世情余情口端歌

散乱の各社の新聞寄せ集む

始末に困る古紙また放置

世情余情口端歌

新聞をめくる翁の指の節

各隆起せしは反骨の様ぞ

世情余情口端歌

清貧も老体熟しこころ折る

自活も限度いまさら悔やまず

世情余情口端歌

たましひは触れあひながらとこしへに

マリモのごとく密やかならむ

世情余情口端歌

農道のポプラのすゑを見あぐれば

それより空の区切り遥かなりや