悲しみのただよふ風にひたりゐてもとむるものは明日の光
花を折り君の心を苦しめて過ぎて帰らぬわれをぞ恥づる
野の道を花をめでつつそぞろゆけば彼方に君の袖ふるを見る
すみのぼる月をあふぎてむらきもの心にけむるうれひを消しぬ
降りやまぬ時雨の野にはてんてんとちひさき花の灯りてうたふ
再びとあへぬ人をぞ思ひつつ木陰の道をひとりゆきけり
わたつみの彼方に月はのぼりきてしづかに影の身にしみとほる
高光る日を眺めつつ君思ふ我が身のうちに凝るさみしさ
野道ゆき逃ぐる心を押しとどめ君の心をとはむとぞする
ふるさとを思ひつつ野の道ゆけば寂しき胸に降る日の光
いはざりしことをいはむと君をおひ焦りて進む森の道かな
白雲のわきたつ空をあふぎつつ人の望みをうたふ朝かな
とほき日に君の思ひを聞き逃し失せし望みを悔ゆる春かな
野にありて君を思ひて花をつみ恋のさだめをわづかにうれふ
光散る野辺にいこひてとほき日の君の影をぞ風に見る昼
かしのみのひとりゆきつつさみしさの身に迫りくるゆふぐれの道
日を浴みて窓辺にいこふ君の背を見つつちひさきさいはひを知る
かぎろひの春の日影を身に浴みて心にしむるかろき寂しさ
在野の無名歌人です。当ブログの管理人は幽霊です。ばかなことをしたら、たたりますよ。
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