新年早々、泣きました。🥲
今更ながらアマプラで映画『CLOSE/クロース』を見ました。
こういう映画、良いですね〜。
台詞じゃなくて映像で見せていく。その分、見ている側は色々想像しなきゃならない。人によってはそれがじれったい…わけわかんなくてイヤ💦…っていうこともあるかもしれないけれど、この映画で描かれるテーマには合っていると思いました。
説明的な台詞や場面がないのでドキュメンタリーを見ているような、見ている側もその場にいるような不思議な感覚になる撮り方なんですよね。でも映像の中には情報がいっぱい。
以下、ネタバレありです。
思春期の男の子ふたり、レオとレミ。本当に仲の良い、友達以上、兄弟未満の関係なんだけど、中学入学と同時に同級生たちに恋愛関係を疑われてしまう。他人の何気ない言葉が、ふたりの関係を変えざるを得なくさせる……。
言葉って、我々が思う以上に重要なものなのです。水面に投げられた石のように、その言葉たちは波紋を作りふたりのこころ(主にレオの方)を波立たせます。そして、ある日突然、前触れもなく別れが訪れるのです……。
ちゃんと自分の素直な気持ちを言葉に変換していれば、そしてそれをちゃんとレミに伝えていれば、悲劇は起こらなかったんじゃないかと思うのよね……。 😥
そして、忘れちゃいけないんだけど、頭の中で何かを考える時、私たちは必ず【言語】で考えているんですよね。言語を持たないと感情や思考を論理的に整理することは難しい。💧自分の中のもやもやしたものが何かも分からなくて、不安や苛立ち、焦燥などマイナスの感情に振り回されるようになってしまう……。 🌪️
この物語のレオならば「レミとの友情は変わらない、でも変な目で見られるのは嫌だ。ちょっと距離を置いてみない?」「お互い新しい友だちともっと知り合うことも良いんじゃない?」
……とか、言葉にして言うべきだったと思うのよ。その結果、レミからどんな言葉が返ってくるかはわからないんだけどね。もしかしたら、彼の方は友情以上の感情を持っていたかもしれない。(個人的にはそうは見えなかった。)それでも、お互い心の内を言葉にすべきだったと思うのよ。
ノンバーバルコミュニケーションだけではやはり伝わらない。😞
でも、それが出来ないのがこの年頃の男子なのかも……。個人差はあるだろうけど。女の子の方が言葉の発達も早いというし、脳の性差という要素もあるかもね。
映画としては
レミの両親を招いての食事の場面。
レミの部屋に積まれたCD。
レオの家業である花の収穫から植え付けまでの作業。
映像から伝わるものがいっぱいあった!!
会話の中で、あったはずの息子の将来に涙があふれてしまうレミの父親。
もっともっとレミが聴くはずだった音楽。
季節の移り変わりを土の匂いと共に過ごし徐々に調律されたであろうレオのこころ……。
その他にも雄弁な映像がめちゃめちゃ私のこころに刺さりました。
逆説的だけど、言葉でないもので揺さぶられると私には響きます。😭
それにしても、この撮り方に耐え得る俳優さんたち、みんな凄いな!!カメラの存在全く気にならないんだね。
台詞の応酬を楽しむような映画やドラマも面白いけれど、この映画のように映像で語らせる作品って本当に好き。映画を見る醍醐味だと感じるのです。☺️