世情余情口端歌

物忘れ咄嗟の行い訳わからず

それ認知症か　余命望まず

世情余情口端歌

美しも美し妖し死神に惹かれゆく

亡妻(つま)に戻されまた生き地獄ぞ

世情余情口端歌

通院の医師の交代止むを得ず

同じ資格も仁術如何かと

世情余情口端歌

バス停へ急ぎ着きたれば欠便の

告知冷たく客を足止めす

世情余情口端歌

九十余年心を自在に働かせ痛めつけ

今にしてこころ瘦せ失すがごと