「さらば武蔵」稲葉稔
角川文庫1034円(税込み)
ネタばれ注意で、離しますね。
島原の乱が第一話という妙な武蔵ものであります。
なんとなんと武蔵さん。
38ページにて大ダメージを負います。
一揆軍の投げた石が、右足に当たったのです。
43ページでは・・・・
刀を振り上げられても、
運を天にまかすように胸の前で十字を切り、
両手を合わせている。
その顔には微笑さえ浮かんでいた。
45ページ
(おのれは、喜んで殺され死んでいく百姓や
女子供に負けたのではないか・・・・・)
そして、熊本に行き、
弟子や熊本の殿や女中の清さんと幸せな
生活を送りながら『五輪書』を書き上げるという・・・・。
武蔵は、結局、
島原の一揆の人たちの境地に
達したのだろうか?
それとも、最後まで分からなかったんだろうか?
と読みながら考えさせる作品でしたね。
細川の殿様は両方優しかったですね。
そうそう、
は、ちゃんとふなしまと書いてありました。
それにしても、最後の方は、
ある方に狙われてハラハラしながら読んでいました。
いや。無敗なんだから、ハラハラする必要はないのですが、
もうご老体で、一揆軍の石に当たるほどのまぬけさんですから、
なんぼ本人が無敗と言ってもね。そりゃね。
病気にもなってますし・・・・(笑)
ではではっ。