雪組『浅茅が宿~秋成幻想~』『ラヴィール』1998/12/22(火)1000days劇場 B席7000
下総の国葛飾郡眞間の郷に勝四郎という男がいた。彼は 京に上り一旗揚げたいという夢を持っていた。竹馬の友曾次郎が、都の執権の庁に使える少将時貞を訪ねてみないかと、声をかける。勝四郎は夢を叶えるべく都へ旅立つ決意をする。母と、許嫁の宮木に「家の桜が三度目の花を咲かせる頃には立派になって帰ってくる」と誓う。旅立ちの日、宮木は勝四郎に鎮守様のお守りを、勝四郎は子供の時から大切にしていた笛を形見に宮木に渡ししばしの別れを告げるが、実は、宮木のおなかには、勝四郎の子供が宿っていた。勝四郎と曾次郎が都に着いた日、紀の国は、県の姫眞女児の行列に遭遇する。勝四郎は、怪しげな魅力を持つ眞女児に自然と心惹かれていく。しかし我に返った勝四郎は再び曾次郎と、時貞の元へと急ぐ。途中、あやし身なりの法師に、他人を信じてはならないと忠告を受ける。時貞に面会した勝四郎と、曾次郎は、時貞の下で学問や武術を学ぶことを許される。ひどい雨が降るある日のこと、勝四郎は偶然眞女児と出会い、傘を持っていない眞女児は、勝四郎の傘を受け取り、後日屋敷に来るよう言って去る。それから数日後、勝四郎は、屋敷を訪ね、手厚い持て成しを受け酔ってしまう。眞女児は、勝四郎に迫り、黄金の美しい太刀を与える。勝四郎が気づいたとき、あの法師がそばに立っており、宮木が別れ際に渡したお守りを肌身から離してはならないと、告げる。その頃、東国では、鎌倉公方と上杉の間に争いが起き世の中は騒がしくなっていた。曾次郎は役人を辞めて侍となり手柄を立てて出世しようと考えていた。そこへ黄金の太刀を持った勝四郎が現れ辺りは騒然とする。曾次郎が問いただそうとした矢先、時貞が数馬、保重を引き連れやってくる。勝四郎の手にしている太刀が先日関白家の宝物殿より紛失した物だと知り、一同驚く。盗みの疑いが勝四郎にかかるが、曾次郎の提案で、眞女児の屋敷に時貞達を案内し、無実を証明することになるのだが・・・