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2012年7月6日東工大・中村教授による「補聴器を助ける社会システムの実現」の講演記録

2013-05-06 00:37:05 | 日記
波動コミュニケーション研究所 第4回研究談話会
コミュニケーションエイド研究の幕開け
-音バリアフリー化の課題の克服を目指して- 2012.7.6

主催:早稲田大学 IT研究機構 波動コミュニケーション研究所
協賛:日本音響学会

日時:2012年7月6日(金) 13:00~17:00
場所:早稲田大学 西早稲田(旧称;大久保)キャンパス 55号館N棟1階 大会議室
   http://www.sci.waseda.ac.jp/campus/index.html

主旨:昨年12月17日に開かれた研究談話会「音バリアフリー化の現状と課題-聞こえ支援を中心にして-」では音バリアフリー化に関する様々な取り組みを紹介するとともに、
難聴者、機器メーカそれぞれの立場からの発表と多くの参加者により熱心な討議が行われた。
今回はこれを受けて今後の具体的な活動方向を議論する。

プログラム
     司会:小野 隆彦(早稲田大学波動コミュニケーション研究所客員教授)
 13:00-13:10 挨拶
        山 芳男(早稲田大学教授・波動コミュニケーション研究所所長)
 13:10-13:40 基調講演 補聴システム研究の向かうべき方向
        上羽 貞行(東京工業大学名誉教授・早稲田大学客員教授),
        三好 和宏(めだかの学校校長)
 13:40-14:10 コミュニケーションエイドをどう実現するか
        白井 克彦(放送大学学園理事長・早稲田大学名誉教授),
        廣瀬 禎彦(121works代表)
 14:10-14:40 聴覚障害者むけ機器のあるべき姿
        斎藤 勝(東京信友社長),他
-休憩10分-
 14:50-15:10 アンドロイドスマートホンにできること
        黒田 淳(NECカシオモバイルコミュニケーションズ)
 15:10-15:30 補聴器を助ける社会システムの実現
        中村 健太郎(東京工業大学教授)
 15:30-15:50 日本学術振興会科学研究費助成事業(若手研究(A))
       “歯を介した骨導音に着目したコミュニケーションエイド”について
        村松 未輝雄(早稲田大学大学院基幹理工学研究科修士課程),
        及川 靖広(早稲田大学教授)
-休憩10分-
 16:00-17:00 ディスカッション:これからの音バリアフリー(司会:山 芳男)

お問い合せ先:早稲田大学理工学術院総合研究所理工学研究所音響研究室内
       波動コミュニケーション研究所 山 芳男
       電話:03-3200-2046   URL:http://ss.acoust.rise.waseda.ac.jp/

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以下の記録は、上記のプログラムの中の「補聴器を助ける社会システムの実現」講演者・東工大の中村教授と主催者・早稲田大学 IT研究機構 波動コミュニケーション研究所の許可を得て録音から文字起こしし、ご本人に訂正確認して頂いた記録です。

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補聴器を助ける社会システムの実現           
        中村健太郎(東京工業大学教授)

皆さん、こんにちは。東京工業大学の中村と申します。お願い致します。
本日は「補聴器を助ける社会システムの実現」という題を頂きました。
これでお話をさせて頂きます。

「社会システムの実現」というのはちょっと話が大きすぎて辛いところがあるのですが、
まあ補聴器を使っている方に如何にしていい信号を届けるかということに関して少しお話をしたいと思います。
補聴器に直接信号を届けるということと、それからそういう技術をどうやって皆さんが
使えるようにしたらいいか?ということをお話させて頂ければというふうに思います。

これはあの、今日何度かお話が出てまいりましたが、難聴ということで言うと36万人という数字がよくいろいろなところで出るところです。
補聴器を使っている方というのは、90万人だそうです。
それで人口比5%という数え方をしますと、600万人ですが、日本はご承知のように高齢化が進んでおりますので、
1000万人聞こえに困っている方がいるといっても間違っていないだろう。
いう風に考えておりまして、これはですから大変な人数になるわけですね。
それで聞こえに関する情報の保障という事が大事な事になって来ているわけです。

何度もお話が出て来ていますが、補聴器は今は、デジタル補聴器でさまざまな高度な信号処理技術をやっております。
本当にこれは技術の粋なんですね、すごく素晴らしいものではあるのですが、
但し皆さんが使っているメガネのような気軽に使える感じにはまだ残念ながらなっていなくて、一対一で近距離で握手のできる距離という風におっしゃっていましけれども、
その位ですと比較的いいんですが、例えば大きな人数で会議をしたり、或いはこういう講演会の時ですとか、あと病院の待合室で待っていて呼び出された時、聞こえるんですか?とか、駅なんかで窓口で聞こえますか?とかそういうことになると、
これはなかなか難しい状況が出て参ります。

それであの、補聴器という、ある意味今の補聴器は特殊な機器になっておりますが、
一方で今日、携帯電話とか、スマートフォンのお話がありましたけれども、
色々なデジタルの機器が出てきているわけですね。便利になっているんですが、
こういう一般のデジタルの機器と補聴器が如何に仲良くできるかなということに、
どちらかと言うとはじめから興味を持っているわけですね。

あの、補聴器とこういう世の中にある音を出すものが皆うまく繋がってくれると非常に良いと思います。
それから健聴者に比べますと、耳に不自由がある方が1000万人とは言いましたが、
健聴者の数に比べれば断然少ないわけで、多くのシチュエーションというのは、
多くの健聴者の中に難聴の方が何人か混ざっているという状態で、
それで円滑な会議をしたいわけですね。
ですから会議が始めはうまく行っていても、白熱して来ると難聴の人が居ることを忘れてしまいますし、講演していても、始めは丁寧にしゃべってるつもりがついつい忘れてしまいます。
(横を向いてみせて、マイクの音が小さくなる) ちょっとこうなると聞こえないとかですね。
非常に難しい問題があって、それを最後まで円滑に出来る、というふうにはなかなか難しいところがあると思います。
で、なんで補聴器だけだとうまく行かないのかと言いますと、音が出てですね。
ここの補聴器のところで音を取るわけですけれども、直接来る音がありますけど、
これは遠くなると弱くなります。
あとどうしても壁があると壁で跳ね返って、所謂、反響をしたりですね。
それから当然、雑音があったりしてそれで難しくなるというわけです。
これはあの、良い例かどうかわかりませんけども、どうして音がややこしいのか、
というのをお見せします。

今ですね。ここの赤いところが・・・。音が、こっから音が出ます。
こっから音が今、「ピッ」っという音がですね、
短い時間出た時にこれがどういう風に伝わって行くか?ですね。
はい、ここに床がありまして。これは壁です。塀があると思って下さい。
で、これなんか、こんな風にしてですね。
赤いとことか青いとこは音が強いとこなんですが。凄く強くなったり弱くなったりするところが
強いところができたり、弱いところができたりというところがですね。
すごく複雑に強くなったり弱くなったりするわけですね。
これすごく単純な状態なんですけれども、実際しゃべっている時とか、実際の部屋はもっと複雑ですので、
先ほどから空気の震えが伝わっていく複雑さがこういう所にあります。

なので、補聴器から音を取るのは難しくて、耳の所で音を取ろうとすると、
なかなか難しいので、解決方法としましては、しゃべっている人のすぐそばで音を取って、それを不要な音が入る余地の無い電気の信号で直接補聴器に届ける方法が一番いいわけです。

それの方法に例えば磁界を使います、ヒアリングループですね、磁気ループとか、
あとFMの電波なんかを使う方法、それから赤外線ですね。そういうような色々な方法がもう既に存在するわけです。

で、これは一番初めはヒアリングループで、これはもう古い技術だと思いますけれども、
もう20年以上使われてるシステムで、しゃべった声を、
スピーカーに出す代わりにループの線に出しまして、
その線から音声の信号を磁界として出すという方法。
これは『T』に切り替える補聴器があれば聞くことが出来ます。

あと今、良く使われるのがFMがあるかと思います。
FMはラジオと同じFMの電波で、
少し前にチャンネル数が増えましたので使い勝手は良くなったということですが、
これはFMの受信機を補聴器にカチッとこう繋げることによって、
例えば先生のしゃべった声が
電波で飛んで行ってこのFMで受信できる。言うようなものです。

あとそれから、ワイヤレスマイクは電波かもしれませんが、
最近、ワイヤレスマイクも赤外線がありますけど、赤外線、テレビのリモコンと同じですが、赤外線で音声を飛ばすというものも売られております。

ヒアリングループはそういう中で最も古くて、学校で、高校や中学で習うような知識でわかるものなので、非常に簡単でいいんですけれども、先ほども言いましたけど、電気を流すと磁界ができまして、その線の中では、磁界には向きがあるというのもまたこれ難しい話、っていうか、困ったことなんですけれども、地面に垂直方向に磁界が出来ます。
なので、普通イヤホンのピックアップコイルは垂直な磁界を取るようになっていますので、
挨拶して前を向いたりすると聞こえないとかですね。
いうようなことが起きたりするわけですけども、兎に角、こういうものがヒアリンループで、色んな音を集めてアンプから線に出せば中に居る人には聞こえると、いうものです。

さて、あとはですね。届ける方法にはまあこういう古い方法の他にも新しい技術も当然あるわけです。

これは、例えば2.4ギガヘルツという電波を使ったデジタル無線が比較的気楽に使えるようになって参りまして、これは始め、三好さんから紹介がありました、三洋電機が作ったワイヤレスマイクです。
残念ながらもう生産中止になってしまいましたけど・・・。
あとですね、最近ですと。テレビの音を聞くためにですね。
アルファという会社がサウンドスキップという商品名で非常に安い値段で出しているものがあります。
これは一対一なんですが、あれは受信機が沢山あっても大丈夫なものなんです。
こんなものも作られています。
あとこれは二年位前に早稲田大学と協力させて頂いて、色々設計等して頂いて
多人数で会話が出来るような無線の装置を作ったりしている、そういう技術があります。

あとですね。最近、これから使えそうな技術、どういうものがあるのかっていうのを見てみますと・・・。
今年の3月に規格が出来たそうなんですが、人間の身体のそばだけなんですけども
通信をする新しい規格が、これ、『バン(BAN)』っていう人体通信とか、人体周辺通信とか言うんですけども、そういうのが出て来て、これは元々、健康管理のために色んなセンサーに使うということなんですが、その規格の中に補聴器も入っているという風に聞いていまして、
その辺これからどういう風に展開して行くのかなと言う風にちょっと興味を持っているところです。

まあ、そういうようなことで、新しい技術は先程NECの方からもお話がありましたけれども、どんどん使えそうな技術が沢山出て参りまして、そういった中で最近は補聴器があって、リモコンがついているという補聴器が多いと思いますけれども、
そのリモコンの役割をスマートフォンが出来るんじゃないかなと言う風に考えています。
で、補聴器は高出力の無線イヤホン。
かなり出力を出さなくてはいけませんし、本人に合ったものを使いたい。
で、スマートフォンと補聴器の間はまあ、ループがいいのか、電波がいいのかわかりませんが、何かで繋いで頂いて、スマートフォンがあらゆるものに繋がって欲しいな、と言う風に思っております。
そういう仕組みになって来るといいという風に思っています。

それで、ここで話がちょっと飛ぶんですけれども、
例えばループの様なああいう補聴器に信号を届ける仕組みを、色々な所に、
今日も臨時でループを敷いて頂いているわけですけれども、
元々教室に入っていればいいわけですね。
そういうことを法律とか条例でっていうことですと、例えばいくつかの地方自治体にあります、東京都ですと、福祉のまちづくり条例という所に集団補聴設備と言いますが、こういうのを入れなさいということが入っております。

あと、そういうこととは別に、いくつか地方で頑張っている例としては、長野県の飯山市ですが、そこは丁度私ども大学の卒業生が市長さんをしているもので、そこは磁気ループを積極的に使おうということを始めてます。

河口湖町、富士山の麓ですが、そこは「バリアフリー観光で町おこし」、ということで、
ループですとかそういうことをやって行こうという風に積極的にやられています。
円形ホール、山先生が設計されたんですね。音響設計。
ここでジャズフェスティバルを2-3年前からやっておりまして、
ここにループで音を聞いて頂いていくということをしています。
これはJTBさんにも協力して頂いているということを観光課の方がおっしゃっていました。
このポスターはたぶん、そういうことが入っているんじゃないかなぁと思います。

あとですね。外国を見てみますと、特にイギリス、今年、オリンピックがありますけれども、ループを沢山入れておりまして、入れなくていけないことになっているそうで、空港の待合室ですとか、後はあの、タクシーの車内にも、運転手さんのしゃべってる声が入るようになっています。

下はですね。オーストラリアですけれども、駅のフォームですとか電車の中等にループの音が出るようになっています。
あとは、今、北欧なんかも結構普及しているそうですけれども、他の国ということでは米国が結構盛んに進めております。
米国は、このマイヤーズ先生という先生がご自身も補聴器をされているんですけれども、中心となって、活動しています。
最近、ニューヨークに次々に色んな所に入っておりまして。
「Let's loop America」とか何とか言ってうまいこと言ってやってます。
ニューヨークの地下鉄の窓口に入れたということで、ニューヨークタイムズなんかでも報道されているようなんですね。

で、これはニューヨークの移民の博物館ですとか、まあ、空港ですとか、
それからこれは、有名なハンバーグ屋さんらしいんですが、シェイクシャックと言う所にも窓口にループを入れて、そういうことで、元々ですね。マイクロフォンで喋る仕組みがある所だとループを入れやすいので、そういう所に入って来ているようです。

もう一つは、ニューヨークの新しいタクシーで、これは日産が落札して良かったなぁということですが、この日産のタクシーにも、ニューヨークのタクシーはループを入れることになったそうです。
日産が落札したということ、日本で報道された時には、この話は全く。
USBで充電できるとか、そういう話は出たんですけども、ループが入ることになったそうです。
この辺の仕掛けを、日本側は殆ど掌握してなかったようですが、現地のそういうループの活動をしている人たちが働きかけたりして、もう何年か前から前のタクシーで実証試験をしていたようです。
さて日本、「Jループ」と書きましたが。たぶん千数百台は入っているではないでしょうかと。ということで。
これ、日本でいくつかループを作っている会社、いくつかあると思いますけれども、
ソナールさんという会社に聞いたところ、千台位は入れてますよ。ということでしたが・・。
まあ海外でも同じ問題があるんですが、稼働率が低いとか、メンテナンスの問題というのがございます。
で、ソナールさんのホームページに行くと、納入リストがあるので、今日は東京ですので、東京の部分だけを切り取って参りました。
これはですね。結構色々入っているんですね。
これはだいたい、こういう生涯学習センターとか、文化センターみたいな所ですが、色々入っております。
このそばの、たぶん、東京都心身障害者福祉センターというのは、これ、そばじゃないかなと思いますね。
(ここの)向かいですね。
あと、メルパルク東京 スカラ座ですとか、テアトル蒲田とかですね、結構入っています。
あとは東京スタジアム、味の素スタジアムにも最近入ったと聞いています。あと、教会に入っていますね。
これはアメリカも教会を中心に結構進めているということなんです。
あとですね、リハビリテーションセンターとか。国会図書館は21台も入れたみたいですけど、どの位使われているんでしょうか。

あとはですね。これは裁判員制度があったものですから、裁判所には相当全国に入れた、という風に伺っています。

あとは先程もお話がありましたけども、羽田の国際空港カウンターですね。そういう所に入っています。
案外、老人福祉施設には入れてないということですね。

ということで、こういうことを進めて行くのに何処にお願いすればいいのかとか、何処に働きかければいいのか?という事を考えると、全くきっかけは無いのですが、
これは、国の戦略を考えているところは何処か?と言えば、戦略室というのが出来たそうで、そこのホームページを見に行くと、「頑張る事は7つだ」という風に言っておりまして、
この項目の何処に入るのかな?という風に考えますと、ライフ・イノベーションというのをひとつ挙げていますので、これまぁ医療がここにひとつちょっと入って来ますけれども、その辺に、入るのかなぁとか。

あと地域ということではここに入るのかなぁ、当然科学の技術ですので、何処にどういう風にお願いすればいいのでしょうか?
ということなんです。このライフ・ノベーションということに関しては、凄くお金が大きく想定しておりますし、この言葉を使ってますのでこれが一部なんだということを言うと、「あっそれは大事な事ですね」と言って頂ける可能性があります。

それでこの戦略室の中で、色々な省庁がそれに合わせて色々なことを考えて、
当然、厚労省もあるわけですが、たまたま経産大臣が出した費用といのうを見てみますと、ヘルスケア産業ですとか、まあなんとなく入りそうなところがあります。
まあ、どの辺にどう入れて頂ければいいのかなぁという気がいたします。
ということなんですが、非常に簡単に説明しましたが、まずループに関しましては、
海外ではかなり入っている所があって、これから入れる所も、アメリカなんかは頑張っているそうなんですね。
で、これはあまりループっていうのは知られていないところが問題ですので、メーカーさんですとか、
販売店ですとか、まああの、耳鼻科のお医者さんにループの説明を是非して下さいと、
いうことを国際的なループの団体なんかも言っています。
あと、公共の場所に出来るだけ入れて頂けるといいんですが、
何処に入っているかがわからないのでループのマップのよう物がどうしても必要でしょうということと、入っているんですけども、
「入っていましたっけ?」というような事になってるので、そういう休眠ループの取り寄せ、ということが必要だと思います。

あとですね。磁気ループは一応、国際規格のIECというところの『601184』っていうんですかね。
これは補聴器の規格だと思うのですが、その中の磁気ループの規格に入っております。
これは2006年に改定されまして、強度ですとか、周波数特性ですとか、周囲の磁気ノイズとの比ですとか、
何ていうか、メンテナンスの仕方とか、調整の仕方まで、事細かに書いた規格が一応ございまして、これに本来は準拠とすべきものかなぁ。いうもので右上にありますマーク
もIECのこの規格の中に書かれております。残念ながら日本ではまだあまりこのマーク、使われておりません。

先日、ちょっとその辺の事情を、当時こういうマークを決める時に関わった方にお話を聞いたんですが、ちょっと歴史的経緯があって日本ではちょっと普及が遅れているようなところがございます。

まあ、ということで、先程もありましたけれども、補聴器は補聴器なんですが、
出来るだけ汎用技術を使って、汎用ということでは、皆さんの周りに必ずあるスマートフォンをうまく使うようなことをしながら出来て行くといいなぁと思います。

後はですね、聞く方が頑張って色々な工夫をすれば何とか取れるようにということで、
音を出す方が必ず電気信号でも出して頂きたいなぁという風に思います。
これは磁界で出して頂いてもいいですし、これは磁気ループですけれども、電波でも光でもということです。例えばスピーカーが鳴っていたら、必ず何かそこから出して、そこ見れば、というか、そこを狙えば信号を取れるというようなことがあるかと思います。
後は、法律とか規制で決めるということも当然あるでしょうが、こういうことで、なんか凄い、楽しい技術を作って行って、皆が使えるようにするということが大事かなぁと思います。
そのためにはやはり、難聴者のためするような事を言うとなかなか難しいところがあるので、健聴者も一緒に楽しめるようなサービスですとか、これによって凄い商売になるからいいなぁ、面白いサービスができるならいいなぁということ、そういうことを色々ある今進んで来た技術を組み合わせるようにしてなんかすれば宜しいじゃないかなと思います。

以上です。どうも有難うございます。

2011.12.17 波動コミュニケーション研究所 研究談話会・記録

2013-05-05 23:40:03 | 日記
音バリアフリー化の現状と課題 -聞こえ支援を中心にして- 講演者・東工大の中村教授と主催者の許可を得て録音から文字起こしし、ご本人に訂正確認して頂いた記録です。 

 波動コミュニケーション研究所 研究談話会
音バリアフリー化の現状と課題
-聞こえ支援を中心にして-

音バリアフリー化の取り組み状況
 補聴器を助ける社会システムの技術動向 中村健太郎(東京工業大学)
 日本音響学会の取り組み 及川靖弘(早稲田大学)

みなさんこんにちは。中村でございます。
それではお時間を頂きまして、音バリアフリー化の取り組み状況ということで、
補聴器を助ける社会システムの動向と日本音響学会の取り組みについて紹介頂させて頂ければと思います。

先ほど、三好さんの方からかわいいヘレン・ケラーの話がありましたけど
本物のヘレン・ケラーの言葉がありまして、
見えることと聞くことと言いますか、目と耳と
「聞く方をやっぱり欲しい」いうふうにヘレン・ケラーが言っているという言葉がございます。
というわけで、まず先ほど三好さんの方からのお話、ございましたけれども、
色々な数え方がありますけれども、WHOの数え方というのは、
人口比5%の方が特に困っているという判定の仕方があるそうで、それに従いまして
日本は600万人位になりますが、色々高齢者が多いということも考えると、
1000万という数字もよく出てくるところだと思います。

1000万人もの人がこういう技術を必要としている、いうことですので
これは産業としても本当は大きな産業ではないかというふうに思います。

ということで聞こえの情報保障ということが非常に必要になっておりますし
最近ですと、少しずつですが、筆談のものがあるとか、
ちょっとずつですが気にされ始めているとように思います。
で、補聴器は非常に色々な改良を進められて、高性能な機械なんですが、
必ずしもいつもうまく働くとは限らないという話がはじめにもありました。

そういうことと、あと、どんどんどんどん新しいデジタルの機器ですとか、
発達して行きますけどそういう所との関係はどうなってるんだ? いうようなところも気になるところです。

それで、これは繰り返しになりますけども、どうして補聴器だけでうまく聞こえないことがあるかと言いますと、
どうしても話をしている人と音を取る所が離れておりますので、音が出て行って、伝わる時に当然距離があるので弱くなりますし、
跳ね返ったり、少し遅れた音が来るということで、聞きにくくなる。
そういうことがありますし、雑音も入ってくる。
雑音と言いますのは欲しくない音ですね。が入ってくるとこもありまして「聞き取りにくい」ということが起きてしまいます。
それを防ぐような色々な仕組みが入っているわけですが、
必ずしも100%うまくいく場合ばかりではない。ということになります。

それで、解決法としましては、補聴器に、イヤホンの電気の信号として直接届けるのがいい、いうことはみなさん思うわけで、今までにもいろいろな方法があります。

既にある方法でヒアリングループ、今日もここら辺にはってございますけれども、
ループという方法と、それからFMの電波を使う方法、それから赤外線を使う方法、
最近ですとブルートゥースですとか、その他のデジタルの電波を使う方法なんかもあるわけですね。
ヒアリングループは、磁界というもので伝えている、アナログの技術ですし、
FMの電波もこれもほぼアナログの技術です。

あとそれから部屋の中なんかですと、赤外線を使ったシステムなんかもございます。

そういうことで、取った音をですね、マイクロホンで取った音を直接、補聴器まで届けるという仕組みが便利なわけです。

ヒアリングループの場合には話した声をマイクで取ってアンプで大きくしまして
普通はスピーカーを鳴らすわけですね。
その代わりに電線に電気を流しますと磁界というのが発生します。
これは補聴器にはキャッチする仕組みが入っておりますので、スイッチを切り替えれば
そこからの信号が入って来ます。

あと、FMは、ラジオでも使うようなFMの電波で、周波数が違いますが、
現在いくつかチャンネルが補聴器用に割り当てられておりまして、
それを使って電波で補聴器に届けるというものです。

後はテレビのリモコンなんかでも使っております赤外線を使うものなんかがあります。
で、こういうループは今も説明しましたように、テレビですとか、
人が話す声とか音楽とかをアンプに入れて電線に流してその中に居る人に聞こえる。
所謂『T』というものがついている補聴器ですとか、そういう機能のある人工内耳であれば、
聴くことができまして、この線の中に磁界というものがこういうふうにできますので、この信号を聞き取れると、いうもので、
これ、古い技術で、それでこういうものをたとえば教室なんかで使うので、
補聴器をつけた方が皆さん使うことが出来るということで「集団補聴設備」というような言われ方をするようですが、
例えば東京都の福祉のまちづくり条例というのがございまして、
これを見てみますと、端っこの端っこの端っこ位にちょろっと書いてあるんですが
「観客席とか観覧席とか人が沢山来る所には集団補聴設備その他高齢者障害者等の利用に配慮した設備を設けること」と一応入っているようになっております。

これ、東京都のほかにはいくつか大きな都市、といってもまだふたつか三つ位だと思いますが、こういう条例がある所があるそうです。

それでこれ、めだかの学校なんかにも協力して頂きながらアンケートを行った結果です。
難聴の方、それから高齢者の方、それからその家族の方、100名位にアンケートをとって、こういう聞こえを助けるような仕組みというのはどういう所に必要でしょうか?
というアンケートをしたわけですが、
その結果ですね、高齢者ということもあったので、圧倒的に病院です。
お医者さんのしゃべっていることを聞きたい、ちゃんと聞きたい、ということとか
薬を待っている時に知りたいと、いうようなことですね。
あと当然、駅ですとか、電車とか、こういうホールのような所ですね、そういうのが必要というお答えが返ってまいりました。
その他、色々自由記述の所では、職場、食堂、居酒屋、あと居酒屋も必要という。
デパート、スーパーですね。
先ほどお話がありましたが、結婚式場ですとか、教会とか、そういう話が、当然家の中も
非常に要求度が高くて、テレビ、とか家族との会話、いうことになっております。

それでこういう集団の補聴設備みたいなものでは、ヒアリングループというのは古くて長く使われているものなのですが、
よその国ではどういうふうになっているのかっているのをちょっと調べてみましたのでそれ、ご紹介します。
端的に申しますと、英国と北欧はかなり普及しています。これは規則でそうなっているようになってきたみたいです。
それが規格で決まっております、ヒアリングループが入っているというマークです。
ここはたぶん規格には入っていないかもしれませんが、「ヒアリングループが入っていますので、スイッチを『T』に切り替えて下さい」というふうに書いてあります。
ループが入っている時にはこのマークをつけるという規格になっているそうです。

今ですね、米国は少し遅れてるんですが、今非常に頑張っていて、急進展をしているところです。
日本も昔からループは使ってますけれども、現状はどうでしょうか?いうことで、いくつか見てみますと、例えば外国ですと、これは英国とかですが、これイギリスの飛行場の待合室です。ちゃんとマークがついていまして、
たぶんここに行くとですね 聞こえます。
これは有名なイギリスの黒い四角いタクシーです。
運転席がすごくあのタクシーは離れていますが、もともとマイクで運転手がしゃべりますけれども、ここにヒアリングループのマークがついておりまして、
『T』がある人は聞こえるようになっています。
これもう、規則でそういうふうになっているそうです。

それからですね、これはパース(Perth)ですので、オーストラリアですが
駅のフォームの上に何か機械があるんですが、そこにループのマークがやはりついていまして、
電車の運行情報、駅のアナウンスを流しているようです。
後ですね。パースの都市は走っている電車の中にも入っておりました。
全部が100%はいっているというわけではございませんが、何度か乗るうちに一回はマークがついている電車がありまして、それはどこかと言いますと、電車の扉の脇です。
脇に行くとたぶんループが聞こえるというようになっていまして、
パースというのは後からできまして、バリアフリーを全面に押し出している都市だそうで、そういうことで入っていまして、まあ、英国系ということだと思います。

米国はどうかと言いますと、米国も最近頑張っておりまして、飛行場も入っていたり、
博物館も説明を聞く場所があるんですが、ヘッドセットでも説明が聞けますし、ループでも聞けるようになっております。
これは最近の話で、ニュースになったりニューヨークタイムズなんかでも報道されておりますけれども、ニューヨークの地下鉄に入りました。地下鉄の、駅の窓口に入ったそうです。
これ、窓口にループが入って、こういうマークがつくようになりました。
ということで今、米国は頑張っております。
なんか、いろんなところで報道されているそうで、アメリカで今進めている張本人は
このマイヤーズ先生という ミシガンかどこかの先生でこの方が中心になって進めておりまして「ニューヨークタイムズに載ったぞ」とか言って、たまに知らせて下さってますけども・・・。

これは先ほどと同じ地下鉄の例です。

で、何人かのこういうのを進めている人で、色々協力してですね、やっていて
イギリスとか北欧が進んでいるっていうことを利用しながら色々な所にプレッシャーを
かけながら進めているそうです。
オーディオロジストの人ですとか、HLAAというのは、Hearing Loss Association of Americaで、アメリカの難聴者協会だそうです、
こういうところともうまく協力をしているようです。
うまいことを言いますが、Let's loop Americaっていう運動を進めています。
こういうスタジアムなんかにも入れたりしてると、いうふうなところです

これに関しまして、ループっていうのは古い技術で今更という気もするのですが、
国際会議っていうのはカナダが中心になってやっていて、一回目がスイスでやりまして、
二回目は今年アメリカでやりました。凄い表紙(パンフレットの)でびっくりしちゃったんですけどね。
あのー、一回目は日本からの参加者が無かったようですが、二回目はちょっと様子を覗きに行ってまいりました。
第一回目はどういうことをやったかというのは、ホームページからしかわからないのですが、
そこで議論した結論めいたことがホームページに載っております。
それを見ますと、ループというのは安価で汎用性が高い装置であるということで
提言的なこととしては、補聴器とか製造メーカーは有効性をもっと宣伝しなさい。とか
公共の場所で導入を進めなさい。とか、『T』がループの音が取れない補聴器がありますので
『T』を入れるように努力してくれとか、補聴器のお店では、『T』の使い方をちゃんと説明しなさい。
とか、試せるようになってなくてはダメでしょ。というようなことも言っております。

あとループを設けるということ、窓口なんかに設けるということと、
あと、ループは一応電気の国際規格にありますが、その規格に合うようにして下さいと言っております。
そのマークもその規格なんかで使いましょうということです。

あとですね、何処にループがあるかわからない、ということがありますので
そういうのが分かるようなことを何とかした方がいいのではないのか?
例えば、グーグルマップにループが入っている場所がわかるように入れたらどうでしょう?
というようなことを言っています。

アメリカの通信の委員会の『FCC』というのがございますが、「電話機、携帯電話の製造会社は、
『T』で聞こえる機種を作りなさい」ということをなんか言ったそうなので、それを支持する。
他の国もそうしたらどうでしょう、いうことです。
ループという技術以外に、他の技術もいいものが出て来たらそれを拒むものではありません。
いうような、そういうような提案としてまとめがされてます。

では、我が国はどんな感じかと言いますと、もちろん昔から言われています、もちろんリオンさんもやられていますし、
ソナールさんという会社もやられていますし、たまたま音響学会という学会で、ソナールの社長さんにこの前お話をして頂きました。
ソナールは20年間やっているそうですが、1000箇所以上は納入している。いうことで、
最近ですと、地方裁判所は裁判員制度の問題もございまして、ループを一応、2・3年かけて入れたようです。
あと、現在バスで、これは厚労省のプロジェクトでバスで実験中で、出せるようなものにしたいというところです。
沢山いろんな所に入っているんですが、この数が多いか少ないかってのは、あれですが
まあ、多いと言えば多いですが、少ないと言えば全然少ない数だなと いう気がしますが
また入っている所もですね、入れはしたけど2-3年経つと入れた人が居なくなって
「これ、何の装置でしょう?」 というようなことが多いようです。
一応、納入すると、日本の全難聴にレポートを出してここに入った、入れましたということを報告しているそうですが、実際入ったとこも動いていない所も残念ながらあるというですね。
ただし、最近入れた所は稼働率が高い、いうようなことをおっしゃっていまして、
マツダのスタジアムですとか、これサッカー場とか、あとプラネタリウムとか映画館とか
結構入って来ております。
また、ワイデックスさんていうのは北欧系の補聴器のメーカーですが、そこのマガジンなんかですと、
「町で見かけたループ」っていう記事なんかが出て、少しずつ紹介はされています。
今、色々な所に入っていますね。JTBさんの三田の支店に入っています。
日本だと、羽田空港の国際線ができましたが、あそこにも入ってる。一応、あの窓口に入れた。
ですね。ただ実際に行ってみたら、そこに居る係りの人が「なんのことでしょう?」という風に言われていまして、「これですよ」って言ったら「そうですか」っていうような状態になってたみたいなんで、ユーザーが断然少ないっていのも問題ではないかな、こういうのをどうやって進めるか?ということもありますが、
当然イギリスが必要なように、規則で決めてしまうという方法もありますが、
まあ、英国、北欧がやってるからっていう作戦で米国は頑張ってますので、
その米国を応援すれば、包囲されると日本にやらざるを得ないという気も致します。

それでですね。今、ニューヨークが非常に頑張っているようで、ニューヨークのタクシーが今度日本のメーカーのものにリプレースされますので、その辺もむしろ日産さんから提案すればというようなことを今、色々両面からちょっと話をしているところです。
あとループとか、そういう便利な装置についての認識度が非常に低いのでイベントで実際に使ってみて頂くとか、行ったら体験できる所を絶対作らないといけないですとか、
先ほどグーグルマップに載せるというようなこともありましたが、何処にあるのかわかりません。

あとは入ってても使う人が少ないとメンテナンスがうまくいってないという所があります。
後はですね。ループなんかですと非常にローテクでなんですが、勉強の道具には非常によくて、メンテが出来ないような地方の所も高専の生徒なんかも頑張ってもらえるといいんじゃないかという気がいたします。

あとですね、やはりどうしてもは使う人が少ないので、難聴者向けっていうと、どうしても皆、あんさんあの腰を引くといいますか、商売にならないということなってしまって、
やっぱり健聴者も楽しいサービスをループを使って何かうまくするとか、そういう同じシステムで、
何か健聴者にもサービスが出来るっていうことがあると少し広まって行くかなぁという気がします。

これ、先ほどもお話にありましたけども、難聴者用に作ったら、一般に凄く役に立ったという凄くああなるほどと思ったのですが、そういうことが無いと、なかなか取り掛かる人が少ないなぁとそういうことをするためにも補聴器以外でもちょっと聞こえないと困るというのがございます。

もちろん、補聴器でスイッチを切り替えれば聞こえるんですが、
「専用受信機も必要ですが専用受信機は何処にあるんですか?」ということになってしまいますので、
身近にあるもので聞こえるといい。誰でもですね、簡単に作れそうな感じがするのですが、
もっと身近にということに皆さん持っているアイフォンてすとか、そういうものでもちょっと手を加えるとですね、
プログラムを入れると、ループの音が聞こえますので、
元々この中にちょっとコイルを1つと入れてくれればこれで済むことなんですが、
そういうことで聞くことが出来ます。
一般の方も聞くような仕組みっていうのが作ることが出来ます。
これからの仕組みですが、そういうループを張るとかいう、
集団補聴設備という言葉自体も硬いですけれどもこれ、インフラですので、このインフラを入れるっていうことは大変なことですので、
色んなところにお話をしても、「インフラが無いと」ということでまあ、『鶏と卵』のようなところがありますが、まあ問題になって来るわけですね。

そういうものと、あとはですね。ひとつの考え方はコントローラーを皆さん小さいのを持っていて、補聴器は高性能なイヤホン、無線式の高出力のイヤホンとして考えて、この間はループでもいいんですが、電波かなんかで繋いで、そこで色々なことをしてあらゆるものと一緒に繋がる、いう仕組みがやはりいいのではないか、
で、これはなるべく汎用性があって、普通に世の中にあるものと繋がる仕組みに持って行くという方向がいいんじゃないかなぁと思います。

既にまあこういうので、これはノキアさんのですが、首にかけるようなこういうのが売っていまして、携帯電話とブルートゥースで繋がって、首にループが出るこういう製品があったりしますんですが、またこれ、冒頭で上羽先生が紹介して下さいましたが、まあ、同じですね。
首にかけて色んな所に繋がる。そんなような絵を描きましたが、こういうのっっていうのは皆さんお考えになるので、製品はもう既に色々あります。例えば、フォナックさんのマイリンクというようなのは、やはり同じようなこれはFM。
FMがお得意のようですが、FMでしゃべったものが飛んでそっから首のループで聞ける。
でこれはですね、他の色々な他のものとも繋がる、というようなことで、似たような概念の製品がいくつか出ているという状況です。
しかしなんかもっと普及なんでしないのかな?という気がします。

これはですね。三好さんのめだかの学校に初めてお会いした時に、見てみたらもう5年目以上も前でその時に三好さんの話を伺って、こんな世の中がいいんじゃないかと思ってノートに描いたんですが、
ま、今のような何かコントローラーがあって、イヤホンとは無線で繋がっていて、これがあらゆるものと繋がる。
当然、カーナビとも繋がりますし、電車の中の放送だって当然聞こえるし、
テレビだろうが、洗濯機だろうが、何だろうが、皆繋がっているよ。と、いうようなのが出来る、とまあ、普及できるだろうと思いました。
で、三好さんに「いずれそうなりますよ」っていう風に言ったら、
「いずれじゃ困る」っていうふうに言われて「今」っていう風におっしゃられて、
技術的にはあんまり決定的に不可能なことは無いような気が致しますが、ま、こういう風にはまだなっていない、いう状況です。

まあ街中でもこう、情報が入る、震災があってますます必要な気がして参りましたけど、
後は車とか色々ある、いうもので、家の中でもテレビですとか、エアコンですとか、
今、これからそういう家電製品は皆、たぶん繋がる時代になると思います。

無線で。例えばですね、色んな面で繋がると思います。例えば、電気を使い過ぎとか、
片方休めとかっていうことでも繋がると思いますし、
色んな情報がそれぞれ無線で繋げるというのが当たり前の世の中になって行くと思いますので、そういうところに補聴器が置いてけぼりを食わないようにすることが一番大事なような気が致します。

で、補聴器がそういうシームレスに一般機器と繋がるような世の中がいいなぁと思います。
まあたぶん、そういうコントローラーみたいな役割っていうのは
スマートフォンが段々果たせるようになって来てしまうんじゃないかという気も致します。
スマートフォンの出力ってのは、音は大きな音は出ない、むしろ出さないようにもなっていますので、補聴器はやはりどうしてもご自分に慣れたものということが必要だと思いますが、
そこはわりかしですね、そういう機能に限定して難しいことはここでやる、
そこから色んな所と繋ぐと、いうようなのもひとつのスタイルになって
行くんではないと、そういう方向を考えてる方も多いのではないかなと気もします。

また、そういうことをやりたい時にですね、当然、今色んな新しいデジタルですとか、
ワイファイですとか、色々あるんですが、あのー、昔ながらのAMとかFMもですね、ちょっと使わせて頂きたいなという気も致します。
あのー、補聴器用のFMってのは割り振られてはいるんですが、
補聴器用のFMなので、補聴器用のFMだなということで、例えばこういう高速道路で使っている奴も、ほかんところで少し弱いの出していいような気も致しますし、これどうしてくれるかなという気も致しますし、
何かこうやって音を出している所は、なんかこう、音以外でもいつもを出してくれると非常に難聴者だけではなくて、便利な気が致します。
ということで、まあ段々新しいシステムになって行くような気が致しますが、どのような方法でも、補聴器があまり特殊な物になってしまわない方が広まるような気が致しまして、普通の電気機器とうまく繋がるあの構造がとか、規格とか一番はじめにお話がありました、やはり規格が大事になって来るような気が致しますし、
こういうシステムを作る時に、やっぱり技術的には何か色々ことは確かに出来るんですが、
どういうことをどういう仕組みで作ったらいいかっていうところが、やはり色々な方のお話を聞かないとわからない、
ところがありますが、そういうのを総合することが非常に大事だなぁという気がします。
その時のキーワードも普通の方にも何か楽しいサービスが作れるような仕組みがいいのではないかなぁという風に思っております。
というわけで、決定的な新しいシステムはまだあまり出てはないですけども、技術的には色々出来るようになってるとは思いますし、
ループは古い技術を今、進めようとしているアメリカなんかの動きもあって、そういうのも段々意識が変わって来るところかなという風に思っております。

それでですね、最後に少し時間がございますが、日本音響学会という方で、行っている取り組みの紹介するというこで、
ちょっと及川先生今日、学務の方でお忙しいということで代わりにご紹介します。

日本音響学会という学会はですね、音のこと、あらゆることを扱っている学会で、
会員が4,500程おりますが、世界第二位ということで、もう80年の歴史をもっている学会です。
そこに『音バリアフリー』という音支援の調査研究委員会というのが2006年に出来ておりまして、
バリアフリーの中でも特に音に関するバリアフリー、或いは支援そういうことに関して検討を進めるという委員会を作りました。
それでまあ、色々な、なるべく広い範囲で検討すると、いうことを考えて、何をするか?から考えてる委員会でございまして、

(無音)

そこに色々な方を呼んで話をして頂いたり、いうことをしながら方向性を探っている委員会でございます。
これまでにそういう音のほかにですね、音声の聴取の実験を行っております。
あと、この前は11月に、昨年は震災がありまして、難聴の方は大変苦労をされた、例えば電池などは大変だった。
そういう話を11月に開いた研究会ではそういう話をして頂きました。
これからはですね、引き続きそういうスペシャルセッションとか研究会を開催して行きながら、また実際的なところでは、先ほども出ておりましたけれども、そういう人を助ける機械が何処に入っているのか?わかるようなマップのようなものを少しずつ整備して行きたいなという風に考えているところです。
そのような形で音響学会の委員会と進めていく。 以上です。