寂しがり屋のハーモニカ吹き。(障害者の日常生活)

レコード屋.....

年下の知り合いが好きなCD屋はタワーレコードだ。そしてディスクユニオンを悪く言う。タワーレコードは新しいし古ぼけて居ないと言う。果たしてそうか?「タワーレコード」も「 HMV」も最早古く成った。まあ、タワーレコードは品揃えではこの店に敵うCDショップはないだろうし、最近に成ってアナログ館を作った。

新宿駅直結のフラッグス内にあるTOWER VINYL SHINJUKU(タワーヴァイナルシンジュク)は、売り場面積約170坪。クラシックを除く全ジャンルを扱い、在庫数は約7万枚(うち中古レコード約4万枚)を取り揃える。解放感溢れるガラス張りの店内には、大型のヴィンテージスピーカーを設置。「アナログ・サウンドを聴きながら買い物を楽しめる」として居る。

中古レコード・CDを扱って居る。ディスクユニオンに対抗するつもりなのか。。。

オープン当時(1981年)のタワーレコード

TOWER RECORDS 渋谷店(80年代)
 
その後“渋谷の音楽”の象徴的なエリアのひとつになっていく「宇田川町のレコード街」の一角に、輸入版の専門店としてタワーレコード渋谷店はオープンした。
オープン当時の新聞記事
 
国内における大型輸入レコード店の先駆けとして日本進出、オープン当時は音楽業界に衝撃が走った。そして音楽ファンたちが最新の洋楽に触れるための環境も変化していく。タワーレコードの渋谷店、店長に聞いた。
ーーーーーー
――80年代の音楽業界はどう変わっていったんでしょうか。
 
タワーレコードなどの様な大型輸入レコード店が増えていくのと当時に、テレビでMTVが放映されるようになった。そこはリンクして居たと思います。新しい欧米のヒット曲のMVがテレビで流れて、それが流れた頃にはもう店頭でレコードが買えると言う。
僕が少年時代を過ごした60年代にはそう言う事はあり得なかった。アメリカでヒットした音楽が日本で聴けるように成るのは早くて3ヶ月後でした。

――MTVがスタートしたのは81年。80年代中盤には地上波でも番組が放送されて、マイケル・ジャクソンなどのアメリカのヒット曲がそのまま日本のお茶の間に届いていた時代でした。
 
僕は長崎が地元だったので、それまでもFEN(米軍極東放送網。1945年から在日米軍向けに放送されていたラジオ局)でリアルタイムでアメリカのヒットソングを聴いていましたが、そう言う事が出来るのは限られた人でした。下手したら日本ではレコードが手に入らない事もありました。

―― 60年代や70年代のアメリカのポップスは限られた人だけがアクセス出来るものだった訳ですね。しかし80年代、MTVと大型輸入レコード店が出来た事で、それが大衆化した。
 
そうですね。ただ、パイドパイパーハウスはそうじゃない処に行こうとしました。 それこそマイケルとかマドンナとか、そう言ったものはどの店にも大量に置いてある訳ですね。パイドでも初回はある程度並べるのですが、品切れになっても必死で補充することはしませんでした。
 
値段も大型店には適いませんし、それよりも僕らが好きな音楽、たとえばヴァン・ダイク・パークスとか、ドクター・ジョンとか、ローラ・ニーロとか、ジョニ・ミッチェルとか、ホーギー・カーマイケルとか、そういうものの在庫を切らさない様にして居ました。

――当時のパイドパイパーハウスはマニアックな場所だったと思いますか?
 
両面があったと思います。店に入って正面には売れ線のものも並べてある。ただ、一段奥に行くと別世界なんですね。そこに“趣味趣味音楽”というコーナーがあって、ほとんどラジオやテレビで流れないものを置いて居た。
でも、店でそれを掛けて居ると「これ、なんですか?」と聞いて買っていくお客さんが居るんです。高校生の様な若い子でもそう言う人が居ましたね。
長門芳郎
 

渋谷系のルーツは何か

――80年代中盤は、アメリカのヒット曲がMTVで日本に届く一方、イギリスでさまざまなインディーレーベルが勃興する時代だったと思います。
 
僕らはむしろそっちの方をプッシュして居ましたね。80年代のイギリスからはニューウェーブやネオアコが出て来て、「やっと出て来たな」という感じでした。音楽もお洒落だし、アートワークやデザインもレトロな感じだけど新鮮さがある。小西くんや信藤(三雄)さん、橋本徹くんもそのあたりに注目して居ました。

――そういったインディーポップを愛好する音楽好きが、渋谷に集って居た様な実感はありましたか。
 
ありましたね。 ちょっと遠回りしてパイドパイパーハウスによってみんな渋谷に集まる見たいな感じでした。
あとは桑原茂一くんがやっていた原宿のピテカントロプスとかにもよく行っていた。世代は少し違うんですけれど、茂一くんや、藤原ヒロシくん、橋本徹くん、小西康陽くん、インク・スティックの松山勲さんたちはみんな同じ時期にパイドパイパーハウスに来てましたね。

――90年代にかけての時代の変化についてはどう見ていましたか?
 
僕はパイドパイパーハウスをやりつつ会社を作って、海外のアーティストのコンサートを主催して居たんです。で、よく覚えて居る事があるんですけれど、89年にやったダン・ヒックスのコンサートに、小西くんや、フリッパーズ・ギターの二人や、ロッテンハッツや、その後90年代に活躍する若いミュージシャンたちが、みんな客席に居たんです。

――当時はまだデビュー前の人も多かったですよね。
 
そうですね。パイドパイパーハウスが閉店する日の夜に田島(貴男)くんがギターを抱えて「夜をぶっとばせ」を歌ってくれた時のことも鮮明に覚えてますね。店内にあった木の切り株のスツールの上で、ギターをかき鳴らしていた。彼も含めて、ダン・ヒックスやフィービ・スノウを観に来ていた若者たちが活躍していくようになって、何時の間にか、その辺の人たちを指して「渋谷系」と呼ぶ動きが出て来る様になったんです。

――80年代のパイドパイパーハウスから90年代の渋谷系は地続きでつながって居る訳ですね。
 
そうかも知れませんね。ピチカート・ファイヴが海外に進出してからは、海外のメディアからそう言う取材を受けた事もありました。
長門芳郎
 

タワーレコード渋谷店は天国のような場所

―― 改めて80年代の渋谷と音楽を振り返って、どう言う時代だったと捉えて居ますか?
 
やっぱりレコード・ショップ、CDショップが沢山できた時代でしたね。渋谷に行けば事足りる様になった。
これは海外のアーティストに取ってもそうです。僕が招聘して来日したミュージシャンが「レコードを探したいからホテルは渋谷にしてくれ」と言う様な事もあった。
世界的にもあんなにレコード・ショップが何十軒も並んでいる街はなかったんです。
あと、その後90年代になると、バート・バカラックやA&Mサウンズのような、日本で言うソフト・ロック、海外で言うイージー・リスニングの人気が出てくるんですが、大胆に言えば、その大元になったのは80年代に出た一枚のレコードだったのかも知れない。

――というと?
 
87年に日本だけで出たロジャー・ニコルス&スモール・サークル・オブ・フレンズのCD再発がなかったら、ひょっとしたら違って居たかも知れないと思う事もありますね。68年に出て、その後廃盤になって居たんですが、パイドパイパーハウスではカット盤を1000円前後で売っていて、それをミュージシャンや音楽関係者達がみんな買って居ました。アメリカ本国でもヨーロッパでも全く知られて居なかった一枚のレコードが再発されて、その嗜好や音楽性が、渋谷系のムーブメントを経て海外のマニアにも注目される様になった。

―― 過去の名盤を新しい感性で蘇らせる。そういう感性が渋谷系の基盤になったと言う事でしょうか。
 
ソフトロックだけじゃなく、モンドやラウンジ・ミュージックもありました。イタリアの映画音楽のようなマニアックな音源も若い人たちの間で聴かれた。そういう音楽を愛好する人たちが渋谷に点在するレコード屋に通って居た訳ですね。

――そう考えると、若い人が昔の音楽を掘り返すようなムーブメントこそ、80年代に生まれたカルチャーだったと言えるかも知れません。
 
そうですね。それが渋谷系の源流になったのかも知れない。大学生をはじめ、音楽家の卵たちが渋谷の中古盤店やタワー・レコードにリイシュー・コーナー目当てに通っていた時代でした。当時、来日したアメリカのミュージシャンを連れて、渋谷のタワーに行ったんですが、再発盤やイージー・リスニングのコーナーに若者が沢山居て驚いてました。アメリカだと昔を懐かしむ年寄りばかりなのにって。

――そういった趣向性は一時のブームではなく今も定着して居ると思いますか?
 
そうですね。今もそれは続いて居ます。去年からはタワーレコード渋谷店の中でパイドパイパーハウスをやって居るので、店に居ると判るんです。
若い女の子がアナログを熱心に見て買っていく。それに、毎日数十人の海外のお客さんがやって来るんです。そういう人たちが沢山のアナログレコードやカセット、日本でしか出ていない再発CDを買っていく。
洋楽だけでなく、はっぴいえんど、ピチカート・ファイヴ、山下達郎、坂本龍一のような日本の音楽も買っていく。タワーレコード渋谷店は天国のような場所なんでしょうね。いろんな国の言葉が飛び交っていますよ。
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