昭和41年卒業 飯田組

クラスメ-トの近況報告

3- まもり けいご

2011-08-05 08:46:34 | 日記

   衛 恵悟 (まもり けいご)

 

 

 

彼は いつも青春の匂いがしていた

青くさい‘70年代の青春の匂いがしていた

 

シャイで純情で、繊細で不器用で、思いこみが激しくって

ワガママで、負けず嫌いで、強くって、弱くって、自分勝手で

一人が好きで、でも人恋しくって、寂しがり屋で、面倒くさくって、

優しくって、幼くって、可愛い奴だった

 

 彼が就職していた京都時代、絵の道に進むんだ!と決め

そのために借りたというアパートへ行ったことがある

デッサンや油絵でゴチャゴチャの狭い部屋で芸術論をぶっていた

その数年後、やっぱり大学へ行かんと何もわからん、と

勉強を始め、同志社大学に合格したものの

家の事情で帰郷せざるをえなくなり挫折

20代の終わりから イラン へ2~3年、出稼ぎに行き

それ以降は写真をライフワークとして

晩年まで真摯に向き合い続けた

暇さえあれば日本全国、特に冬の東北地方撮影行は恒例行事で

チベット、ネパール、中国まで足を延ばしている

撮影行のエピソードは写真といっしょに、帰るたびに聞かされたものだ

心臓を患い手術の数年後、今度は重度の難病に罹り

写真を撮ることも叶わず、多くのカメラが

廊下に放り出されたままになっていたのが哀しかった

 

衛とは一緒に旅行をした、バイクでツーリングもした

青臭い無責任な芸術論やら小説やら映画やら旅やら

男やら女やら節操なく何でも話す というより、言い合い

それで喧嘩もよくした

  

何の連絡もなく、フラッと いつもの旅に出るように 

寒い季節に 逝ってしまったらしい

ボクが油断してるあいだに

戻ってこれない所へ旅立ってしまったらしい

彼の見送りはしていない

 

 逝ったのを、ボクは自分の目で確認していないから

今でも、好きなクラッシックの C D を片手に < ヨッ! > と

片手をあげ、ここへ顔を出すような気がしている

いつだったか

< 会いたい時に会えるのが友達だろ! >

 なんて言ってたけど

会えなくなっても友だちか・・・・・