タイのドラマや俳優さんたちを見て、なんだか懐かしい気持ちになるのは何故だろう?
私はタイ沼に『2gether』から入ったのだけど、初めて見る世界ながら、どこか懐かしい気がしたのを覚えている。
歩くルーブル美術館と言われるBrightくんでさえ、どこかで見たことがあったような気がして……。
でも、自分の記憶を辿ってみても、あんなイケメン、いるわけもなく。(笑)
勝手ながら、今までの歴代アイドルの成分が良い感じにブレンドされているのかな……と思っている。(異論あるだろうけど、仕草なんかはキム○クさん、全体のシルエットは○Jさん、首の長さは羽○くん、etc……まあ、でも実体はルーブル美術館だけど😁)
さて、動物行動学の本でこんな話を読んだことがある。
ある鳩の実験。鳩に色んな同種個体の写真を見せて、どの写真を長く見ているか調べる研究。
結果、1番長く見ていたのは自分の写真。これはわかる。
では次に長く見ていたのは?
これが、自分の従兄弟にあたる血縁関係の個体だったという。
自分に似ているけど、ちょっと違う。
そういう対象に興味がいくということみたい。
確かに気になるよね。
どこか知っているような、でも知らない相手。
逆に、あまりに自分に近い親や兄弟は、興味がわかないみたい。
でも、従兄弟ぐらいに離れていると見たくなるんだな、これが。
知らないけど知っているような感覚。
えと……誰だっけ?となる。
そりゃ、ずっと見ちゃうよね。
人間と鳩を同列にしちゃいけないけど、なんかわかる気がする。(笑)
ビジュアルから感じる親近感。彼らに抱く、ほんのり懐かしい感覚……。だから、彼らから目が離せないのかも。
もちろん、懐かしさのもとは人間に対してだけじゃない。タイという国の雰囲気がちょっと前の日本を思い出させるのだ。いわゆる昭和み。(いやちょっと前じゃないか。30年以上も前だわ。)
不安定な政治情勢ながらみんな一生懸命生きていて。年長者を敬い、子どもを可愛がって……。日本にも少し前まで当たり前にあった光景だ。
『D』の俳優名鑑のQ&Aを読んでも、いつか叶えたい夢として、経済的な成功、つまり財を成すことを挙げている人が多かった。まっすぐに、お金を稼いで成功したいって言える空気が、タイにはまだあるんだな〜と思った。きっと身近にそういう成功例があるんだろう。同時に、格差が大きいことも窺えるけれど……。
新型コロナで世界が得も言われぬ不安に包まれた2020年。日本でタイのドラマが受け入れられた一因として、〈懐かしさ〉という、ある種タイムトリップ感の側面もあったのではないかと私は考えている。