いろいろ虹色日和

虹は七色、心もいろいろ。
日々の様々な色や大好きな事&物を綴っていこうと思っています。

ヒョンビン主演「愛してる、愛してない」コラム

2011-03-10 21:38:46 | ヒョンビン
↓こちらイノライフさんDr.Movie自由コラムより

  彼と彼女は本当に別れられるだろうか?‐愛してる、愛してない‐ 





[映画観覧前]
俳優に対する好感度★★★☆
予告篇に対する好感度★★★

いつもと変わらない、ある日。
出張のため空港まで送ってもらう車の中、彼女(イム・スジョン)は、
まるでジュースの缶でも差し出すかのようにだしぬけに、男が出来たから家を出ていくと言う。
一度も理由を聞かなかった彼(ヒョンビン)は、新しい男が迎えに来ることになっている日、
荷物をまとめる彼女のために大切にしていたカップを包装してやり、おいしいコーヒーを入れてやる。
今日が最後だと思っていたのに、荷造りの途中、一緒に作った記憶や思い出をよみがえらせる物が続々と出て来て、
その度に別々の場所にいた2人はお互いの空間を探す。
慣れ親しんだ時間が流れるにつれ、次第に彼の優しい配慮にイライラする自分に戸惑う。
本心の見えない彼は最後の食事をするためレストランを予約し、一緒に出かけることにする。
1日中降り続いた雨を避け迷子になった子猫が、家に入ってきて隠れてしまったことを言い訳に、
雨のせいで断たれてしまった橋を言い訳に、2人はもう1日一緒にいることになる。
彼と彼女は本当に別れることが出来るだろうか?


2人の主人公は、まだ愛という感情は残っているが、すでに遠ざかった互いの距離を縮められないことを知る。
映画は、自分の感情を隠して黙って別れを受け入れる彼らの姿を通して、別れに対処する人々の風景を静的に見せる。
劇中の場面はまるで、葉っぱ一枚一枚を取りながら愛してる、愛してない、愛してる、愛してないと数えている過程のようだ。
最後に残った1枚は果たして愛してるなのだろうか?愛してないなのだろうか?



別れを前にした夫婦の心理を追う映画は、2人の人物の感情変化をなかなか表わさない。
まるで迷路に閉じ込められたように、別れの痛みとつらさを見てとることが出来ない。
監督は、人物の表情と動きの代わりに彼らの思い出が染みついた物に感情移入させる。
彼と彼女が本を作るために一生懸命練習したパスタの料理本、
彼が彼女に贈った木彫りの人形などは、彼らの眠っていた、縮んでいた感情を呼び起こす。
唯一の空間である家と降りしきる雨は、愛と離別の分かれ道で向き合っている2人の人物の心理変化を代弁している。
彼らは居間を除いては、それぞれ別の作業室を持っている。
彼女の作業室である2階の書斎は、本が整理されていて冷たい別れのイメージを与え、
彼の作業室である地下室は、無くなったとばかり思っていた思い出の品々が発見され暖かいイメージを与える。


しかしじめじめした雨が与える重たい雰囲気と共に、
極端なシーンはなく淡々と流れていくストーリーは、全般的に鑑賞しづらい。
友情出演したキム・ジスのおとぼけ演技が沈んだ雰囲気をしばし転換してはくれるものの、
そう長くは続かない。正直に言うと、退屈感は否めない。
登場人物はほぼ2人であり、背景も全てが彼らの家である。
いつからか、私たちはハリウッド式アクションやストーリーのはっきりした映画に慣れてしまったのかもしれない。
反対にそういったハリウッド式映画が陳腐に感じたり、
久しぶりに自分も知らなかった繊細な感情を呼び起こしたいのならば、最適な映画ではないかと思う。



[鑑賞後]
俳優に対する好感度★☆
映画に対する満足度★☆

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