A collection of epigrams by 君塚正太

 君塚正太と申します。小説家、哲学者をしています。昨秋に刊行されました。本の題名は、「竜の小太郎 第一話」です。

宮沢賢治のすばらしさ

2007年01月31日 04時26分18秒 | 思想、警句
 私は宮沢賢治の作品が大好きである。特にすきなのが、その文体である。人間の悪い面を巧みに表現する。ここまでくると宮沢賢治に敬服するしかない。そして彼の作品のほとんどがインスピレーションによって書かれているために読みやすい。
ショーペン・ハウアーの言葉を借りれば、「書物とは一気に書かれるのが望ましい。長い年月をかけて書かれた本はあまり良くない。」とある。私はこの意見が正鵠を得ていると確信している。本を書いていて、それ以外の事を始めると気が散って、文章の脈絡がうまい具合に調節できなくなるのである。
 ニーチェは「ツァトゥストラ」を三週間前後で書き終わっている。これは一般論を持ち出しても解決しない。確かに、ニーチェは天才であった。詩人、哲学者であったニーチェはこの作品でたくみに倫理観や心理学的なものを顕現している。
 そしてこれは宮沢賢治についても言える。彼の作品の場合、深い洞察を基に作品を制作している。それも一気に思想を爆発させているのである。これがいわゆるインスピレーションの所産である。
 そして何より宮沢賢治の作品を眺めていてすばらしいのは背後に隠された。背徳行為や差別などを風刺している事である。
 これらが宮沢賢治への見解である。ぜひ文学者になろうとするものは、この本を読むべきである。









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