寒さに負けない10の秘訣! 冬の装備編
沖縄でも12月から翌年2月にかけては、冬のダイビングシーズンとなります。 毎年ケラマ諸島に子育てにやってくるザトウクジラの群れや海の宝石ともいわれるウミウシも冬がベストシーズンの生物です。
冬の海の代名詞ウミウシは寒くなると徐々に増えだします(左) ザトウクジラの大ジャンプ! ケラマ諸島への行き帰りに遭遇する可能性あり!(右)
これらの生物を冬の沖縄で満喫するために欠かせないのが防寒対策となります。 暖かい沖縄の海では12月~2月の水温は23度~21度もありますが、陸やボート上では北風が強くなるため、しっかりとした防寒対策が必要となります。 ここでは快適で安全な冬のダイビングの為に、スーツを初めとした装備のポイントをご紹介したいと思います。
ウェットスーツ? ドライスーツ?
沖縄の冬(12月~2月)はウェットスーツとドライスーツどちらが良いのでしょうか? 2000年頃まで、沖縄のほとんどのダイバーが冬でもウェットスーツでした。 しかし今ではドライスーツの快適さが認知され、多くのダイバーがドライスーツを利用しています。 冬の沖縄でダイビングする場合、それぞれのスーツにはどのような利点や欠点があるのかを考えてみました。
- ドライスーツ
保温性、暖かさを重視するのであればドライスーツに決まりです。 スーツの中に水が入ってこないため、水中はもちろん、ボートに上がってからがとても快適なのです。 体が乾いていると、陸上の風も気になりません。 特に水中写真や、のんびりとフィッシュウォッチングなど「動きの少ないダイビング」には最適なスーツとなります。 しかし、ドライスーツを使いこなすにはちょっとしたコツが必要です。 初めてご利用の場合には、必ずレクチャーを受けてから使用するようにしてください。またリベルテではドライスーツのレンタルサービスも行っております。(沖縄でドライスーツレンタルはリベルテを除いてほとんど行っておりません。)
- ウェットスーツ
使いやすさ、動きやすさを重視するのであればウェットスーツに決まりです。 スーツの中に水が入ってくるため、ドライスーツよりも保温性に欠けますが比較的ウェイトも少なくできるため「動くダイビング」にはウェットスーツをお勧めいたします。与那国島のような流れの速いところでのダイビングでは冬でもウェットスーツを着用します。
左がドライスーツ、右がウェットスーツです。ドライスーツはブーツまで一体化しており
、中に水が入りません。 一方、ウェットスーツは手首足首、首から水が浸入してきます。
ポイント1:ドライ、ウェットの選択はダイビングスタイルに合わせて選ぶ
このようにスーツにはそれぞれの特徴がございますが、どちらのスーツを選ぶにせよ快適にダイビングするための装備(ダイビンググッズ)が必要となります。 それはどのような装備なのか?ウェットスーツ、ドライスーツそれぞれ冬の快適グッズをご紹介したいと思います。
冬のドライスーツの必需品
- インナーウェア
ドライスーツを初めて利用する方の多くが「中に何を着れば良いのですか?」と疑問に思うようです。ドライスーツは水中に入ると体がドライスーツによって締め付けられるため、ファスナーやボタンなどの凹凸が無い洋服を着用します。 凹凸があると、その部分が体に当り痛くなってしまうからです。また、できるだけ浮力のない乾きやすい素材を選ぶことも重要です。
ポイント2:ドライスーツのインナーは凹凸がなく、乾きやすく、浮力の出ないものを選ぶ。
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- トップス
・襟の無い長袖シャツや長袖トレーナーを選びましょう。 タートルネックやYシャツなどの襟のあるタイプのシャツは適していません。 Tシャツなどでも代用できますがドライスーツが直接肌に接しないほうが保温効果をUPできます。 また、水没(ドライスーツの中に水が入ってきてしまうこと)した場合のことを考えて、着替えを1セットご用意いただくと良いでしょう。
- ボトムス
・スポーツ用のシャカパン(*)、スウェット、ジャージなどが良いでしょう。 長ズボンで、ドライスーツに直接肌が接しないようにします。 ジーパンのようにゴワゴワしたものは、水中で動きにくくなりますので薄手の乾きやすい素材をお選びください。 (*シャカパンとはナイロン生地のスポーツウェアのパンツの事です。 歩くとシャカシャカと音 がするのでシャカパンといわれています。)
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- ソックス
・長めのソックスを利用します。ズボンの裾をソックスの中に入れるため長めの靴下が必要です。 これはドライスーツの中でズボンがまくれ上がることを防ぐために行います。
左のような長めのソックスをお選びください。 右下のようにズボンの裾をソックスの中に入れます。
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- ドライスーツ専用のインナー
・最もオススメするのがドライスーツ専用のインナーです。 保温性が高く、乾きやすく、浮力が無い素材を利用し、ドライスーツを着用したときにも快適に運動できるようなデザインになっています。 ドライスーツの性能を100%引き出すためには必須のアイテムです。
透湿性、撥水性、保温性、ストレッチ性に優れた繊維「ザムザ」を使用したドライスーツ用インナー。
表面からは水分をはじいて風を通さず、肌表面からの湿気は外に逃がします。ソフトな着心地に、
機能性を重視したデザインで、動きやすさと快適性も両立。
ポイント3:ドライスーツの性能はインナーの良し悪しに左右される
- フード
体から発せられる熱の約半分は、首から上から放出されます。 極端に言えばスーツを着ていることと、首から上顔、頭を覆うことは同じ保温効果があると言えるのです。 ドライスーツの場合は、首と頭を覆うフードを利用することになります。ネコやニワトリをデザインしたアニマルフードなどもあり、暖かいだけでなく、ダイビングをより楽しくさせてくれるグッズです。
楽しいアニマルフード! 水中でカッパを見たという噂が広がるかも・・・
ポイント4:暖かいダイビングは首から上を暖める・・・
- ウェイトベスト
ドライスーツはウェットスーツと比べて、ウェイトが多く必要です。インナーにも左右されますが、身長170cm、体重60kgの男性で通常8~9kgのウェイトが必要となります。 これを全てウェイトベルトでまかなうと、腰に大きな負担を与えることとなるため、ウェイトの分散を考える必要があります。 腰の負担を分散させるための解決策には、ウェイトベストのご利用をお勧めしております。
アンクル1kg + ウェイトベルト5kg + ウェイトベスト2kg
と分散することによって腰の負担は軽減され、水中での体の姿勢も保ちやすくなります。
ポイント5:腰の負担を和らげるウェイトベストを利用しよう
- グローブ
ダイビングに慣れてくると、グローブを利用しないダイバーの方も多く見受けられます。手を怪我しないためにもグローブが必需品なのですが、忘れられがちなのがグローブの保温性です。 冬のダイビングではぜひグローブ(ダイビング専用の物)をご利用ください。
ポイント6:寒さは指先からやって来る・・・
冬のウェットスーツの必需品
- スーツ
冬の沖縄のダイビングに適したウェットスーツはどのようなものが良いのか? 冬のスーツは保温性を重視し、フルスーツタイプ(長袖、長ズボン)で厚手(5mm)のスーツをお選びください。 裏地が起毛タイプになっているものが保温性も高くお勧めですが、どんなに保温性が高いスーツでも体にフィットしているかどうかが、最大の問題です。ブカブカのスーツでは水が大量に入ってきて、保温効果が極端に下がってしまうからです。 レンタルスーツや既製品のスーツではなく、自分の体にあったオーダースーツを選ぶことをオススメいたします。(オーダースーツは一般的に1万円程金額UPになります。) 保温性の面ではフィット感が重要なのですが、体にフィットしていると握力の弱い女性にはスーツの着脱が一苦労!というデメリットもあります。 最近は暖かくて着やすい、高性能なスーツも開発されているので、ぜひ自分の体にあったウェットスーツをお選びください。
手足のファスナーが長くなることによって、着脱が大変楽になります。 水が入らないようにシール構造になっているのが特徴です。
ポイント7:ウェットは5mmフルスーツで、体にフィットしていること。
- フードベスト
ドライスーツのフードの部分でもご説明いたしましたが、首から上を暖めることがとても重要です。スーツだけでは寒いと思う方は、ぜひベストとフードが一体化した、フードベストをご利用ください。 ウェットスーツ内への水の浸入を防ぎながら、首から頭をすっぽりと保温するため、大変暖かく感じます。
サイドがベルクロになり、着脱が非常に楽です。
ポイント8:快適ダイビングのコツ→首から上を暖める・・・
- グローブ&ブーツ
ドライスーツでも触れましたが、グローブも保温効果を高めてくれるアイテムです。 また、ブーツも高い保温効果を発揮します。 フルフットのフィンをご利用の方は、フルフット用のソックスブーツを利用するのも寒さ対策に効果を発揮します。
左はストラップフィン用のブーツ、ビーチダイビングでは必須のブーツです。 右はフルフット用のブーツ、冬のボートダイビングで大活躍します。
ポイント9:寒さは足元からやって来る・・・
- 陸やボート上で
水中での防寒対策だけでは万全とは言えません。 実はダイビング後、ボートや陸上での防寒対策が重要なのです。 沖縄では気温が10度を下回ることはありませんが風が強く吹くことがあります。 濡れた体に風が吹き付けると、思った以上に体感温度が
下がり寒さを感じます。 ダイビング後、濡れた体はできるだけ早く水をふき取り、風を通さないボートコートを利用してください。 防寒対策のコツの半分は陸上だと言っても過言ではないのです。
リベルテオリジナルのボートコートです。 これ一枚で陸上もボート上も快適に過ごすことができます。 水、風を通さず、すぐに乾く素材ですので、ダイビングに最適です。
ポイント10:防寒対策は 陸上も重要
- より暖かくなるために
その他の保温グッズに「ホットジェル」と「ホットサプリ」がございます。 「ホットジェル」は体の外側から、「ホットサプリ」は体の内側から温める製品です。 ホットジェルを適量体に塗ると、その部分がポカポカと暖かくなります。腰痛対策や冷え性の方にも効果があると言われています。 またホットサプリはダイビング前に服用することで、体の中から温まる商品です。 天然由来成分の生姜・桂皮・山椒・紅参などをブレンドし、体を温める事を目的に処方されています。 味は飲みやすいフルーツ味、風邪の時にも利用可能だそうです。
冬のダイビングに欠かせない快適グッズの数々いかがでしたでしょうか? 冬のダイビングの快適さはスーツだけでなく、その他のグッズで大きく変わります。 最適な装備で、快適な冬のダイビングを満喫しましょう! クジラのジャンプは豪快ですよ!
□冬のザトウクジラが見れるコース紹介
慶良間1日ボートダイブ 12800円~
□初めてドライスーツを試すなら
ドライスーツレンタル 3000円
*ドライスーツ講習の経験が必要です。
□冬のダイビングの必需品、これ一枚で陸上も暖か!
リベルテオリジナルボートコース 26,250円
written by 木村俊明
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