九州の阿蘇地方で、死者が蘇る(黄泉がえる)という現象が多発。彼らはゾンビや幽霊の姿ではなく、死んだ当時の姿のまま、自分の事を想い続けてくれた人の前に、ある日突然現れた。まるで何事もなかったかのように黄泉がえってきた、最愛の夫、恋人、兄弟、はたまたいじめを苦にして自殺した高校生。彼らを目の前にして喜ぶ家族、そして戸惑う周囲の人々。彼らは一体、何故、どうやって戻ってきたのか!?厚生労働省に勤務する川田平太は、自分の故郷で起こったこの不思議な現象の調査に乗り出す。
原作は死者が数千人で蘇るという大掛かりで奇抜なアイデアを持ちながら、群像劇で多層的な構造で映像化が困難だったが、今回映画化にあたり「金髪の草原」など脚本・監督で知られる犬童一心のシナリオで、芯となるストーリーが確立した。故郷で起こった奇妙な現象を調査する厚生労働省の川田平太と、死んだフィアンセの黄泉がえりを願う女性、橘葵とのラブ・ストーリーがこの映画のテーマをより鮮明にする。主役の平太役にSMAPの草なぎ剛、ヒロインの葵役に竹内結子を起用し、若手実力派の組み合わせが実現。監督は、「害虫」で2001年ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に選出された塩田明彦。