一日のはじまり 薔薇の香り ほの
夕さりの音読 お姉ちゃんは 昼寝
五月闇 見透かされそうな 小さき嘘
月曜日、不機嫌に登校していった孫。
「ばあば、友達にわざわざ、お待たせしました、とか言わんでいいから。」
内心、待たせたらお待たせしました、は当たり前でしょ。とは思ったが…。
朝から嫌な思いをさせる訳にはいかない。
孫たちの後ろ姿が角を曲がったの、確認してから、隣の薔薇を写メ。(また、やってもうた(笑))綺麗なピンク色の薔薇、これはもう写メ撮るっきゃない。香りは実はわからない。そんな余裕はないから。😅
妹と友だち三人で仲良く下校してきたが、朝の不機嫌さは、とうに忘れて、ランドセルを家に置いて来た友だちと、キャッキャッと遊び始める。
とはいえ、学校から帰宅して来たのが4時半。あまり遊ぶ時間はない。
五時過ぎ、そろそろ夕飯など家事をしに下へ降りて行くと、下の孫。音読を聞いてという。外でしようかな。と言う。
良いよ、外気持ちいいもんね。
と言えば、
お姉ちゃん達、寝てるから。
えぇっー?
なんと、上の孫とお友達、フローリングの上で仲良くならんですやすや。(写メは撮らず。)
疲れてるんだろうなとそのままにしておいたら、五時半をとうに過ぎたころ起きてきた孫、
あー、ばあばごめん、五時半過ぎちゃった。とほんとにすまなさそうに言う。友だちは何だかまだ寝ぼけ眼。お邪魔しました。と帰っていった。
大丈夫?気をつけてね。と言えば、はーいと。(笑)
この子はおとなしくて礼儀正しい子。なんか我が家が居心地が良いのだと言う。ちょっと嬉しいばあば。五時半にはお互い帰宅の時間ね、と約束はしてるが良いではないか。おばあちゃんの家だから。
夜、入浴を済ませ、さて寝ましょうと言う時間。ちょっと待って。手紙を書くから。すぐ終わるからね。と孫。
三月に、亡くなった級友に宛てる手紙を書くと言う。
はっとする。三月、春休みすぐにクラスの連絡メールで、長く闘病生活をしていた子が亡くなったと訃報が届いた…。
娘からその話を聞いた時、孫は長崎のおじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに行っていた。
人一倍感受性の強い孫。
2年生か3年生の頃我が家にも遊びに来ていた仲良しの子だった。
クラスの、皆と一緒に何度も手紙を書き、いつの日か又学校に戻り、遊んだり勉強したりしようね、と約束していた。
孫は固くそれを信じ、待っていた事だろう。
娘も娘婿も、迷い悩んだ。
又ショックで、あの子自身が立ち直れないじゃないかと。
この話、ばあばからしてくれない?と、当時娘から言われてた事を思い出した。
腰が引けた。自然に友だちから、あるいは学校がはじまりなんらかの形で、聞く方が良いじゃないかと、結局伝えず先送り。忘れていた…。
ばあば、⚪︎⚪︎ちゃん、覚えてる?
亡くなったんだ。だから手紙書くの。おうちの人に渡してくれるみたい、先生が。
うっ!思わず出た言葉。
「えっ?そうだったの?知らなかった。いつ?
いつ聞いたの?」
四月、始業式の日、放送されたの、と言う。
思わずついた嘘。小さなしこりとなって今も、どうしようと思い悩んでいる。