恋の狩人「光源氏」も、はや世の重鎮としての日々を送り
最愛の「紫の上」を傍らにおき、落ち着いた日々を過ごしていた
しかし、若き日の薄倖の恋人「夕顔」の忘れ形見「玉鬘(たまかずら)」を
養女として引き取って以来…
父として振る舞いながらも、若く美しい「玉鬘」に次第に惹かれていく源氏!
源氏の思いがけない愛の告白に玉鬘は困惑するばかり…
その一方で源氏は弟の蛍兵部卿の宮との交際をそそのかしたりする
屈折した源氏の思いは、「玉鬘」の美しさを弟宮に見せつけて
惑乱させてやろうという思いにまで及ぶ
その宮が五月雨の夜、玉鬘を訪れた
源氏は頃合を見計らって、玉鬘の近くに蛍を放ち
その光に浮かぶ玉鬘の姿を宮に見せた
源氏の思惑通り、宮はますます玉鬘への思いをつのらせるのだった
草の葉の上で光っていた蛍が、
するすると葉を滑り落ちたと思った瞬間、飛んでいった