白雪の積もる荒れ野にひとり立ちとほき空飛ぶ鳥の声聞く
はるかにもとほき夕日を我が細き指にてつまむたはむれの時
ゆふづつの高きをあふぎあしたゆく道をうらなふゆふべなるかな
荒れ野ゆく道なき道のはたを見てちひさき花の色を見出す
月影にけふのうれひもとけゆきて明日の我が身の望みをうたふ
けふ咲きてあした散る身の花なれど思ひ出にこるあしたの契り
朝の空かすむ日を浴み道をゆくひとりのわれのさみしさを見る
冬の日のあはき光は降り注ぎ雪道をゆく寂しさにそふ
全身に帯びるかすかな電流を吐くところなく思ひはめぐる
月を浴みかすかな歌を口ずさみとほき人をぞ思ふ夜半かな
わたつみの果てを眺めてのぼる日を浴みつつ胸の重みをのごふ
すくひなき憂き世と見ては己が身のほろびをねがふ人の悲しさ
ゆふぐれのあはき光の目をさしてとほき君への思ひに悩む
たらちねの母は遠野のいほにすみわれを思ひて菜をたくらむぞ
暗き野をゆく人影をとほく見て思ふ人かと名をおらびたり
あまつそら清き心をうたひつつかへる声こふあをきことのは
こひごころとほき道をぞたどりつつ君の情けのうすきに悩む
消えたきと重きおのれをよこたへて窓の月をぞ見る夜更けかな
在野の無名歌人です。当ブログの管理人は幽霊です。ばかなことをしたら、たたりますよ。
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