に卒業する娘あれば、西に帰ってきたオヤジあり。
メジャーリーグで最も殿堂入りに近い現役選手が、メジャーリーグで最もお金持ちなチームの
ホームスタジアムで、最も注目を浴びる形での復帰劇となりました。2006-07年のクレメンス復帰という
ドラマは、5月6日で一応の最終回を迎えて、今月末あたりには、恐らくロビンソン・カノーが
手放した22番のユニフォームで、メジャーリーグのマウンドに上がる予定です。
ヤンキーズ復帰、というより入団というのは、当然の流れと言ってしまえばそれまででしょうか。
レッドソックスとアストロズとの3チーム間でクレメンス争奪戦が行われていました。一方の
クレメンスは「優勝を狙うことができるチーム」に入ることが条件でした。レッドソックスであれば、
優勝も狙えるでしょうが、今の投手陣に入り込む余地はない、アストロズであれば、先発投手陣の
一角を担うことはできようとも(ただしシーズン開幕前からクレメンス抜きでもやっていく方向性を
模索し続けていたことも事実)、昨シーズンもそうでしたが、とにかく打線の援護がありません。
そこに来てヤンキーズは、ほぼ日替わり定食のごとく新しい先発投手が出てくるし、打線は今シーズンの
序盤あったほどではないにしろ、かなり頼りになってくれるはずなので、クレメンスとしては中途採用でも
やりやすい環境にあるはずです(今のレッドソックスと違い、気心知れたチームメイトが多いのも有利)。
おまけにヤンキーズは、「大至急」先発投手を必要としていたので、今手に入る先発投手といえば、
ということになったわけです。
そこで問題になるのは、(1)クレメンスがまだ先発投手としてやっていけるか(2)クレメンスが
ヤンキーズをプレイオフ/ワールドシリーズまで導くことができるか、ということになるでしょう。
(1)に関してはそれほど問題がない、と思ったところ、この記事に出るナショナルリーグのスカウト曰く、
・回が進むにつれてスプリッターの制御が落ちる
・投手有利(強打者の少ない)ナショナルリーグで投げていた
ことで、強打者チームの揃うアメリカンリーグ、特にイーストではやっていけないという意見もあります。
この時点で優勝へ向けて最も難しい道を選んだともいえそうです(早い段階での現役復帰を
提案したヤンキーズは、インターリーグが本格化する前にクレメンスを入れることが、シーズン中盤以降、
ディビジョン内で優位になると考えていたのかもしれません)。
(1)はクレメンス自身の問題とすれば、(2)はヤンキーズ全体の問題であり、最も強弱感があらわに
出る問題でしょう。自分の印象では、昨年もそうでしたけど、クレメンスひとりだけでは勝てない、
と思います。攻撃陣は多少の波はあるだろうけど、基本的に問題ありませんが、やはり投手陣、
特に中継ぎやマリアノ・リベラあたりが弱い今となっては、長いイニングを任せ続けることに不安が
残るクレメンスといえども、チームを引っ張るには難しいんじゃないかと思います。もちろん、
クレメンス加入でヤンキーズのフロントは、中継ぎの補強に集中することは可能です。しかしながら、
これもまた「大至急」なことです。それまで今の中継ぎ陣が耐えられるでしょうか。そうでなくとも、
特に21世紀に入ってから、ヤンキーズはディビジョン内で勝つことに注意を奪われ、ポストシーズンまで
手が回らないから、昨シーズンのようにあっけなく負けているので、クレメンス加入が10月末まで
効果があるものになるかどうかはわかりません。
それにしても、クレメンス復帰にスポーツライターの間でも強気派と弱気派に分かれるほど、
強弱感が激しいのは、クレメンスが優勝が必須とされているヤンキーズに復帰したからでは
ないでしょうか(それにしてもジョン・ドノヴァンの「アストロズかレッドソックスとサインを
すべきだった」というのは結構過激)。注目度の薄い、クレメンスの地元アストロズに復帰しても、
ここまでの大騒ぎはなかったでしょう。むしろヤンキーズで復帰することで、ヤンキーズファン以外からは
「クレメンスにはがんばってもらいたいけど、ヤンキーズにはがんばってもらいたくない」という感情が
高まるように感じます。
少なくとも、クレメンスが上昇するか(ヤンキーズの成績は問わない)、クレメンスがヤンキーズを
上昇させるかのどちらかしかないと言い切りたいです。クレメンスがダメになる姿を見せられて、
シーズン後に引退を選ばざるを得ないというのは、ここまで盛り上げておいてという思いと同時に、
どことなく切ないものがあります。
Clemens announces return to Yanks(MLB.com)
東に卒業する娘あれば、西に帰ってきたオヤジあり。
メジャーリーグで最も殿堂入りに近い現役選手が、メジャーリーグで最もお金持ちなチームの
ホームスタジアムで、最も注目を浴びる形での復帰劇となりました。2006-07年のクレメンス復帰という
ドラマは、5月6日で一応の最終回を迎えて、今月末あたりには、恐らくロビンソン・カノーが
手放した22番のユニフォームで、メジャーリーグのマウンドに上がる予定です。
ヤンキーズ復帰、というより入団というのは、当然の流れと言ってしまえばそれまででしょうか。
レッドソックスとアストロズとの3チーム間でクレメンス争奪戦が行われていました。一方の
クレメンスは「優勝を狙うことができるチーム」に入ることが条件でした。レッドソックスであれば、
優勝も狙えるでしょうが、今の投手陣に入り込む余地はない、アストロズであれば、先発投手陣の
一角を担うことはできようとも(ただしシーズン開幕前からクレメンス抜きでもやっていく方向性を
模索し続けていたことも事実)、昨シーズンもそうでしたが、とにかく打線の援護がありません。
そこに来てヤンキーズは、ほぼ日替わり定食のごとく新しい先発投手が出てくるし、打線は今シーズンの
序盤あったほどではないにしろ、かなり頼りになってくれるはずなので、クレメンスとしては中途採用でも
やりやすい環境にあるはずです(今のレッドソックスと違い、気心知れたチームメイトが多いのも有利)。
おまけにヤンキーズは、「大至急」先発投手を必要としていたので、今手に入る先発投手といえば、
ということになったわけです。
そこで問題になるのは、(1)クレメンスがまだ先発投手としてやっていけるか(2)クレメンスが
ヤンキーズをプレイオフ/ワールドシリーズまで導くことができるか、ということになるでしょう。
(1)に関してはそれほど問題がない、と思ったところ、この記事に出るナショナルリーグのスカウト曰く、
・回が進むにつれてスプリッターの制御が落ちる
・投手有利(強打者の少ない)ナショナルリーグで投げていた
ことで、強打者チームの揃うアメリカンリーグ、特にイーストではやっていけないという意見もあります。
この時点で優勝へ向けて最も難しい道を選んだともいえそうです(早い段階での現役復帰を
提案したヤンキーズは、インターリーグが本格化する前にクレメンスを入れることが、シーズン中盤以降、
ディビジョン内で優位になると考えていたのかもしれません)。
(1)はクレメンス自身の問題とすれば、(2)はヤンキーズ全体の問題であり、最も強弱感があらわに
出る問題でしょう。自分の印象では、昨年もそうでしたけど、クレメンスひとりだけでは勝てない、
と思います。攻撃陣は多少の波はあるだろうけど、基本的に問題ありませんが、やはり投手陣、
特に中継ぎやマリアノ・リベラあたりが弱い今となっては、長いイニングを任せ続けることに不安が
残るクレメンスといえども、チームを引っ張るには難しいんじゃないかと思います。もちろん、
クレメンス加入でヤンキーズのフロントは、中継ぎの補強に集中することは可能です。しかしながら、
これもまた「大至急」なことです。それまで今の中継ぎ陣が耐えられるでしょうか。そうでなくとも、
特に21世紀に入ってから、ヤンキーズはディビジョン内で勝つことに注意を奪われ、ポストシーズンまで
手が回らないから、昨シーズンのようにあっけなく負けているので、クレメンス加入が10月末まで
効果があるものになるかどうかはわかりません。
それにしても、クレメンス復帰にスポーツライターの間でも強気派と弱気派に分かれるほど、
強弱感が激しいのは、クレメンスが優勝が必須とされているヤンキーズに復帰したからでは
ないでしょうか(それにしてもジョン・ドノヴァンの「アストロズかレッドソックスとサインを
すべきだった」というのは結構過激)。注目度の薄い、クレメンスの地元アストロズに復帰しても、
ここまでの大騒ぎはなかったでしょう。むしろヤンキーズで復帰することで、ヤンキーズファン以外からは
「クレメンスにはがんばってもらいたいけど、ヤンキーズにはがんばってもらいたくない」という感情が
高まるように感じます。
少なくとも、クレメンスが上昇するか(ヤンキーズの成績は問わない)、クレメンスがヤンキーズを
上昇させるかのどちらかしかないと言い切りたいです。クレメンスがダメになる姿を見せられて、
シーズン後に引退を選ばざるを得ないというのは、ここまで盛り上げておいてという思いと同時に、
どことなく切ないものがあります。