仕組まれた優の見合い
会議が終わり、社長である父から優は呼びとめられたのであった。
父「優。この間、お前に伝えてあったお見合いの事だが、返事はまだ聞いてなかったぞ。」
優「あっ!はい。社長。その件の事ですが・・」
父「会ってみてごらん。いいお嬢さんだぞ。将来、この会社を背負っていくお前にぴったりのお嬢さんだからな。」
その頃、日本を代表する「大名銀行」の頭取室では・・・・
トメ 「おと~たまぁ 、アタイ、ケツコンしたいんだけど~~~~~ 」
頭取 「そうだな、ワイも可愛いトメの花嫁姿を見たくてな。。。今、LBH貿易の息子との縁談を考えているんだが、どうだぁ」
トメ 「わぁ~~~ おと~たま、トメは嬉しゅうごじゃります。」
頭取 「なるべく速く、会えるよう、言ってあるのだが。。。。」
トメ 「うんうん、速くして~~~~~~。アタイ、きれいにしなくっちゃ 、ちょっと、パリへお洋服買いに、行って来ていいかしらん~ 」
頭取 「ああ、ワイの自家用機を使いんしゃい」
トメ 「あんがと 」
大名銀行頭取の娘は、人目を引く美しさだった。。。
しかし、その奇行は、週刊誌を騒がしていた。。。
着々と「大名銀行」のトメが、お見合いの為ボディーマッサージやらエステやらスポーツジムに通っていたのであった。
トメ「おか~たま おと~たま アタイこんな体になりまんがな。。どないでっしゃろ 」
おか~たま「あらまぁ 、トメはいつみてもかばいいざんすよ。」
おと~たま「おお!目がくらむわい。わしの子とは、思えんほどキレイでゴワス。」
トメ「では、おと~たま、おか~たま、アタイは、はようLBH貿易のお方とお会いしたいでごじゃるよ」
おと~たま「わかった。わかった。まってろほい 」
その頃、そんな話が進んでるとはちっとも思っていなかった優と凛。
しかし、凛には、蘭丸と言う名のおにぃたまがいたのであった。
その蘭丸は、凛にこう言っていた。
蘭丸「凛。いやしくも我が家は由緒正しき元落ち武者の家系ゆえ、へんな男と付き合うのではないぞ。」
凛「はい。おにぃたま 凛はそのようなことは、一切いたしませんゆえ。。ご心配ならずに。。」
こんな会話を幾度となく交わしてる凛の家であった。
大名家
おか~たま「トメ、早くするざんす! 遅れちゃいますざんす」
トメ「だって おか~たま ドレスの後ろチャックが締まらないでごじゃるよ 」
おか~たま「ひょえ~~~~! 今頃何を言うざます!?あ~た、あ~た、トメが大変ざますわ!」
おと~たま「何を騒いでいるんじゃ!? 見合い当日でゴワスゾ」
おか~たま「あ~た、トメのドレスがはいらないざますの」
おと~たま「な、な、なんとな あれだけ金に物を言わせて ボディーマッサージやらエステやらスポーツジムに通わせたのに・・・どないすんねんや!?」
トメ「おと~たま、大丈夫でヨンス。トメはこの、美しい顔で勝負するでごじゃるよ」
おと~たま、おか~たま「おおっ そやったなあ~、ほな、いこか」
その頃・・・=青野家=
優「 オヤジ、この見合いどうしてもいかなきゃあ、ダメなの!?」
オヤジ「ああ。。。そうしてくれ」
優「いままで、オヤジの言う通りに生きて来たじゃあ~ないですか・・・結婚相手くらい、僕の好きにさせて下さい」
オヤジ「優、この見合いは、ワシの会社の将来がかかっている大事な見合いだ!跡取りのお前にとっても 大事な事だ!我がままは 許さん」
優「それじゃあ~まるで、華麗なる一族だ!」
オヤジ「おおっ!華麗なる一族とな!?それじゃあ~ ワシは北大路欣也じゃな・・・むふふ」
優「そう来たか!じゃあ~ 僕はキムタク!?」
優の母「あんたたちええかげんにし~や。 優、深刻に考えんでもええんよ。社交辞令のような見合いやから、ちょっと逢うだけでええからね」
優「・・・・うん、わかった・・・」
帝国ホテルのとある一室で・・・
大名オヤジ 「遅いな・・・こんな可愛いトメを待たせるとは、LBH貿易とは、この先、付き合いを考えねば・・・ 」
おか~たま「さいざんすね、あ~た・・・でもLBH貿易の息子ってハンサムって噂ざんずよ」
トメ「ほんと~ ?じゃあ、トメはいつまでも待つわ~、だから、おと~たま、怒らんといて 」
大名オヤジ「う、う、う、う、かばいいトメがそう言うなら、待つか 」
そこへ・・・
青野家の3人が入って来た
青野オヤジ「これはこれは,お待たせして申し訳ございませんでした、これが息子の優でございます」
優「はじめまして、青野優です」
トメ「・・・・」
大名オヤジ「おうおう、これは聞きしに勝る息子さんで・・・ 、こちらが娘のトメでございます」
トメは、言葉を失い、ただひたすらよだれを垂らしていた・・・
優の母「まあ、きれいなお嬢様です事、でもお口に・・・」
おか~たま「まあ、すみません、今、水を飲んでいた所で」
優 「いや、いいんですよ、お洋服は大丈夫ですか?」
トメ 「・・・」
優は思った・・・きれいだ、しかし・・・この人に知性はあるのだろうか・・・
おか~たまは思った・・・この人を逃したらトメは嫁になんぞ行かれない・・・どうにかしてあのヨダレを止めて、見破られないようにせねば・・・
優の母は思った・・・そして見破った。
どうにかせねば これじゃあ、あんまりだ・・・
オヤジ二人は思った・・・何だっていいから、すぐ式をしちゃえ~~~~
その頃、凛の家では。
凛「蘭丸おにぃ~たま、何の番組見ているの?」
蘭丸「うん、華麗なる一族だ、数奇な運命だな 」
凛「そうねぇ、でも・・・それよりチャンネル変えていい?」
蘭丸 「ん?何を見たいんだ?」
凛「From meって言うチャンネルで、加齢なるエロ族って言うお笑いをやっているのよ」
蘭丸 「・・・・・あんまり見たくないが・・・・・」
凛がTVのチャンネルを「加齢なるエロ族 」に回して、画面を見ていると・・・
「たった今、ニュースが入りました。LBH貿易の次期社長青野優さんと「大名銀行」の頭取のトメさんがお見合いをしました。」
凛「あんだって あおのゆう??」
蘭丸「凛!!どうしたんだい?顔色が悪いぞ」
凛「いえ。おにーたま。なんでもないでゴワス。この名高き落ち武者の家系。なにがあっても、どうじないでゴワス。」
その頃、優とトメのお見合いの会場では・・・
=お見合い会場=
おか~たま「トメ 、もう~この子ったらそんなに 優さんにしがみ付いて・・・ご迷惑ざますわよ」
トメ「・・・」
おか~たま「優さん、許してざます。この子ったら昔っから、自分の気にいったもの見つけると離さない子ざますのよ」
優「あの~、ここでみなさんに発表したい事があるんです」
優のオヤジ「優、それは。。。イヤ。。。いいんだ」
優「オヤジ、いいよね 。。。言っても」
優のオヤジ「ああ。。。そうしてくれ」
優「実は、僕には。。。」
トメ「ダメっ!優たんは、トメのものっ」
優「トメさん、僕には好きな人がいるんです」
トメ「・・・」
大名オヤジ「な、な、なんと!では、この見合いはなんだったのでゴワス」
優のオヤジ「・・・すまない・・・」 あくまで・・・
大名オヤジ「謝って済む問題ではないゴワス!」
優の母「あんたたち!ええかげんにし~や。優に好きな人がいる以上しゃ~ないやないの。ちょっと大名君、あんた昔っから諦めが悪い癖、まだ、治らへんのやね 」
優、優のオヤジ、トメ、トメのおか~たま
一声に
「へっ!?」
優のオヤジ「・・・・ふぅ~・・・、どうなっているんだ」
優 「ぶっちゃけ、どうなんだ オフクロ」
大名オヤジ 「昔の話でワシを攻めるのか」
おか~たま 「あ~た 、何ざます?はっきりおっしゃい!」
いきなりトメ 「わかったぁ 、おと~たま、昔、優たんの母が好きだったのね~」
トメおかーたま「青野さん!アタイはあなたのこと」
優おやじ「いや。。。言わないでくれ。。」
トメおかーたま「うぅぅ・・若い頃、まだ、アタイがみつあみのおさげ姿の頃、あなたがそばにずーーーといてくれると思ってま・・うぅぅぅ 」
トメおかーたまは、感極まり泣き続けるのであった。
トメおとーたま、トメ、優の三人は自分達の頭の上を「し~ろい鳥と~んでいって・・♪」のしらけ鳥さんが、何羽か飛んでいくのが見えたのであった。
凛と優はお互いに好意を持っている。
昔、トメの父=大名おと~たまは、優の母を
好きだった。
昔、トメの母=大名おか~たまは、優の父を
好きだった。
で、今、トメは優と見合いをして、人目惚れ、ヨダレを垂らして、優にしがみついている。
優の母 「なんや、あんた、ワテの主人に横恋慕してたん?」
大名おか~たま「ちゃうちゃうちゃう、あんたのダンナがワタイを好きだったんよ!」
優のオヤジ「い、いや、違うんだ・・・」
大名おと~たま 「何だとーーー 我が妻は、優オヤジを好きでワシは優の母を ・・・そして二人共」
優のオフクロ「そやそや、あんたら夫婦は揃って、わてら夫婦にふられたんや」
トメ 「だから、アタイは、結ばれる~」
優 「だから、ぶっちゃけ無理だっちゅうの」
トメ 「・・・」
優 「ごめん、ボクはあの人じゃなければダメなんだ」
優は思った、、、、ああ、早く、このヨダレ娘から離れて彼女に会いたい・・・しかし、凄い力でしがみついているな・・・まるでアロンアルファだ。
誰か見つけなければ・・・
その頃・・・・・
蘭丸 「ぐあははははっはっははh・・・腹、遺体。い、てっててててててて」
凛 「いや~ね、おに~たま、あれ程、見たくないって言っていた「加齢なるエロ族」にすっかり嵌っちゃって・・・」
凛は思った・・・こんな兄を好きになってくれる人いないかしらん。
お見合いの席で、トメおか~たまと優おやじの偶然の再会。
みんなが唖然としていると、そこに息を弾ませながら凛と蘭丸が走ってくる姿が。。。
優「あっ!凛。。」
トメ「まぁ!あのおひとは。。 」
トメは蘭丸の姿に釘付けになっていた。
そんな二人をよそに、トメおか~たまと優おやじ、そして、トメおと~たまと優おかあが二組仲良く話に夢中になっていたのであった。
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