エリア55レポート 

趣味を追求するオタクな日々

「刑事マシュー・ヴェン 哀惜のうなり」②

2022年03月08日 | 海外ドラマ
ネタバレを含むので先にコメントのお返事を
**コメントありがとうございます
mimi さん
「ナイル殺人事件」どうでしょう?
最近はあっという間に映画の公開が終わってしまって見逃しがちですよね^ ^;
トリの帽子可愛く仕上がりましたよ!(≧∀≦)




昨日書いた記事が自分では思っていなかった誤解を招くことがある
可能性に気付いたので補足します

ドラマ開始1分ほどでわかることなので
書かなくてもいいと思っていたことと
珍しく何の事前情報も仕入れずに自分が見て
ひどく引き込まれて離れられなくなったドラマだったので
昨日の記事では一言も触れませんでした

それはマシューがゲイだということです
そしてドラマはそのことが深く彼の中で影響していることが
事件と並行して描かれています

私はこのドラマのセールスポイントの一つが「ゲイ」だと思っています
しかしそれをウリにする必要はない完成度を持っているので
安っぽいウリにしたくないと思い昨日は触れませんでした
ですがその後もしかすると「ゲイ隠し」していると誤解する人がいるかもしれない
ということに気づきこの記事を書くことにしました

「ゲイ隠し」で見てもらおうと思ったことはありません
むしろゲイをアピールすることで興味を誘うことになると思っていました
少数者にスポットを当てたドラマというウリです
しかしそんな宣伝文句は必要無いと思っています



ここからはドラマの内容に触れますので
ネタバレしたくない方は読まないでください

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冒頭の雰囲気でマシューの母親の属している教会が「変」なことに気づきます
お葬式なのに普段着で頭には三角巾を身につけているからです
その母親がマシューを見つけ彼を追い払いにきます
もうこの時点でマシューに言葉は無く孤独に涙するだけ
彼がカルト教団の中でどう扱われていたのか
また母親との確執もわかります
その後もずっとマシューと教団、母親との問題が
事件と並行して描かれますが
事件とマシューのプライベートな問題が
非常に上手く絡み合いながら描かれていくところが秀逸です
必然性をしっかりと感じさせながらも
事件そっちのけにならない配分などが絶妙です

ドローン撮影の俯瞰構図の景色の映像も
ただ美しさを描くだけでなく孤独感も表現していると感じました

マシューは捜査官としては非常に優秀でリーダーシップもある人物ですが
彼個人の問題になると非常に脆く外に出すことを警戒しています
彼は母親との会話でも言葉を飲み込みがちです
かつて自分の意見を述べて教団から異端者とされた経験からでしょう
その言葉を飲み込む苦しさをベン・オルドリッジという俳優はとても見事に演じていると思いました

ベン自身ゲイだということをドラマの制作発表前にカムアウトしています
そういった経緯を見ると彼自身の経験が少なからず演技に反映されていると思いました
微妙な心理をセリフ無しに演じている彼の演技力に引き込まれたわけですが
バックグラウンドを知れば納得できるのでした

これらの一連の事実は知らなくてもドラマの価値は充分に伝わります
そう考えてあえて「ゲイ」という言葉を一言も書かなかったのが
ご理解いただけたでしょうか


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