昭和の常識は令和の非常識とか言われ、たまにバブルの頃のエピソードが紹介される事があります。その時は誰もバブルだと思っていませんでしたが、今思えば異常に盛り上がっていた時代でした。
バブルの終わり頃、たまたまホテルの鮨屋で会食する機会がありました。初めての事もあってかなり気分が舞い上がって酒を飲み、腹が一杯になるまで食べたら会計が二人で5万円を軽くオーバーしていました。
バブルとは恐ろしいもので「ホテルの名店だし、こんなもんだろー」と自腹なのに何とも思いませんでした。
その時に初老の品の良い夫婦と思しき二人連れが入店し今日のお奨めは何ですかと聞き、4~5カンつまんで楽しそうに話をして20分程で帰っていきました。すごくスマートでした。
鮨というのは腹一杯食べるものではなく旬のものを軽く食べるものだと思い知らされました。蕎麦も鮨も粋な食べ方があるものです。今度からはそうやってカッコ良く決めてやろうと思っていたら、あっという間にバブルが弾けて回転しない鮨屋に行く機会が無くなりました。
すべからく成金と本物の差はこういう事なんだろうと思った次第です。