世情余情口端歌

杜若全く朽ちてうらさびし
　　されど凛々しき容姿わすれじや

世情余情口端歌

夜半の雨家ごとの屋根洗うては
　　窓に射しいる日をかがやかす

世情余情口端歌

引越しの女あるじの荷づくりは
　　故事の品ほど片付けなさず

世情余情口端歌

認知症すすみ薬の飲み忘れ
　　さへも知らずは先あやうけれ

世情余情口端歌

さみだれの繰上げ法要型どおり
　　朋は幽界しどろもどろに