昔話をしよう・・・

ブラウンのベンが魅力ある声でゆっくりと語る・・・

「僕の住んでいたスコットランドの古い屋敷には、馬小屋があって僕の馬もいた。お爺様の馬とよく並んで敷地内を散歩したんだ。叔父様の屋敷は古いお城で庭が素晴らしかった。綺麗な薔薇がたくさん咲いて、庭中良い香りが漂っていたっけ・・。」

そばにいた双子のmemeとpepe　が静かに聴いている。
memeは４人の子供を育てながら、孤児院から二人の子供を引き取って面倒を見てきた。
「私はね、世界中の子供達がいつも笑顔で幸せに暮らして欲しいと願ってきたわ。お金ではないのよ、愛されているという実感を心から感じなければ、生まれてきた甲斐が無いじゃない。
だから、子供達を心から大好きよ！って抱きしめてあげるの・・・」

すると、涙を一つ落としながらpepeが口を開けた。
「私は人が羨むくらい社交界で華やかな生活を送ったわ、でも心は満たされなかった。傷ついても強がって笑顔で耐えていた・・。本当は涙が出るくらい辛いことが何度もあった、そうまるでピエロのよう。深過ぎる傷は一生消えることは無いわ、華やかさも傷も両方を抱えて生きていくのよね・・平凡・・一番いいのかもしれないわ」

そこには、ほんのりと薔薇の香りが漂っていた・・・


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