


土曜日にイベントがあった
朝はいつもより早く家を出た

途中でハンデがあるために杖を使いゆっくりゆっくり歩いてみえる方を追い越した
脳出血で倒れて逝った娘
あの時、命が繋がっていたら…
娘はハンデを持って生きていたのだろうか…

青信号に変わる直前にその方が横断歩道を渡ってみえる姿が目に入ってきた

青になる前には渡りきれない
早朝の道は空いていた
車線を移せば発進できる
でも、私は動けなかった

なぜか涙が溢れてきて…
この人は頑張って生きてみえる
頑張って生きてくださって本当にありがとうございます


そんな感謝の思いが何度も何度も頭を駆け巡っていた
現世では苦難の多い人生を歩んでみえるのだろう…生き切るまでは…
魂の琴線に触れたのかな

澄み切った青空に整然と並んだ街路樹が映えていた



夜は家の近く、いつも通らない道を帰ってきたら


あの娘が「今年も見に行こうね」と言っているみたい
